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Science Seminars

Fiscal 2013

Date: 24 Feb. 2014
Speaker: Tomohiro Abe (KEK)
Title: Gauge invariant Barr-Zee type contributions to fermionic EDMs in the two-Higgs doublet models
Abstract: We calculate all gauge invariant Barr-Zee type contributions to fermionic electric dipole moments (EDMs) in the two-Higgs doublet models with softly broken Z2 symmetry. We make bounds on the parameter space in type-I, type-II, type-X, and type-Y 2HDMs. We find that Type-II and type-X 2HDMs are strongly constrained by recent ACME experiment's result, and future experiments of electron and neutron EDMs may search O(10) TeV physics.
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Date: 17 Feb. 2014
Speaker: Yoshihito Gando (Tohoku U.)
Title: KamLAND-Zen 実験によるニュートリノを伴わない二重ベータ崩壊探索
Abstract: 近年のニュートリノ振動パラメータの精密測定を受け、 次のニュートリノ研究の課題は、質量の値と階層問題、 CP対称性の破れ、粒子と反粒子の同一性(マヨラナ性)、 不感ニュートリノ(ステライルニュートリノ)の存在などが挙げられている。 これらの中で、質量とマヨラナ性を検証出来るニュートリノを伴わない 二重ベータ崩壊を探索する実験が世界各地で稼動・計画されており、 現在最も活発なテーマの一つとなっている。 本講演では、KamLAND (Kamioka Liquid scintillator Anti-Neutrino Detector) に約400kgのキセノン136二重ベータ崩壊核を導入する事で 二重ベータ崩壊探索を行っているKamLAND-Zen実験、 および将来計画と探索感度について紹介する。
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Date: 27 Jan. 2014
Speaker: Takehiko Asaka (Niigata U.)
Title: Probing the origins of neutrino masses and baryon asymmetry of the universe
Abstract: We consider the Standard Model extended by two quasi-degenerate right-handed neutrinos. In particular, we consider the case when they are lighter than charged kaon. This simple framework can account for the neutrino oscillations and the baryon asymmetry of the universe at the same time. In this talk we shall summarize the possible constraints on such right-handed neutrinos from direct search experiments and cosmology, and also discuss the strategy how to find and verify right-handed neutrinos by using the future experiments by using kaon.
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Date: 22 Jan. 2014
Speaker: Minoru Tanaka (Osaka U.)
Title: 原子・分子過程によるニュートリノ物理
Abstract: 原子・分子の準安定状態からの光子を伴うニュートリノ対の放出 $|e\rangle\to|g\rangle+\gamma+\nu_i+\bar\nu_j$ (radiative emission of neutrino pair, RENP)による, ニュートリノの未知の性質,すなわち,絶対質量,階層性パターン, DiracかMajoranaか,CP位相の決定の可能性について議論する. どのようにしてこれらの性質がRENPにより決定されるのか,その 原理について説明し,RENPを実現するために重要となる マクロコヒーレンス機構について解説する.また,この マクロコヒーレンス機構を実証するために考えられているRENPの ニュートリノ対を光子で置き換えたQED過程 $|e\rangle\to|g\rangle+\gamma+\gamma$ (paired superradiance, PSR,対超放射)についても説明する. PSRはそれ自体新しいコヒーレントな量子過程であり,RENPの前段階の 過程としても重要である.
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Date: 16 Dec. 2013
Speaker: Tuneyoshi Kamae (Stanford U., U. of Tokyo)
Title: 宇宙線・ガンマ線観測によるダークマター探索:過去、現在、未来
Abstract: ダークマターは、 宇宙全体や銀河以上の大きな天体の多くの観測事実を説明するには、 必要不可欠の要素となっている。 他方、素粒子物理学でも、 ヒグス粒子の発見で完結したかに見える「スタンダード模型」も、 数100GeVを超えるエネルギーになると、理論が破綻することが知られている。 何か重い粒子が必要なのだ。 身の回りにある「標準物質」とほとんど相互作用しない、 重い粒子が宇宙を満たしていてくれると、 素粒子物理学にも天体物理学にも好都合である。 1970年台後半から数年前まで、 このような条件を満たす「奇跡のWIMP」があると信じて、 多くの実験や観測がなされてきた。 しかし、未だに発見されていない。 これまでのダークマター探索の結果と、 CERNの巨大衝突型加速器、LHCで得られている結果をあわせると、 「奇跡のWIMP」は夢に過ぎなかったと考える研究者も増えている。 まったく違う可能性を考えるべき時期が来ているのかもしれない。 この講演では、宇宙線、g線観測から得られてきた結果を中心に、 最近のダークマター探索を解説したのちに、 新しいダークマターの可能性についても言及したい。 判リ易く、話す予定なので、ぜひ聞きに来て下さい。
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Date: 2 Dec. 2013
Speaker: Yuji Tachikawa (U. of Tokyo)
Title: 『ラグランジアンの無い』四次元の場の理論について
Abstract: 近年、四次元超対称ゲージ理論の研究から、 強結合超対称理論でラグランジアンが(書けそうに)ない理論が沢山みつかっている。 このような理論をどのような手法で解析するか、 また、どのようなことが起こるかを解説したい。 内容は Gadde, 丸吉、顔、米倉との共同研究 http://arxiv.org/abs/1308.0064 等にもとづく
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Date: 25 Nov. 2013
Speaker: Toshihide Maskawa (MISC, KMI)
Title: 超対称性雑観
Abstract: -
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Date: 21 Nov. 2013
Speaker: Yoshitaro Takaesu (KIAS)
Title: 原子炉反ニュートリノ実験による質量階層性への感度とその課題
Abstract: 二ュートリノ物理では、 13混合角の精密測定を受けて質量階層性の決定が次の重要課題となっている。 それにはニュートリノ振動実験が有効であると考えられるが、 その中でも原子炉反ニュートリノ実験は、 CP位相や23混合角とは独立に質量階層性の情報を得られる点でユニークである。 本トークでは、 次世代原子炉実験における質量階層性決定への感度や課題について、 韓国で計画されている RENO-50 を例に議論したい。
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Date: 18 Nov. 2013
Speaker: Yoshiharu Kawamura (Shinshu U.)
Title: 「自然さ」と「ゲージ階層性」を巡って
Abstract: 標準模型がプランクスケールのような高エネルギーまで 有効であるというシナリオを拠り所として、 有効理論の観点から「自然さ」とその周辺について再考します。 具体的には、 標準模型の背後に(究極の理論の特徴と深く関わる)隠れた対称性が存在し、 その効果により スカラー粒子の質量に関する不自然な性質が解消されるという期待の下で、 積分変数に関する双対性を考慮した量子補正の計算方法を提案します。
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Date: 13 Nov. 2013
Speaker: Tatsuo Kobayashi (Kyoto U.)
Title: Phenomenological aspects of magnetized brane models
Abstract: 背景磁場をもつコンパクト空間の現象論的性質を議論する。 世代数、ゼロモード波動関数、湯川結合、フレーバー対称性など 4次元低エネルギー有効理論の様々な性質をまとめ、現実的な模型の構成を議論する。
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Date: 28 Oct. 2013
Speaker: Koichi Hamaguchi (U. of Tokyo)
Title: Supersymmetry after Higgs discovery
Abstract: 前半、ヒッグス粒子の質量 126 GeV の超対称性模型への示唆を議論した後、 後半、ミューオン異常磁気能率の理論値と実験値のずれを説明出来るような 超対称性模型についてお話したいと思います。
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Date: 7 Oct. 2013
Speaker: Taichi Kugo (MISC)
Title: Massive Gravity の諸問題
Abstract: 重力場の質量項は、重力をシールドする効果を持つので、 それがあれば宇宙項問題にも重大な効果を持つ。 しかし、 Einstein重力理論に質量項を加えてmassive gravity 理論にすると、 ghost問題や、ゼロ質量極限にスムースにつながらないなど様々な問題を生じる。それらを解決した と称する 所謂 ghost-free nonlinear massive gravity 理論を中心に これらの問題を考察する。
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Date: 17 Jul. 2013
Speaker: Eibun Senaha (Nagoya U.)
Title: 電弱バリオン数生成の最近の発展について
Abstract: 最近ヒッグス粒子に関する実験データが出たことにより、 電弱バリオン数生成の検証は大きく進展しつつある。 特に、電弱バリオン数生成が成功する為の条件の一つである 『電弱相転移が強い一次』に対して実験からの制限がより強くなった。 このトークでは、 まず始めに電弱バリオン数生成のメカニズムについて簡単にレビューし、 その後、超対称標準模型に於ける最近の進展について紹介する。
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Date: 10 Jul. 2013
Speaker: Koji Hashimoto (Osaka U.)
Title: A landscape in boundary string field theory
Abstract: We solve the equation of motion of boundary string field theory allowing generic boundary operators quadratic in X, and explore string theory non-perturbative vacua with massive state condensation. Using numerical analysis, a large number of new solutions are found. I explain properties of the solutions. Based on a collaboration with Masaki Murata, http://arxiv.org/abs/1211.5949/
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Date: 26 Jun. 2013
Speaker: Tsuyoshi Nakaya (Kyoto U.)
Title: T2Kニュートリノ実験とニュートリノにおけるCP対称性の測定に向けて
Abstract: T2K(Tokai-to[2]-Kamioka)実験は、 東海村にある大強度陽子加速器J-PARCを使って生成するニュートリノビームを 300km遠方に設置された岐阜県飛騨市神岡町にあるスーパーカミオカンデに向けて打ち、ニュートリノ振動を高感度で測定する実験である。 T2K実験では、2011年6月に ミューオンニュートリノから電子ニュートリノへの振動モードを発見することで、 世界で初めてニュートリノ混合角θ13がゼロでないことを示した。 電子ニュートリノへの振動発見により、より多くのデータを蓄積し、 原子炉反ニュートリノ振動実験の高精度θ13測定と組み合わせることで、 いよいよニュートリノ振動における CP対称性についての研究が始まろうとしている。
本講演では、これまで得られたT2K実験の物理結果を概観し、 今後T2K実験で期待される(CP測定を含む)ニュートリノ振動の実験感度を紹介する。 また、T2K実験で最終的に得られる探索感度と、 ニュートリノ測定器スーパーカミオカンデを凌駕する ハイパーカミオカンデ計画についても紹介する。
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Date: 11 Jun. 2013
Speaker: Yoshimasa Hidaka (RIKEN)
Title: 南部・ゴールドストンの定理の非相対論的な系への一般化
Abstract: 南部・ゴールドストンの定理の 非相対論的な系への拡張に関する最近の進展を紹介する。 ローレンツ不変性が明白な場合は 南部・ゴールドストンモード(NGモード)と対称性の破れの数は一致し、 NGモードのエネルギーは運動量に比例する(Type-I NGモード)。 Lorentz対称性が明白でない場合は 対称性の破れの数とNGモードの数は一般に一致しない。 時空対称性の破れが伴わない場合は、上記のType-I NGモードに加え エネルギーが運動量の2乗に比例するType-II NGモードが現れる場合がある。 これらのNGモードの数と対称性の破れの数の間の関係についての最近の進展を議論する。また、時空対称性の自発的破れがともなう場合の 南部・ゴールドストンの定理についても議論する。
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Date: 5 Jun. 2013
Speaker: Hiroaki Sugiyama (MISC)
Title: Lepton number violation at the LHC with leptoquark and diquark
Abstract: ニュートリノが粒子・反粒子の区別のないマヨラナ粒子である場合、 その質量の存在によってレプトン数の保存が破れる。 通常は、ニュートリノ質量の小ささゆえに、 レプトン数を破る過程は非常にまれな崩壊過程となる。 本研究では、leptoquark と diquark を活用したニュートリノ質量生成機構を扱い、 ニュートリノ質量は小さいにもかかわらず、 レプトン数を破る過程がLHC実験において起こる可能性を議論する。
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Date: 22 May 2013
Speaker: Masahiro Takada (Kavli IPMU)
Title: 観測的宇宙論の現状:ダークマターとニュートリノ
Abstract: ダークエネルギー、ダークマターが支配的な冷たい暗黒物質構造形成モデルが、 宇宙背景放射の高精度データをはじめとする 様々な宇宙論データを説明することに成功し、 宇宙構造形成の標準モデルとなっています。 今回のトークでは、如何に宇宙論データから 宇宙におけるダークマターの総量が制限されているかを解説します。 また、宇宙の構造形成におけるニュートリノの役割についても議論する予定です。 本公演では、なるべく宇宙論の専門家以外の方にも分かるような解説を試みます。
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Date: 7 May 2013
Speaker: Takahiro Tanaka (YITP)
Title: インフレーション宇宙論 after Planck 2013
Abstract: Planck衛星の観測結果が2013年3月に発表されました。 その結果はインフレーション宇宙論が益々確からしいことを示唆しています。 それと同時に、インフレーションのモデルに対する制限が厳しくなってきました。 特にゆらぎの非ガウス性に関する制限は予定されていた精度をほぼ達成し、 ある種の複雑なインフレーションモデルを排除する結果となっています。 一方で、重力波ゆらぎに関しては、偏光観測の結果がまだ発表されていないので、 WMAPと比較してそれほど制限が強くなったという印象はありません。 しかし、これまでも言われてきたように 単純なべき乗型のインフラトンポテンシャルと観測が 矛盾を生じつつあるという状況にあります。 このような現状を踏まえつつ、 インフレーションのモデルに対する制限をレビューしたいと思います。
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