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マーケティング論の文献リスト
 
 初歩的文献  
 ID  文献名  特記
 1002003 大木裕子「フランスのオーケストラ経営に関する一考察」『文化経済学』 2(2), 2000, 117-126,

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フランスのオーケストラを題材にマネジリアル・マーケティング・ミックスの4P'sがさりげなく解説されている論文。
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 1002002 中村英仁・岡本純也・江頭満正・金子史弥「なぜ「ツール・ド・おきなわ」の参加者は増加したのか : マーケティング戦略にみる供給サイドの資源依存関係マネジメント」『スポーツ産業学研究』20, 2010, 173-189

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ツール・ド・おきなわという自転車レースを題材にマネジリアル・マーケティング・ミックスの4P'sがよくわかる論文。
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 1002001  大野貴司「第3章スポーツマーケティング」『スポーツ経営学入門‐理論とケース‐』三恵社, 2010, 21-30

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アルビレックス新潟を事例にマネジリアル・マーケティング・ミックスの4P'sを紹介している良書。  
 1001001 Spoelstra, J. “Ice to the Eskimos: How to Market a Product Nobody Wants,”HarperBusiness, 1997(『エスキモーに氷を売る』中道暁子訳, きこ書房, 2000)

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NBA(National Basketball Association)<全米バスケットボール協会>のニュージャージー・ネッツを題材にして、マーケティングの初歩的知識を紹介している良書。最下位に低迷していたプロのバスケットボールチームをいかに人気チームにしたのかを描いている。
マーケティングの基本問題の1つ、「高品質の製品であるにもかかわらず低品質の製品よりも売れないのはなぜか」という問いに答えている。モノやサービスが「売れる」とは一体どういう意味なのかを考えさせられる。

  中級的文献
 ID 文献名   特記
  1002071 山下裕子・福冨言・福地宏之・上原渉・佐々木将人『日本企業のマーケティング力』有斐閣, 2012 
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マネジリアル・マーケティング・ミックスが、広義の「マーケティング」とどのような関係にあり、しかも日本企業において、それがどのような実態として反映されているのかを実証した興味深い良書。
日本企業の実態把握が丁寧に記述されている点も興味深いが、セグメンテーション(Segmentation)、ターゲティング(Targeting)、ポジショニング(Positioning)の三つの基本戦略を遂行する広義の「マーケティング」が4P'sにどのように落とし込まれていくのかどうかを分かりやすく示し、しかもそうした教科書的理解が現実に適用されているのかどうかを実証した点がきわめて興味深い。
広義の「マーケティング」が戦略論とどのようにかかわり、どのように離れていったのか、また、マーケティング・ミックスとの関係はどのようなものなのかという点について記述されている第1章はとりわけ注意して読みたい。
本書の射程範囲がきわめて野心的であることが伺える。

 
 1002061 Thaler, R., "Mental Accounting and Consumer Choice," Marketing Science, Vol.4, 1985, pp.199-214

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野球やサッカーやバスケットボールの試合のチケット価格は、ボクシングの試合のチケット価格よりも安いことが多い。これはなぜなのか。
商品の価格設定、いわゆるプライシング(Pricing)は、非常の刺激的でしかも奥深い分野である。本論文は、上に示した現象が、取引という商慣行から生じることを示している。野球の方がボクシングよりも面白いから値段が高いのであるという単純な理解では、この分野の奥深さは味わえない。スポーツに興味のある学生にとって参考にすべき良書。 

追記;著者のThaler Richard氏は2017年にノーベル経済学賞を受賞しました。
 1002051 古川一郎『出会いの「場」の構想力』 有斐閣, 1999
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消費者の価値の評価は文脈に依存することを広範な視点から示した良書。
とりわけ、第4章におけるプライシング(Pricing)の文献レビューが非常に役立つ。ID1002041の論文についても日本語で分かりやすく解説しており、参考にすべき良書。
 
 1002041 Kahneman, D. and Tversky, A., "Prospect Thory: An Analysis of Decision Under Risk," Econometrica, Vol.47, No.2, 1979, pp.263-292

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目の前に利益があると、利益が手に入らないというリスクの回避を優先し、損失を目の前にすると、損失そのものを回避しようとする人間の傾向を示した古典。
4P'sの中でも、価格をどのように設定するのか、いわゆるプライシング(Pricing)がなぜうまくいったり、うまくいかなかったりするのかを考える際の重要な論点を示してくれている。
お客の立場に立ってものを考えるとは、こうした消費者の評価の文脈(コンテクスト)をも考慮に入れる必要がある。
 
 1001211 Moschis, G., “Social Comparison and Informal Group Influence,” Journal of Marketing Research, Vol.13, 1976, pp.237-244

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準拠集団研究の古典的論文のひとつ。この論文でも、消費者は他者の影響を受けて購買にいたっているが、その原因は、集団からもたらされる規範的な影響(ここでは○○しなければならないというルールのようなもの)ではなく、情報的影響(知らないものはリスクがあるのでみんなで情報を集めようといった意識)と指摘された。
その要旨は次の通り。
グループに協力しようという意識(協力志向性;Co-Orientation)がある場合、化粧品のような知識がなければ肌荒れなどのリスクがあるような商品の購入の際には、グループのメンバーらが情報を集めようとし、そこではうそをつくようなメンバーがいないことが明らかとなった。 
 1001201 Stafford, J., “Effects of Group Influences on Consumer Brand Preferences,” Journal of Marketing Research, Vol.3, 1966, pp.68-75

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準拠集団研究の古典的論文。この論文でも、消費者は商品の品質のみではなく、他者の影響を受けて購買にいたっている。
その要旨は次の通り。
友人や隣人などインフォーマルな関係を持つ主婦層の場合、毎日食卓で口にするパンの購入であっても、つまり、品質を判断する知識が十分に備わっている商品の購入であっても、グループのリーダーの影響が強く働くことがある。そうしたグループには特徴(凝集性;Cohesiveness)があった。 
 1001191 Venkatesan, M., “Experimental Study of Consumer Behavior Conformity and Independence,” Journal of Marketing Research, Vol.3, 1966, pp.384-387

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ID1001141から続いているテーマは、いわゆる「消費の外部性」と呼ばれる集団的な現象である。消費者集団は単に商品の品質のみを購買の判断基準とはしていない。
このような集団的な現象は、よりミクロな点から見ても同じことが言える。消費者集団ではなく消費者個人を研究対象とする消費者行動論において、消費の外部性は「準拠集団」と呼ばれるような他者の影響へ注目することで探求されている。そのうちの代表的な論文のひとつがこの論文である。
その要旨は次の通り。
全く同じ品質のスーツを3種類にわけ、その中から最も良いものを選ばせる実験をいくつかのグループを対象に行なった結果、違いが生じた。この違いは、グループに置かれた集団の特徴(同調;Conformity)によるものであった。
 
 1001181 Duesenberry, J., “Income, Saving and the Theory of Consumer Behavior,” Harvard University Press, 1949(『所得・貯蓄・消費者行為の理論』大熊一郎訳, 巖松堂書店, 1955)
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ID1001141から続くテーマ、市場の成果は生産と消費のどちらを原因とするのか、を考える際に有効な古典的名著のひとつ。ID1001161の基礎となった理論が本書で示されている。経済学的な視点から消費者間相互作用について論究している。
本書も、じっくりと読みたい。 
 1001171 Galbraith, J., “The Affluent Society,” Mifflin, 1958(『ゆたかな社会:決定版』鈴木哲太郎訳,岩波書店, 2006)

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消費社会をどのようにとらえるのかを問題にしたID1001141から続く古典的名著のひとつ。
ID1001151やID1001161とは異なり、消費側からではなく、生産側からも需要が創造されるのではないかと論じている。ID1001141と対をなすこの論考は、長い休み期間中にじっくりと考えたいテーマである。 
 1001161 Leibenstein, H., “Bandwagon, Snob and Veblen Effects in the Theory of Consumers' Demand,” The Quarterly Journal of Economics, Vol. 64, No. 2, 1950, pp. 183-207

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「モノが売れる」という市場の成果が、組織のマーケティングではなく、実は消費者同士の相互作用にあったことを示した古典的名著。
組織の不断のマーケティング努力にもかかわらず、大きな成果が上がらない場合がある。それは合理的でない消費者がいたからではなく、消費者同士の社会的な合理的行動による場合がある。本書は、ID1001141で示された消費者の顕示的欲求による行動を、経済学(特にミクロ経済学)の視点から実証した。緻密な論旨にも注目するべき良書である。 
 1001151 山崎正和『柔らかい個人主義の誕生:消費社会の美学』中央公論社, 1984

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生産と消費を支える需要がどこから発生するのかを日本社会を見ながら論究した名著。
日本の社会を舞台にしながら、需要の発生源を探求していく。ID1001141と比べて読むと、大変深い洞察があることに気づく。山崎氏の文章は、非常に平易な文章で読みやすいため、こうした深い洞察があることに気づかずに読み飛ばしてしまうことに注意が必要である。
2020年8月に山崎氏はご逝去されました。
 
 1001141 Veblen, T., “The Theory of the Leisure Class: An Economic Study of Institutions,” Macmillan, 1899(『有閑階級の理論』高哲男訳, ちくま学芸文庫, 1998)

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生産と消費を支える需要がどこから発生するのかを論究した古典的名著。
マーケティングで初めに教えられる「ニーズ」、それは一体何か。また、それはどこから生まれてくるのか。
アメリカの社会を舞台にしながら、需要の発生源を探求していく。経済学の専門用語をなるべく平易な文章で置き換えているために、比較的読みやすい。その反面、深い洞察があることに気づかずに読み飛ばしてしまうかもしれない。その点に注意しながらじっくりと読んでおきたい。
 
 1001121 石井淳蔵・石原武政『マーケティングダイナミズム』白桃書房, 1996

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ID1001061およびID1001111の論争の経緯を示した良書。
石井氏の論考に対して石原氏が再批判を行なって、議論が深まっていく経緯が大変よくわかる。互いの論考を丁寧に読み込み、さらに批判を加えることで新しい知見が生まれてくるという知的営みを感じたいならば、是非読んでほしい。「議論する」とは本書Ⅱ部で示された論文群のことを言う。
大学院生のみならず研究者の端くれである私も、このような批判が行えればと思う模範的論考である。
 
 1001111 石井淳蔵「新しい消費者研究の胎動」『国民経済雑誌』162(6), 91-114, 1990

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ID1001061の論文をきっかけに、マーケティング研究において「生産と欲望」論争(石井=石原論争)と呼ばれる有意義な議論が行われた。その口火を切った論文。
モノが売れるという現象は、生産したメーカーの戦略が優れていたために売れたのであろうか、それとも、店頭に置かれた商品を多くの消費者が気に入ったから売れたのであろうか。研究者の立ち位置(考え方)によってモノが売れるという現象の説明は大きく異なる。それをどのように理解すればよいのかを問う、良質の議論が展開される。
マーケティングをより深く学びたいならば、避けては通れない問題である。
 1001101
井原哲夫『「ブランド」を解読する』PHP研究所, 1992

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なぜこれほどまでにブランドが力を持つことになるのか経済学的な視点からを問う良書。
きわめて平易な文章で、ブランドが力を持つロジックを分かりやすく解説している。ブランドが消費者にとっていかに効率的な手段であるのかという問いに対する本書の答えは、非常に明快で、また深い。先行研究の難しい言い回しを、直感的に分かりやすい日本語にしているので、初めてブランドについて考察するのに適した入門書である。
ID1001091やID1002031を読む前に一読されることを勧める。
 
 1001091
Keller, K. “Strategic Brand Management,” Prentice-Hall, 1998(『戦略的ブランド・マネジメント』恩蔵直人・亀井昭宏訳, 東急エージェンシー, 2000)

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ブランドを消費者の認識面から説明する良書。
消費者の愛顧を顕在化させるブランドの現象は、個別組織のマーケティング活動がいかに消費者の認識に反映されるのかによると解く。消費者行動に関わる膨大な先行研究の知見から、「消費者の心の中に反映されるブランド」を体系的に理解できるように丁寧に説明される。ID1002031で説明されるブランドの理論とはまた異なる側面からの探求である。それゆえ、ID1002031と併せて読む必要がある。
 
 1002031
Aaker, D. “Managing Brand Equity,” The Free Press, 1991(『ブランド・エクイティ戦略』陶山計介・中田善啓・尾崎久仁博・小林哲訳, ダイヤモンド社, 1994)

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強力なマーケティング活動の結果生じるブランドの力を説明した良書。
市場での指名購買など、強いブランドは消費者の愛顧を顕在化させる。こうした現象がなぜ起きるのかを解説するとともに、こうした現象を起こすにはどうすればよいのかというヒントを提示している。ブランドを学ぶための必読書。
スポーツ・マーケティングと呼ばれる分野では、個別企業のブランド構築の効率的な手段としてスポーツが用いられていることに着目する。こうしたロジックが正しいのかどうかを検証するためにも、本書を活用できるだろう。
ID2002001を読む前に本書は押さえておかなくてはならない。そうでなければ、ID2002001は単なるドキュメンタリーとして読まれてしまうはずである。
 1001081
ロー・オルダーソン著, 石原武政・風呂勉・光澤滋朗・田村正紀訳『マーケティング行動と経営者行為:マーケティング理論への機能主義的接近』千倉書房, 1984

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マーケティング研究の古典的名著。
翻訳者の名前を見れば、本書がマーケティング研究のきわめて重要な位置にある古典であることが分かる。
マーケティング諸活動で進められた理論の統合を試み、機能主義マーケティング論の体系的成果を示したと一般的に評される。そればかりでなく、マーケティングが行動科学の視点から分析できるという視点や品揃え形成の連鎖といった概念など、現在のマーケティングを考える上で先駆的な問題提起が行われている。
ID100161やID100171を読んだ後にじっくりと堪能したい。 
 1001071
風呂勉『マーケティング・チャネル行動論』千倉書房, 1970

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フランチャイズ・システムや流通系列化といった製造業者のマーケティング政策の問題点を提起した古典的良書。
販売業者数を限定し、独占的な販売権を与え、販売業者の自立性を制限する一方で、在庫リスクなどの経済的負担はしっかりと転嫁しようとする製造業者のマーケティング政策がなぜ生じえたのかを分析する。一般的にはこのような解説がなされる。
一方、スポーツに関心があるものならば、ここで言われている製造業者とは市場参入をコントロールするリーグのことであり、販売業者とは消費者と直接取引するチームのことであることが想像できるはずである。一般的なモノとスポーツがなぜこれほど異なるのかを比較しながら読むのも多くの示唆を得られるはずである。ID1001031とID1001071と併せて読みたい。 
 1001061
石原武政『マーケティング競争の構造』千倉書房, 1982

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製造業者によるマーケティング活動のとりわけ競争的側面に注目した名著。
マクロ的な視点の経済的分析からはじまり、個別企業の視点に降り立ってマーケティング諸活動を分析し、製造業者によるマーケティング諸活動がなぜ現在のような隆盛を迎えるのかを説明する一連の論旨の流れが大変美しく、それだけ読んでも大変役に立つ。
ID100131の文献を読んだ後に堪能したい。 
 1002021 沼上幹『わかりやすいマーケティング戦略新版』有斐閣アルマ, 2008

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マーケティングではなく経営戦略論や組織論の研究者が著した入門書。事例を用いた解説が分かりやすい良書。第Ⅰ部マーケティング戦略が特にお勧めである。
ID1002001とID1002002と併せて読みたい。
 
 1002011 和田充夫・恩蔵直人・三浦俊彦『マーケティング戦略』有斐閣アルマ, 1996

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数あるマーケティング論の入門書の中で、とりわけ4P'sがわかりやすく紹介されている良書。とくに、第Ⅲ部市場への対応部分が分かりやすい。マーケティング活動の実際の業務がイメージしやすい。
ID1002001とID1002002と併せて読みたい。
 
 1001051 石井淳蔵『マーケティングの神話』日本経済新聞社, 1993

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ID1001041をさらに進化させた入門書。
「セリング」ではなく「マーケティング」を行なえば、本当に製品はヒット商品へと変わるのか。モノが売れるということは想像している以上に説明することが困難なことなのかもしれない。
 ID1001001の文献と併せて読みたい良書。
 1001041 Levitt, T. “Innovation in Marketing: New Perspectives for Profit and Growth,” McGraw-Hill,1962(『マーケティングの革新』土岐坤訳, ダイヤモンド社, 1983)

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世界的なマーケティング研究者が著した入門書。
「販売」とは一体何なのか。一般に「マーケティング(Marketing)」は「セリング(Selling)」とは異なると言われているけれども、その意味することは何かを考えさせられる良書。
特にスポーツに関心があってマーケティングを理解したいと考えている読者に勧めたい。なぜならば、そうした読者の多くは好ましいものとしてスポーツをとらえているからだ。世の中には「スポーツは大嫌い」という人々が数多くいる。そうした人々へスポーツを勧めることは「セリング」と呼べるのではないか。 ID1001001の文献と併せて読みたい。
 
 1001031 石原武政・池尾恭一・佐藤善信『商業学』有斐閣, 1989

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流通研究の良質な入門書。
とりわけ、プロスポーツのチームに関心のある学生にお勧めしている。というのも、チームは試合興行というサービスを生産するばかりでなく、それを観客に販売しているからである。つまり、チームは工場であると同時に小売店でもある。
モノを作らない小売店が「儲ける」とは一体どういう意味を持つのか。選手目線でプロスポーツのチームに関心を向けている学生の多くは見落としがちであるが、是非、一度考えてもらいたい問題である。
1章の「商業の機能と構造」と2章の「マーケティングと商業」がとりわけ参考になる。ID1001001の文献と併せて読んでほしい。
 1001021 Elster, J. “The Nuts and Bolts for the Social Sciences,” Cambridge University Press, 1989(『社会科学の道具箱‐合理的選択理論入門‐』海野道郎訳, ハーベスト社, 1997)

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マーケティングを理解するために必要なミクロ経済学を学んでいない学生や学ぼうとしたけれども挫折した学生にお勧めしている価格メカニズムが文系でもよくわかる良書。11章の「均衡」がとりわけ参考になる。
「同等の品質であればより安い製品が売れる」という当たり前の傾向が社会全体にどのような意義を与えるのか。それにもかかわらず、相対的に高価な製品が売れている現実を私たちはどう説明すればよいか。ID1001001の文献と併せて読みと、そうした問題の重要性がよくわかる。
 
 1001011 Oliver, T. “The Real Coke, The Real Story,” RandomHouse, 1986(『コカ・コーラの英断と誤算』仙名紀訳, 早川書房1986)

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1985年のニュー・コークを登場のエピソードを紹介した古典。
ブラインド・テストで圧倒的に「美味しい」とのテスト結果を受けて発売されたニュー・コークが全く売れなかった理由はなぜか。ミステリを読むような感覚でワクワクさせられる。
マーケティング研究には珍しい企業の失敗例を読むことができる貴重な文献。
ID1001001の文献と併せて読みたい良書。