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Science Seminars

Fiscal 2015

Date: 14 Mar. 2016
Speaker: Masaya Ishino(Kyoto U.)
Title: LHC Run-2 の運転状況と初年度のATLAS実験結果
Abstract: CERN研究所のLHC加速器は 2012年に第1期の運転期間を終え, 2年間のおおがかりな電磁石の補修作業の後,2015年春に ビームエネルギーを4.0TeV から 6.5TeVにあげて運転を 再開した ( LHC Run-2 ).

今回のセミナーでは,

 * LHC Run-2 初年度の加速器の運転状況と中期,長期展望
 * 主に,ATLAS実験によるデータ解析の結果 (SUSY粒子探索,重粒子探索)

について紹介する.
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Date: 15 Feb. 2016
Speaker: Naoya Umeda(Kyoto U.)
Title: Random volumes from matrices
Abstract: M理論は弦理論のアプローチの1つであり、膜の力学が重要であると考えられている。 膜の力学は3次元量子重力に物質場が結合したものであり、このうち3次元 重力はランダム体積を用いて表すことができる。我々はランダム体積を生成する 新たな模型を提唱した。 この模型のファインマン図は三角形を蝶番で貼り合わせた 図とみなすことができ、パラメータの極限で配位を制限することにより3次元重力を表すことができる。 本セミナーでは、我々の 模型の代数的な構成と、物質場を結合させる方法について紹介する。
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Date: 12 Jan. 2016
Speaker: Prof. Bhabani Prasad Mandal (Banaras Hindu Univ.)
Title: Generalised BRST transformation
Abstract: The BRST transformation has been generalised by making the parameter finite and field dependent. Such a transformation is nilpotent and symmetry of the effective actions . However being finite in nature such transformation does not leave path integral measure invariant. The non-trivial Jacobian are made local functional of fields and hence it is possible to relate the generating functionals of different effective theories through finite field dependent BRST transformation. I will discuss construction , extensions and some applications of such generalised BRST transformation in this talk.
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Date: 14 Dec. 2015
Speaker: Tetsutaro Higaki (Keio U.)
Title: Inflation through hidden Yukawa couplings in the extra dimension
Abstract: 最近のアクシオンインフレーション、特にnatural inflation とその拡張について 議論する。 natural inflation (のleading)では特に、アクシオンの離散並進対称性が 重要になる。 弦理論に存在するような、余剰次元起源の離散対称性に注目したとき、 宇宙背景輻射の観測と無矛盾な inflation potential がかける可能性があることを 議論する。
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Date: 30 Nov. 2015
Speaker: Masaru Shibata (YITP)
Title: 中性子星の合体と重力波
Abstract: 2015年の9月からアメリカの重力波望遠鏡advanced LIGOが本格観測を開始した。引き続きイタリア・フランスのadvanced VIRGOや日本のKAGRAも今後3年以内に観測開始予定である。 これらの重力波望遠鏡に対して最も有望とされる重力波源は、中性子星やブラックホールからなる連星の合体である。特に、中性子星連星の合体は、重力波源にとどまらず、核物質の状態方程式の試験場、ガンマ線バーストの発生源、重元素合成の起源天体としても注目を集めており、重力波観測により多くの未解決問題を解決に導くポテンシャルを秘めている。 セミナーでは、中性子星合体を重力波望遠鏡で観測すること、および光学望遠鏡で追観測することの重要性を平易に解説する予定である。
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Date: 24 Nov. 2015
Speaker: Yuta Hamada (Kyoto U.)
Title: multi-local作用に基づいた自然性問題解決へのアプローチ
Abstract: 量子重力において時空のtopologyを変化させるような効果を考慮すると, 低エネルギーの作用は通常のlocalなものでなくlocalな作用を掛け合わせたmulti-local型になることが示唆される. multi-local型の作用からは, 経路積分において場だけでなく理論の結合定数も積分されるべき変数となることが示される. 本講演では, 結合定数が力学的になる効果によって, 標準模型や重力理論における微調整問題が解決される可能性を議論する.
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Date: 27 Oct. 2015
Speaker: Masamichi Miyaji (YITP)
Title: AdS/CFT対応とテンソルネットワーク
Abstract: 近年のAdS/CFT対応における量子エンタングルメントの・、究により、場の理論側の量子エンタングルメントと、重力理論側の時空の幾何との間に強い関係があることが明らかとなった。特にCFTから現れる重力理論の時空は、真空状態の量子エンタングルメントを・何学的に表したテンソルネットワークとして理解出来る、という予想がなされている。本講演では、AdS/CFT対応と量子エンタングルメントの関係と、テンソルネットワークについて解説する。そして、テンソルネットワークの性質に着目することで、この予想が境界の無い時空にも一般化出来ることを説明する。
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Date: 16 July 2015
Speaker: Hiroaki Matsunaga (YITP)
Title: On-shell equivalence of two formulations for superstring field theory
Abstract: 弦の場の理論は、ボソン弦の理論に対する第二量子化の理論であり、質量殻外の量や 非摂動的な側面の理解に貢献し始めている。超弦理論に対する第二量子化の理論と しても「超弦の場の理論」が知られているが、こちらは現在も定式化の・r上にある。 特に、NS・NS-NS超弦の場を記述する作用として2種類のものが構成されており、 それぞれ、Wess-Zumino-Witten-likeな作用、A∞/L∞型の作用などと呼ばれている。 これらは互いに独立・ネ2つの処方に基づきゲージ不変に構成・定式化されるものであるが、 それぞれの定式化に基づいて低次摂動の計算を行うと、どちらの定式化を用いても 適切な第一量子化の結果を再現し得る事が確認されている。
今回のセミナーでは、摂動の全次数において2つの定式化における質量殻条件が 一致する事を示す。また、質量殻外についても説明する。
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Date: 25 June 2015
Speaker: Michihisa Takeuchi (Kavli IPMU)
Title: Disentangling degeneracy in modified Higgs couplings at the LHC
Abstract: LHC run 1において、ヒッグス生成断面積は標準模型の予言・ニ良い一致で測定されており、 主に、トップループによるグルーオンフュージョンプロセスが効いていると考えられている。 拡張されたヒッグス相互作用を考えた場合、パラメータ空間の中に、標準模型からずれているが、 ヒッグス生成断面積(あるいは、シグナル強度)が標準模型と一致してしまう方向が存在し、 シグナル強度に依拠したパラメータフィッティングでは決められない方向が存在する。 我々は、top partnerが存在するシナリオ、CPV top yukawa結合が存在するシナリオを考え、 これらの場合にそれぞれ、ブーストしたヒッグスの横運動量分布を正確に測定すること、 ヒッグス+シングルトップ生成の断面積を測定することによって、これらの縮退が解けることを示した。
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Date: 4 June 2015
Speaker: Sayaka Kawabata (Tohoku U.)
Title: New method for precise determination of top quark mass at LHC
Abstract: トップクォークの質量は素粒子標準模型やそれを超える物理を予言する模型にとって重要なインプット・パラメータであり、 これらの模型の検証においてしばしば決定的な役割を担う。現在までの実験で測定されたトップクォーク質量は、 1GeV以下の高精度にもかかわらずその摂動論における定義は不明確であるという理論的問題を抱えている。 そこで我々は、LHC実験において理論的定義の明確なトップクォーク質量を高精度で決定することを目的として、 新しいトップクォーク質量測定法を提案する。この方法はレプトンのエネルギー分布のみを用い、ブースト不変な性質を持つ。 LHC実験でのこの方法を用いたトップクォーク質量測定をシミュレーション解析し、この方法により高精度を狙える可能性を示す。
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Date: 21 May 2015
Speaker: Motoi Endo (U. of Tokyo)
Title: New Physics in light of Muon g-2
Abstract: ミューオン異常磁気能率(muon g-2)には実験値と素粒子標準理論の予言値との間に3σ以上のずれがあることが知られている。 こ・フずれは標準理論を超える新しい物理がmuon g-2に寄与することを示唆している。 これまでにそのような模型がいくつか提唱されているが、それらのうち代表的な模型の現状と将来の展望、 特に実験における検証可能性などを議論する。
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Date: 30 Apr. 2015
Speaker: Minoru Nagai (MISC)
Title: Probing High-scale SUSY models using flavor observables
Abstract: 素粒子標準模型を超えた物理の有力な候補の一つとして、数百GeVからTeVスケールに新粒子を持つ超対称性模型が盛んに研究されている。しかしLHC実験が8TeVでの稼働を終えた今、超対称性粒子が数TeVから数PeVに存在する模型が注目を集めている。このセミナーで・ヘ、こ・、した高いエネルギースケールの超対称性模型の利点や問題点を明らかにし、フレーバーの物理等による検証可能性を議論する。
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Date: 23 Apr. 2015
Speaker: Shogo Kuwakino (MISC)
Title: Three-generation model and flavor symmetry in string theory
Abstract: 超弦理論の現象論的性質とフレーバー対称性について議論する。特にヘテロ型超弦理論の非幾何的コンパクト化における3世代模型構成法を紹介し、今後の展望を議論する。また、湯川結合を説明する際に有用な非可換離散フレーバー対称性がオービフォルドコンパクト化の下で現れることが知られているが、その対称性・ェエンハンス点において、U(1)対称性へ拡大することを示す。またその対称性のフレーバー模型への応用を議論する。
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Date: 9 Apr. 2015
Speaker: Toshiko Kojita (MISC)
Title: 弦の場の理論における位相的構造と反転対称性
Abstract: 弦理論のオフシェルかつ非摂動論的な定式化として期待される「弦の場の理論」であるが、 その解析は非常に困難であり、見通しの良いイメージを持つことが望まれている。 ボゾニックな開弦の場の理論である「Cubic String Field Theory (CSFT) 」 は作用の形およびその代数的構造が、三次元のコンパクトな多様体上で定義される Chern-Simons (CS) 理論とよく似ていることが知られている。 CS理論にはwinding数とよばれるトポロジカルな量が存在する。 そこで両理論の類似性より、CSFTにも位相的構造があるのではないかと予想を立て その解明に取り組んでいる。 実際にCSFTにおいてwinding数に対応すると思われる量Nが、全微分の積分形に書けることや、 古典解に対して整数に量子化されているなどの望ましい性質を持つことが分かってきた。 またあるクラスの弦の場で構成される相関関数に成り立つ対称性を発見し、 Nの構造がその対称性に基づいていることが分かった。 さらに、この対称性の考察をDブレインと重力子との結合へと拡張することで、 従来・フ議論に修正を要求する事も分かってきた。
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