貸金業登録拒否事件
第一審判決

貸金業者登録拒否処分取消等請求事件
大阪地方裁判所 平成23年(行ウ)第57号
平成23年12月22日 第7民事部 判決

口頭弁論終結日 平成23年10月13日

原告 X株式会社
被告 大阪府

■ 主 文
■ 事 実 及び 理 由

■ 参照条文


1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

 大阪府知事が原告に対してした平成22年12月15日付け貸金業者の登録取消処分,同日付け貸金業者の登録拒否処分及び平成23年3月8日付け異議棄却決定をいずれも取り消す。
[1] 本件は,貸金業法3条の貸金業の登録を受けていた原告が,原告の役員が同法6条1項4号に当たることを理由に大阪府知事によってされた登録取消処分及び貸金業者の登録拒否処分(以下「本件両処分」という。)並びに本件両処分に対する異議申立てを棄却する決定(以下「本件決定」という。)の各取消しを求めている事案である。
(1) 当事者
[2] 原告は,貸金業を目的とする株式会社である(甲5,乙9)。

(2) 本件両処分及び本件決定に至る経緯
[3] 原告は,大阪府知事により貸金業の登録を受けた貸金業者であったところ,更新申請をして,平成20年3月28日に貸金業の登録を受けた(大阪府知事(02)第○○○○○号,乙1)。
[4] 原告の監査役を務めていたBは,平成20年6月16日に死亡した。原告は,平成22年9月27日,後任の監査役としてAを選任し,同年10月12日,その旨の登記手続をした。
[5] Aは,平成22年2月22日に,大阪地方裁判所堺支部において,自動車運転過失致死の罪で,禁錮1年4月執行猶予3年の判決(以下「本件刑事判決」という。)を受け,同判決は同年3月9日に確定した。
[6] 原告は,平成22年11月4日,大阪府知事に対し,貸金業登録の更新申請をするとともに上記イの監査役の変更を届け出た(乙4)。
[7] 大阪府知事は,原告の役員であるAが貸金業法6条1項4号に該当するため,原告が同項9号,24条の6の5第1項1号に該当することを理由として,平成22年12月15日,原告の貸金業登録を取り消すとともに登録拒否処分をし(本件両処分),同月16日,これらを原告に通知した。
[8] Aは,平成22年12月17日,原告の監査役を辞任し,Cは,同日,後任の監査役に就任した。
[9] 原告は,平成22年12月27日,大阪府知事に対し,本件両処分について異議申立て(以下「本件異議申立て」という。)をしたところ,大阪府知事は,平成23年3月8日,本件異議申立てを棄却する決定(本件決定)をした。
[10] 原告は,平成23年4月5日,本訴を提起した(当裁判所に顕著な事実)。
(1) 本件両処分の適法性
(2) 本件決定の適法性
(1) 争点(1)(本件両処分の適法性)について
(被告の主張)
[11] 貸金業法4条1項2号は,役員について,業務を執行する社員,取締役,執行役,代表者,管理人又はこれらに準ずる者をいい,いかなる名称を有する者であるかを問わず,法人に対し,これらの者と同等以上の支配力を有するものと認められる者として内閣府令で定めるものを含むと定めているところ,株式会社の非常勤監査役もこれに含まれる。
[12] 貸金業法6条1項4号の禁錮以上の刑については,貸金業に関連する犯罪に限定する文言等は付されておらず,本件刑事判決を受けたAが同号に該当することは明らかである。
[13] 本件両処分後に、原告の監査役が交代したことは本件両処分の適法性に影響しない。
[14] したがって,本件両処分は適法である。
(原告の主張)
[15] 貸金業法6条1項9号の役員(業務を執行する社員,取締役,執行役,代表者,管理人又はこれらに準ずる者)には監査役を含まない。原告は定款で監査役の権限を会計監査のみに限定している上,Aは非常勤監査役であったに過ぎないから,なおさらである。
[16] Aは自動車運転過失致死罪を犯したにとどまり,これは貸金業の業務執行に何ら関係しないし,Aの刑事事件は同人が監査役に就任する前のことであるから,同人について「禁錮以上の刑に処せられ,その刑の執行を終わり,又は刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者」(貸金業法6条1項4号)の要件には当たらないというべきである。
[17] 被告担当者からの指摘を受け,原告は監査役を交代させたのであるから,原告には貸金業法6条1項9号の事由は消滅したといえる。

(2) 争点(2)(本件決定の適法性)について
(被告の主張)
[18] 被告担当者は,原告提出の異議申立書の記載事項に不備があった上に,異議申立ての理由が判然としなかったことから,補正を命じたにとどまり,本件異議申立ての審査手続に違法はない。また,本件異議申立てを新たな登録申請と解する余地はない。したがって,本件決定は適法である。
(原告の主張)
[19] 本件両処分に対する異議申立書は被告担当者の指導を受けて作成したのであって,本件異議申立てが棄却されるとは思いもよらなかった。また,本件異議申立ては,新たな登録申請を含む趣旨である。
(1) 貸金業法6条1項9号にいう法人の役員の範囲
[20] 貸金業法6条1項9号にいう法人の役員については,同法4条1項2号で「業務を執行する社員,取締役,執行役,代表者,管理人又はこれらに準ずる者をいい,いかなる名称を有する者であるかを問わず,法人に対し,これらの者と同等以上の支配力を有するものと認められる者として内閣府令で定めるものを含む」と定義されている。上記定義において「これらに準ずる者」と明記されていることからすれば,業務を執行する社員,取締役,執行役,代表者,管理人は例示列挙であると解するのが相当である。また,貸金業の規制等に関する法律(平成18年法律第115号により現在の題名である「貸金業法」に変更された。)制定後の昭和58年9月30日に大蔵省銀行局長が発した「貸金業者の業務運営に関する基本事項について」(乙7)では,4条1項2号に規定する「これらに準ずる者」とは監査役,顧問,相談役等をいうとの行政解釈を示している(なお,会社法329条1項も,監査役が会社法における役員に当たる旨規定している。)。そして,実質的に考慮しても,監査役は,その各種権限(業務監査権限,会計監査権限,取締役会への出席権・意見陳述権)を背景に,当該法人の業務執行についても強い影響力を持ち得ることを踏まえると,貸金業の業務運営の適正さを確保するためには,株式会社の監査役についても貸金業法6条1項1号ないし7号に定める登録拒否事由がないかどうかを内閣総理大臣ないし都道府県知事において調査する必要性が高いというべきである。そして,この理は,監査役が非常勤であっても,あるいは実際には業務執行に携わっていなくとも,変わるところはない。したがって,貸金業法6条1項9号にいう法人の役員には,株式会社の監査役も含まれると解するのが相当であり,平成22年9月27日に原告の監査役に就任したAは,本件両処分当時,貸金業法6条1項9号の適用上,原告の役員に当たるというべきである。
[21] なお,原告は,原告の監査役は会計監査権限しか有していない旨を指摘する。しかし,本件両処分以前は,原告は会社法2条5号にいう公開会社であるから(乙9),原告が平成17年法律第87号による廃止前の株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律(昭和49年法律第22号)にいう小会社であったとしても,監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがあるとみなされる(会社法389条1項,会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律53条)ことはない。また,本件両処分以前の原告の定款には,監査役の権限を会計監査権限に限定する旨の定めはなく,原告は,本件両処分後である平成22年12月27日に,監査役の権限を会計監査に限定したにすぎないから(甲5,乙9),原告の主張は本件両処分後の事情をいうにとどまるものであって容れる余地はない。

(2) 貸金業法6条1項4号の限定解釈の当否等
[22] 原告は,貸金業法6条1項4号の「禁錮以上の刑に処せられ,その刑の執行を終わり,又は刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者」における禁錮刑以上の刑は,貸金業の業務に関連して犯した犯罪に関するものに限定すべきであると主張する。しかし,同号の文言上かかる限定はなく,かえって同項5号では,貸金業法,出資の受入れ,預り金及び金利等の取締りに関する法律,旧貸金業者の自主規制の助長に関する法律若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定(32条の2第7項の規定を除く。)に違反し,又は貸付けの契約の締結若しくは当該契約に基づく債権の取立てに当たり,物価統制令12条の規定に違反し,若しくは刑法若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯し,罰金の刑に処せられ,その刑の執行を終わり,又は刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者について登録を拒否する旨定め,貸金業の業務に関連して犯した一定類型の犯罪においては罰金刑であっても登録拒否事由としていることをも踏まえると,貸金業法6条1項4号を貸金業の業務に関連する犯罪に関するものに限定すべきとする原告の主張を容れることはできない。また,原告は,監査役に就任する前の刑事判決は不問とすべき旨を主張するようであるが,同号の趣旨が,禁錮以上の刑に処せられるという決して軽微とはいえない犯罪を犯した者が貸金業に関与すると,貸金業の業務の適正な運営に問題が生じるおそれがあることから,刑の執行後あるいは執行猶予期間満了後5年を経過するまでの間は貸金業に関与することのないようにする点にあると解されるから,禁錮以上の刑に処せられたのが監査役就任前のことであったとしても,このことにより同号の適用が排除されると解することはできない。
[23] したがって,本件両処分当時原告の役員であったAは,平成22年2月22日に禁錮1年4月,執行猶予3年の判決を受け,同判決は同年3月9日に確定したというのであって(前記前提事実(2)ウ),本件両処分当時,同人は「禁錮以上の刑に処せられ,その刑の執行を終わり,又は刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者」(貸金業法6条1項4号)に該当するから,原告について登録拒否事由(同項9号)及び登録取消事由(同法24条の6の5第1項1号)がいずれも存在する。

(3) 貸金業登録取消処分及び貸金業登録拒否処分が裁量処分に当たるか。
[24] 原告は,貸金業法6条1項9号,24条の6の5第1項1号に該当するとしても,大阪府知事の裁量により,本件両処分をしないことが可能であるとの法解釈を前提として,本件両処分には裁量権の逸脱・濫用がある旨をも主張しているとも見受けられる。
[25] 貸金業法は,貸金業が我が国の経済社会において果たす役割にかんがみ,貸金業を営む者について登録制度を実施し,その事業に対し必要な規制を行うなどの方法により,貸金業を営む者の業務の適正な運営の確保及び資金需要者等の利益の保護を図るとともに,国民経済の適切な運営に資することを目的として定められた法律である(1条)。この目的を達するため,貸金業法は貸金業を営むことが不適当と考えられる者を排除するために,登録制度を設け(3条),排除要件を列挙し,これらの一に該当する場合には,内閣総理大臣又は都道府県知事は登録を拒否しなければならない(6条1項)としている。かかる貸金業法の趣旨及び「拒否しなければならない」との文言に照らすと,同項各号の登録拒否事由に該当する場合には内閣総理大臣又は都道府県知事において貸金業の登録を拒否しなければならず,登録拒否を見合わせるといった裁量の余地はない。また,その登録を受けた貸金業者について24条の6の5各号の登録取消事由がある場合についても,これと同様である。

(4) Aが原告の監査役を辞任した点について
[26] 原告はAが監査役を辞任したことから,登録拒否事由及び登録取消事由は既に消滅していると主張する。しかし,Aは本件両処分後の平成22年12月17日に原告の監査役を辞任したにとどまるから(前記前提事実(2)カ),この辞任は本件両処分後の事情にすぎず,本件両処分の適法性を何ら左右するものではない。

(5) 小括
[27] 以上によれば,本件両処分は適法である。
(1) 被告担当者の指導について
[28] 原告は,本件両処分に対する異議申立書の作成に関しては,被告の担当者の指導を受けて作成したものであり,異議が棄却されるとは思いもよらなかった旨主張する。しかし,被告担当者が原告に対し異議申立書について補正を促すなどの指導をした事実があったとしても,かかる指導は原告の異議が認められるなどと期待させるようなものとは見受けられないから,本件異議申立ての審査手続に違法があるとはいえない。

(2) 本件異議申立ては新たな登録申請を含む趣旨か。
[29] 原告は,本件異議申立ては新たな登録申請を含む趣旨である旨を主張する。しかし,本件異議申立てに係る異議申立書(甲3)の記載内容を検討してみても,本件異議申立てが新たな登録申請を含む趣旨であると解することはできない。

(3) 小括
[30] 以上によれば,本件決定は適法である。

[31] よって,原告の請求はいずれも理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担につき,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。

  裁判長裁判官 田中健治  裁判官 尾河吉久 長橋正憲
(〔貸金業の〕登録の申請)
第4条第1項 前条第1項の登録を受けようとする者は、2以上の都道府県の区域内に営業所又は事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては内閣総理大臣に、1の都道府県の区域内にのみ営業所又は事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては当該営業所又は事務所の所在地を管轄する都道府県知事に、次に掲げる事項を記載した登録申請書を提出しなければならない。
一 商号、名称又は氏名及び住所
二 法人(人格のない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この節、第24条の6の6第1項第1号、第24条の27第1項第3号及び第31条第8号において同じ。)である場合においては、その役員(業務を執行する社員、取締役、執行役、代表者、管理人又はこれらに準ずる者をいい、いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し、これらの者と同等以上の支配力を有するものと認められる者として内閣府令で定めるものを含む。第24条の6の4第2項及び次章から第3章の3までを除き、以下同じ。)の氏名、商号又は名称及び政令で定める使用人があるときは、その者の氏名

(登録の拒否)
第6条第1項 内閣総理大臣又は都道府県知事は、第3条第1項の登録を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は登録申請書若しくはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。
四 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなつた日から5年を経過しない者
五 この法律、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(昭和29年法律第195号)、旧貸金業者の自主規制の助長に関する法律(昭和47年法律第102号)若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)(32条の2第7項の規定を除く。)、又は貸付けの契約の締結若しくは当該契約に基づく債権の取立てに当たり、物価統制令(昭和21年勅令第118号)第12条の規定に違反し、若しくは刑法(明治40年法律第45号)若しくは暴力行為等処罰に関する法律(大正15年法律第60号)の罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなつた日から5年を経過しない者
九 法人でその役員又は政令で定める使用人のうちに第1号から第7号までのいずれかに該当する者のあるもの

(監督上の処分)
第24条の6の4第2項 内閣総理大臣又は都道府県知事は、その登録を受けた貸金業者の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役、代表者、管理人又はこれらに準ずる者をいう。以下この項において同じ。)が、前項第2号から第12号までのいずれかに該当することとなつたときは、当該貸金業者に対し当該役員の解任を命ずることができる。

(登録の取消し)
第24条の6の5第1項 内閣総理大臣又は都道府県知事は、その登録を受けた貸金業者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、その登録を取り消さなければならない。
一 第6条第1項第1号若しくは第4号から第12号までのいずれかに該当するに至つたとき、又は登録の時点において同項各号のいずれかに該当していたことが判明したとき。

(〔貸金業務取扱主任者の〕登録の拒否)
第24条の27第1項 内閣総理大臣は、登録申請者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は登録申請書若しくはその添付書類のうちに虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、主任者登録を拒否しなければならない。
三 第24条の6の4第1項、第24条の6の5第1項若しくは第24条の6の6第1項(第1号に係る部分に限る。)の規定により第3条第1項の登録を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者(当該登録を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の期日及び場所の公示の日前60日以内にその法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役、代表者、管理人又はこれらに準ずる者をいい、いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し、これらの者と同等以上の支配力を有するものと認められる者として内閣府令で定めるものを含む。)であつた者で当該取消しの日から5年を経過しないもの)

(〔貸金業協会の〕定款)
第31条 協会の定款には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
八 協会員の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役、代表者、管理人又はこれらに準ずる者をいい、いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し、これらの者と同等以上の支配力を有するものと認められる者として内閣府令で定めるものを含む。第37条第5項において同じ。)及び使用人の資質の向上に関する事項

(信用情報提供等業務を行う者の指定)
第41条の13第1項 内閣総理大臣は、次に掲げる要件を備える者を、その申請により、この章の定めるところにより信用情報提供等業務を行う者として、指定することができる。
四 役員(業務を執行する社員(業務を執行する社員が法人であるときは、その職務を行うべき者を含む。)、取締役、執行役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員を含む。)、監査役、代表者若しくは管理人又はこれらに準ずる者をいう。以下この章において同じ。)のうちに、次のいずれかに該当する者がないこと。
イ 成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらと同様に取り扱われている者
ロ 破産者で復権を得ないもの又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者
ハ 禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなつた日から5年を経過しない者
ニ 第41条の33第1項の規定によりこの項の規定による指定を取り消された場合又はこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている当該指定に類する行政処分を取り消された場合において、その取消しの日前30日以内にその法人の役員(外国の法令上これと同様に取り扱われている者を含む。ホにおいて同じ。)であつた者でその取消しの日から5年を経過しない者
ホ 第41条の33第1項の規定又はこの法律に相当する外国の法令の規定により解任を命ぜられた役員でその処分を受けた日から5年を経過しない者
ヘ この法律若しくは個人情報の保護に関する法律又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなつた日から5年を経過しない者

(紛争解決等業務を行う者の指定)
第41条の39第1項 内閣総理大臣は、次に掲げる要件を備える者を、その申請により、紛争解決等業務を行う者として、指定することができる。
四 役員(業務を執行する社員(業務を執行する社員が法人であるときは、その職務を行うべき者を含む。)、取締役、執行役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員を含む。)、監査役、代表者若しくは管理人又はこれらに準ずる者をいう。以下この章において同じ。)のうちに、次のいずれかに該当する者がないこと。
イ 成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらと同様に取り扱われている者
ロ 破産者で復権を得ないもの又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者
ハ 禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなつた日から5年を経過しない者
ニ 第41条の61第1項の規定によりこの項の規定による指定を取り消された場合若しくはこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている当該指定に類する行政処分を取り消された場合において、その取消しの日前30日以内にその法人の役員(外国の法令上これと同様に取り扱われている者を含む。ニにおいて同じ。)であつた者でその取消しの日から5年を経過しない者又は他の法律の規定による指定であつて紛争解決等業務に相当する業務に係るものとして政令で定めるもの若しくは当該他の法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている当該政令で定める指定に類する行政処分を取り消された場合において、その取消しの日前30日以内にその法人の役員であつた者でその取消しの日から5年を経過しない者
ホ この法律若しくは弁護士法又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなつた日から5年を経過しない者
(取締役等と同等以上の支配力を有する者)
第2条 法第4条第1項第2号、第24条の27第1項第3号及び第31条第8号に規定する内閣府令で定めるものは、次に掲げるものとする。
一 当該法人の総株主等の議決権(総株主、総社員又は総出資者の議決権(株式会社にあつては、株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法(平成17年法律第86号)第879条第3項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。)をいう。以下同じ。)の100分の25を超える議決権に係る株式又は出資(以下「株式等」という。)を自己又は他人(仮設人を含む。以下この条において同じ。)の名義をもつて所有している個人
二 当該法人の親会社(会社法第2条第4号に規定する親会社をいう。以下同じ。)の総株主等の議決権の100分の50を超える議決権に係る株式等を自己又は他人の名義をもつて所有している個人
三 当該法人(人格のない社団又は財団で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この号、次号、第4条、第5条の2第2号、第5条の3の2第1項第3号ロ並びに第2項第1号及び第4号ロ、第5条の4第1項第1号、第5条の5第1項第1号並びに第2項第1号及び第2号、第8条第2号ロ、第26条の27第2号イ、第26条の29第3項第1号、第30条第9号、第30条の2第1項、第30条の3第1項並びに第30条の7第2号において同じ。)の業務を執行する社員又はこれらに準ずる者が法人である場合におけるその職務を行うべき者
四 当該法人の業務を執行する社員、取締役、執行役、代表者、管理人若しくはこれらに準ずる者又は前3号に掲げる者が未成年者である場合におけるその法定代理人
2 前項第1号又は第2号の場合において、これらの規定に掲げる者が保有する議決権には、社債、株式等の振替に関する法律(平成13年法律第75号)第147条第1項又は第148条第1項(これらの規定を同法第228条第1項、第235条第1項、第239条第1項及び第276条(第2号に係る部分に限る。)において準用する場合を含む。)の規定により発行者に対抗することができない株式等に係る議決権を含むものとする。

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