東京都教組事件
第一審判決

地方公務員法違反事件
東京地方裁判所 昭33年(特わ)自第436号至第440号
昭和37年4月18日 判決

被告人 長谷川正三 外6名

■ 主 文
■ 理 由


 被告人らはいずれも無罪。

 被告人長谷川は東京都内学校教職員をもつて組織する東京都教職員組合(以下都教組と略称する。)の執行委員長、被告人藤山、同竹本はいずれも同組合執行委員、被告人高橋は同組合練馬支部長、被告人中根は同組合文京支部長、被告人竹藤は同組合北支部長、被告人小松は同組合品川支部長であるが、東京都教育委員会(以下都教委と略称する。)の都内公立小中学校教職員に対する勤務評定に反対し、これを阻止する目的をもって、傘下組合員である右教職員をして年次有給休暇の名のもとに校長らの承認なくして就業を放棄し同盟罷業を行わしめるため、
第一、被告人長谷川、同藤山は、同組合本部役員及び同組合各支部役員らと共謀のうえ、同支部役員らにおいて、昭和33年4月21日頃東京都内において、同都特別区内公立小中学校の教職員である同組合分会役員らに対し、東京都教職員組合闘争委員長長谷川正三名義の、組合員全員は休暇届を提出するのみで校長らの承認なくして来る4月23日午前8時から開催される勤務評定反対に関する措置要求のための集会に参加すべき旨の、指令を配布するとともに、同人らを介し、その頃同都内において、傘下組合員である右学校の教職員約3万名に右指令の趣旨を伝達し、
第二、被告人藤山は、
(一) 同月22日同都中央区八重洲4丁目3番地所在同区立京橋昭和小学校において、同校教職員約13名に対し、都教育庁との団交が決裂し23日には行政措置要求大会のための一斉休暇闘争を実行することになつた、組合全体の足並みは必ずしも揃つていないが、全組合員が足並みを揃えて闘争に参加してもらいたい旨申し向けて、前記集会に参加方を強調し、
(二) 同日同区日本橋本石町4丁目2番地所在同区立常盤小学校において、同校教職員約20名に対し、一斉休暇闘争には全員組合の結束を乱さずに一致して参加してもらいたい旨申し向け、前同様強調し、
第三、被告人高橋、同竹本は、同組合本部役員及び同組合練馬支部役員らと共謀のうえ、同月21日夜同都練馬区豊玉上2丁目16番地所在同区立豊玉第二小学校において、同区立小中学校教職員である同支部各分会役員らに対し、一斉休暇に対して地方公務員法違反により弾圧や首切りがあつた場合の責任は都教組本部で負うことになつているから、組合を信頼して指令に従つて一緒に行動されたい旨強調し、且つ足並みが揃わないときは執行部から説得に出かける等と申し向け、第一掲記の指令を配布するとともに、同人らを介し、その頃同区内において、同支部所属組合員である同区立小中学校教職員約1000名に右指令の趣旨を伝達し、
第四、被告人高橋は、同組合本部役員及び同組合練馬支部役員らと共謀のうえ、同月22日午後同区江古田町1876番地所在同区立旭ケ丘中学校において、同支部所属組合員である同区立小中学校教職員約800名に対し、前記指令を朗読したうえ、組合員は23日一斉休暇を実施し団結して闘争を勝利にみちびくべきである旨激励し、
第五、被告人中根は、同組合本部役員及び同組合文京支部役員らと共謀のうえ、同月21日夜同都文京区柳町28番地所在同区立柳町小学校において、同区立小中学校教職員である同支部各分会役員らに対し,前記指令を配布し、且つこれは地方公務員法第46条に基く行政措置要求であつて合法的なものであるから、各分会ともこの指令に基いて、全員が一斉休暇闘争に参加するよう足並みを揃えてもらいたい旨を強調するとともに、同人らを介し、その頃同区内において、同支部所属組合員である同区立小中学校教職員約970名に右指令の趣旨を伝達し、
第六、被告人竹藤は、同組合本部役員及び同組合北支部役員らと共謀のうえ、同月21日夜同都北区西ケ原2丁目24番地所在北区教育会館において、同区立小中学校教職員である同支部各分会役員らに対し、前記指令を配布し、且つ団体交渉は決裂して指令が発出された、これは地方公務員法第46条に基く合法的なものであるから、各分会員にこの指令を伝え、全員闘争に参加されたい旨を強調するとともに、同人らを介し、その頃同区内において、同支部所属組合員である同区立小中学校教職員約1500名に右指令の趣旨を伝達し、
第七、被告人小松は、同組合本部役員及び同組合品川支部役員らと共謀のうえ、
(一) 同月21日夜同都品川区中延1丁目270番地所在同区立中延小学校において、同区立小中学校教職員である同支部各分会役員らに対し、都教組から指令が出たから、全員一致して来る23日には一斉休暇をとつて大会に参加されたい旨強調し、且つ前記指令を配布するとともに、同人らを介し、その頃同区内において、同支部所属組合員である同区立小中学校教職員約1500名に右指令の趣旨を伝達し、
(二) 同月22日午後同区内戸越公園において、同支部所属組合員である同区立小中学校教職員約1000名に対し、全組合員一致結束して右闘争に突入されたい旨激励し、
もつて地方公務員である教職員に対し、同盟罷業の遂行をあおつたものである。
[1] 当裁判所の認定した被告人らの前示の所為が訴因に掲げられるような地方公務員法第37条第1項前段に規定する同盟罷業の遂行をあおつたものとして、同法第61条第4号に該当するかどうかを按ずるに、これに先だち弁護人は、(一)同法第37条は憲法第28条に違反する。したがつて地方公務員法第37条が合憲であるとの前提に立つ同法第61条第4号は当然に違憲である。(二)仮に同法第37条が合憲であるとしても、同法第61条第4号は憲法第28条に違反する。(三)地方公務員法第61条第4号は憲法第21条、第18条、第31条に違反する。さらに(四)地方公務員法第37条、第61条第4号は憲法第98条第2項に違反する。よつてかかる違憲の法律の規定は無効であるから、被告人らの所為は罪とならないと主張するので、これらの点につき順次検討を加える。

(一) 地方公務員法第37条、第61条第4号と憲法第28条との関係
[2] 憲法第28条は勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利を保障することを宣言するので、これにより労働者の団結権、団体交渉権及び争議権のいわゆる労働三権が労働条件の決定について労働者と使用者との間の実質的平等を実現して労働者の適正な労働条件を確保するため保障されることは明らかである。
[3] そして本件で問題となる教職員も、地方公共団体より労働の対価として受ける給与によつて生活する者である以上、同条にいう勤労者に含まれるので、当面問題となる「教職員の争議権」もまた同条により保障されているといわなければならない。しかし同条により保障される争議権も全く無制約なものではない。争議権と国民全体の利益との調和をはかるため、すなわち公共の福祉のため、争議権に対し法律による剥奪乃至制限を加えることは許されるといわなければならない。それでは教職員については、この点をいかに判断すべきか。
[4] 憲法第26条は、国民に対し教育を受ける権利を保障し、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負わせ、さらにこれを具体化するため、教育基本法、学校教育法等の諸法律が制定され、市(東京都の区を含む。)町村はその区域内にある学令児童生徒を就学させるに必要な初等中等普通教育を施すことを目的とする小中学校を設置する義務を負い、小中学校には、校務を掌り、所属職員を監督する校長、児童生徒の教育を掌る教諭、児童生徒の養護を掌る養護教諭、事務に従事する事務職員等、いずれも小中学校の運営に必要不可欠な職務に従事する教職員を置くこととし、(学校教育法第17条、第28条、第29条、第35条、第40条)、同時にこれらの学校は公の性質をもつものであつて、これらの学校の教員は全体の奉仕者として自己の使命を自覚し、その職責の遂行に努めるべきことを義務づけられている(教育基本法第6条)。したがつてかかる学校の教職員が争議行為を行うときは、児童生徒の教育に支障が生じ、憲法により保障される国民の教育を受ける権利が侵害されることは疑いない。このように教職員の争議権と国民の教育を受ける権利が衝突する場合、いずれの権利を優越させるかは、その権利の性質により、どのように決するのが国民全体の利益にもつとも合致するかを考慮して決すべきである。
[5] 元来争議権は、労働者の適正な労働条件を確保する目的で認められるのであるから、教職員の争議行為を禁止しても、なお他の方法により教職員の適正な勤務条件が確保されているならば、教職員の争議行為を禁止して、民主主義の必要的要件であり生存権の文化的内容をなす教育の平等を制度的に保障し、憲法を貫く法のもとの平等の思想の教育面における発現である国民の教育を受ける権利を保障することが国民全体の利益に合致する。そこで法が教職員の争議行為を禁止する代りにその適正な勤務条件を確保するためいかなる手段を講じているかを検討しなければならない。地方公務員法は、職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮し、その職務と責任に応じて条例で定め、その他の勤務条件は国及び他の地方公共団体の職員との間に権衡を失しないように適当な考慮を払つて条例で定めることとし(第24条)、職員の分限及び懲戒の基準を規定し(第27条乃至第29条)、さらに議会の同意を得て地方公共団体の長が選任する委員3名をもつて組織される人事委員会に対しては、職員に関する条例の制定または改廃に関し地方公共団体の議会及び長に意見を申し出ること、人事行政の運営に関し任命権者に勧告すること、毎年少くとも1回給料表が適当であるかどうかについて地方公共団体の議会及び長に報告し、給与を決定する諸条件の変化により給料表に定める給料額を増減することが適当であると認めるときはあわせて適当な勧告をすることができること、職員の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する措置の要求を審査し、判定し、及び必要な措置をとること、職員に対する不利な処分を審査し、及び必要な措置をとること等の権限を付与し(第7条乃至第9条、第26条、第47条、第50条)、職員に対しては、給与、勤務時間その他の勤務条件に関し、人事委員会に対し地方公共団体の当局により適当な措置がとられるべきことを要求し、また任命権者により懲戒その他その意に反する不利益な処分を受けたときは、人事委員会に対し当該処分の審査を請求する権利を認める(第46条、第49条)等の規定を設ける。これらの法規の定める方法により教職員の適正な勤務条件が確保されているものと解されるので、国民の教育を受ける権利を保障するため、教職員の争議行為を禁止することは国民全体の利益との調和という観点から許されるといわなければならない。
[6] したがつて教職員の争議行為を禁止する地方公務員法第37条は憲法第28条に違反するものではない。またこの観点からすれば地方公務員法第61条第4号もまた憲法第28条に違反するものではない。

(二) 地方公務員法第61条第4号と憲法第21条との関係
[7] 憲法第21条は表現の自由を保障するが、これとても無制限のものではなく、社会の秩序と安全に危険を与える表現行為は憲法の保障する表現の自由の限界を逸脱するものであり、これを禁止し、処罰することは立法に委ねられるところであるから、憲法第21条に違反するものでない。教職員の争議行為は憲法により保障された国民の教育を受ける権利を侵害するものであり、これを禁止することは憲法に違反するものでないことさきに論じたとおりであるが、かかる教職員の争議行為を煽動する行為は、国民の教育を受ける権利を侵害する危険を生ぜしめ、これにより社会の秩序と安全に危険を与えるものである。したがつてかかる表現行為を処罰する地方公務員法第61条第4号は憲法第21条に違反するものではない。

(三) 地方公務員法第61条第4号と憲法第18条との関係
[8] 憲法第18条は、奴隷的拘束及び苦役からの自由を保障するが、同条はアメリカ合衆国憲法修正第13条に由来する規定であり、ここで問題になる「意に反する苦役」にあたることばとして同修正第13条はインボランタリー・サービテユードウ(Involuntary servitude)の語を使用し、またわが憲法の英訳文もこれと同じ語を使用していること等から考えると、意に反する苦役を特に苦痛を伴う労役と解すべきでなく、本人の意思に反して他人のために強制される労役またはこれに準ずる隷属状態をいうものと解するのが相当であつて、たとい通常の労役であつても本人の意思に反して強制されている以上意に反する苦役にあたるのである。そこで一般に、労働者が使用者の指揮命令に従つて就業することをしなかつたとの理由すなわち労働者が労働契約に違反したとの理由だけで使用者の利益保護を直接の目的としてこれに刑罰を科することは、刑罰の威嚇によつて人をその意に反する苦役に服させることになるので、憲法第18条に違反するといわなければならない。しかし争議行為遂行の煽動を処罰することは、使用者の意に反する就業の放棄を処罰することと同じであるとはいえず、その他刑罰の威嚇によつて人をその意に反する苦役に服させることにならないことは明らかであつて、争議行為遂行の煽動に刑罰を科するかどうかは憲法第18条とは関係がない。したがつて争議行為遂行の煽動を処罰する地方公務員法第61条第4号は憲法第18条に違反するものではない。

(四) 地方公務員法第61条第4号と憲法第31条との関係
[9] 憲法第31条は、刑罰を科するには法律の定める手段によることを保障するので、刑罰法規の内容は適正で、合理的なものでなければならない。また刑罰法規の解釈によつて、その内容が合理性をもち適正であると認められるかぎり、その刑罰法規は憲法第31条に違反するものではないが、どのように解釈してもその内容が合理性をもたず、適正でないと認められる場合には、その刑罰法規は憲法第31条に違反するものというべきである。されば地方公務員法第61条第4号についても、この見地から違憲であるかどうかを決すべきであるが、この点については、後に述べるように、同号は解釈によつてその内容が合理性をもち適正であると認められるので、憲法第31条に違反するものではない。さらに刑罰法規の構成要件も漠然としたものや極めて広いものであつてはならないが、同号の構成要件は一応明確であるので、この点からも同号が憲法第31条に違反するものではない。

(五) 地方公務員法第37条、第61条第4号と憲法第98条第2項との関係
[10] 憲法第98条第2項は、わが国が締結した条約及び確立された国際法規の遵守を定めているので、右のような国際法と抵触する国内の法律、命令以下の法規は同条項に違反すると解される。ところで弁護人の主張するように、たとい国際労働機関(以下ILOと略称する。)第87号条約(結社の自由と団結権の保護に関する条約)、ILO第105号条約(強制労働の廃止に関する条約)、ILO結社の自由委員会、ILO条約並びに勧告の適用に関する専門家委員会の見解を通じ、争議権を労働組合の権利としてとらえ、争議行為の禁止が容認されるのは基幹的事業と、立法によつて待遇を規制される公務員(パブリツク・オフイシヤルズ)に限られ、前者については労働者の権利を完全に保護するための適当な保障を確保することが条件とされ、後者については、争議権に代るだけの立法的保障がないかぎり、その争議行為について行政罰はしばらく措き刑事罰を科することは許されないことが示されているとしても、ILO第87号条約、第105号条約については、これらがILO総会において採択された国際労働条約であつて、わが国は世界の大多数の国家とともにILOに加盟しているといつても、未だこれらの条約を批准していないのであり、またILO結社の自由委員会等の見解も、国際社会において一般に承認され実行されて法的確信にまで高められた国際慣習法を形成するのではないから、ただちにこれらの条約及び見解を憲法上遵守すべき義務を負うものということはできない。したがつて弁護人の主張するようにたといわが国の教職員については、その身分保障は条例、規則によつて行われ、国会の議決した法律によつて行われておらず、ILOの予想するパブリツク・オフイシヤルズに該当しないものであり、また争議行為禁止の代償機関としての人事委員会制度は争議権剥奪の代償というためには不十分なものであるとしても、教職員の争議行為を禁止した地方公務員法第37条及びその争議行為の遂行をあおつた者に対し刑罰を科する同法第61条第4号は憲法第98条第2項に違反するものということはできない。
[11] そこで被告人らの前示の行為が地方公務員法第37条第1項前段に規定する同盟罷業の遂行をあおつたものとして同法第61条第4号に該当するかどうかの検討を進めるべきであるが、本件の場合現実に同法第37条第1項前段に規定する同盟罷業の遂行にあたる行為があつたかどうかの点の究明が右検討を進めるうえに重視されるので、この点について触れることにする。

(一) 地方公務員法第37条第1項前段に規定する争議行為の要件
[12] 地方公務員法第37条第1項前段の法意は、地方公共団体の業務の正常な運営の円滑な遂行を確保することにあることを考えると、同条項は、職員の個別的に行う、単純な怠慢による欠勤、遅刻、早退等をする行為に適用されることはないが、職員の団体により行う、地方公共団体の機関の業務の正常な運営を阻害する行為を一切禁止する趣旨であつて、その行為の目的が職員の適正な勤務条件を確保するための職員の団体の主張を貫徹する点にあると何であるとを問わず、またその行為の直接の具体的の相手方が地方公共団体の機関が代表する使用者としての住民であると何人であるとを問わない。この点は労働関係調整法第7条が労働者の争議行為の定義をするにあたつて、使用者の業務の正常な運営を阻害することのほかに、労働組合乃至労働者の団体がその主張を貫徹することを目的とすることと直接具体的に使用者に対抗することの3要件を必要として、後2者の要件を民事上、刑事上の免責を受ける争議行為の限界を定めるものとしているのと異なるものと解される。

(二) 本件統一行動の主張貫徹のための手段としての性質及び使用者たる住民への対抗性
[13] 地方公務員法第37条第1項前段の争議行為を右のように解する以上、さきに触れたように、主張貫徹のための手段としての性質及び使用者たる住民への直接具体的な対抗性は争議行為の要件として必要でない。前掲各証拠を綜合すると、本件統一行動は、勤務評定規則の制定に反対する意思を表明し、都教委に対し同規則の廃止を要求し、または勤務評定を実施しないことを要求する目的、勤務評定の実施をとりやめる措置をとることを人事委員会に要求する手続を集団的に行う目的、一般住民の世論に訴える目的等、数種の目的をもつていたが、その中心は勤務評定制度の実施に反対する目的であつたものと認めるのが相当であるが、本件統一行動の目的がそのいずれであつたとしても、またこの行動の直接の相手方が教職員の使用者としての、当該特別区教育委員会の代表する特別区の住民であつても、都教委の代表する東京都の住民であつても、この行動が公立小中学校の事業の正常な運営を阻害するものであれば、この行動を同項前段の争議行為に該当すると判断することの妨げにはならない。

(三) 本件統一行動の学校の事業の正常な運営に対する影響
[14] そこで本件統一行動が同項前段に該当するかどうかは、この行動が公立小中学校の事業の正常な運営を阻害するかどうかの判断にかかつているといわなければならない。
[15] 公立小中学校の事業が児童生徒の初等中等普通教育を行うものであることは明白であつて、公立小中学校においては平日には教職員により児童生徒に対する教育活動が行われることが常態であるのに、これに反して平日に多数の教職員が共同して職場を離脱し、児童生徒に対する教育活動を平常どおり行うことを不可能にし、乃至は極めて困難な状態に陥らせることは、異常な事態であるというべきであるから、このような事態を発生させる場合は、その結果が年間の教育計画に影響を及ぼしたかどうかを問うまでもなく、公立小中学校の事業の正常な運営を阻害するものといえる。本件統一行動においては、さきに認定したように、多数の教職員が共同してその勤務する公立小中学校に出勤しないで当該日である昭和33年4月23日の児童生徒に対する教育活動を平常どおり行うことを不可能にし乃至は極めて困難な状態に陥らせたのであるから、本件統一行動は公立小中学校の事業の正常な運営を阻害するものといわなければならない。したがつてこの行動は地方公務員法第37条第1項前段に規定する同盟罷業に該当すると解する。

(四) いわゆる一斉休暇闘争と同盟罷業
[16] 前掲各証拠によると、本件統一行動に参加した教職員は、共同して一斉にその勤務する公立小中学校の校長に対し、4月23日都教組支部全員会議に出席し地方公務員法第46条に基いて東京都人事委員会に対し勤務評定の実施をとりやめる措置要求を提起する手続をとるため、労働基準法により1日休暇をとるので届出をするという趣旨の休暇届を提出してその職場を離脱したことを認めることができる。
[17] そこで、教職員が共同して一斉に右のような行為に出るいわゆる一斉休暇が有給休暇の請求権を行使するものとして、地方公務員法第37条第1項前段の同盟罷業とならないとの評価を受けるかどうかを検討しなければならない。教職員も労働基準法第39条の適用を受け、年次有給休暇請求権が認められるが、東京都の公立小中学校においては、学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例(昭和31年9月29日東京都条例第69号)により休暇は1年を通じて20日とし、教職員から請求があつた場合に与える建前となつている。そもそも年次有給休暇制度は、労働者を毎年一定期間労働から解放し、精神的、肉体的休養をとらせ、その労働力の維持、培養に役立たせるため確立されたものであつて、労働者のためのものであると同時に使用者のためのものでもある。なぜならば労働者が有給休暇によつて労働力を維持、培養することは労使双方にとつて大きな意義をもつからである。さればこの制度は労働者が使用者の指揮命令に従つてその労働力を提供するという労使間の正常な作業体制を前提として認められているというべきであるから、有給休暇の利用方法は労働者の自由であるといつても、それは労使間の正常な作業体制を前提とする有給休暇の枠内でのみ妥当するというべきである。ところが争議行為は労使間の正常な作業体制を一時的に破壊することを本質とするから、争議行為と有給休暇は本質的に相容れない性質のものである。そこで有給休暇届を提出して職場を離脱することが実体において争議行為であると評価されるときは、これを労働基準法上正当な有給休暇として取り扱うことはできない。それではそのいかなる場合が実体において争議行為であると評価されるか。それは組織的、集団的に一定の争議目的をもつて有給休暇届を提出して職場を離脱し、業務の正常な運営を阻害する場合である。前掲各証拠によると、本件統一行動は、勤務評定制度の実施に反対するという中心の争議目的をもつて、都教組の決定に従い組織的、集団的に有給休暇届を提出して職場を離脱し、さきに認定したとおり学校の事業の正常な運営を阻害するものと認められるものであるから、年次有給休暇請求権が、労働者の請求のみによつて効力を発生する形成権であるか、使用者の承認を要する請求権であるかということを論ずるまでもなく、また有給休暇請求に対する校長の処置の当否を論ずるまでもなく、この行動は地方公務員法第37条第1項前段に規定する同盟罷業としての評価を受けなければならない。

(五) いわゆる措置要求と同盟罷業
[18] 前掲各証拠を綜合すると、本件統一行動に参加した教職員は、共同して一斉に、地方公務員法第46条に基き都人事委員会に対し勤務評定の実施をとりやめる措置をとるよう要求するため開催される都教組各支部の集会に参加するためその職場を離脱したことが認められる。
[19] そこで教職員が共同して一斉に右のような行為に出るいわゆる措置要求が、勤務条件に関する措置を要求する権利を行使するものとして、地方公務員法第37条第1項前段の同盟罷業とならないとの評価を受けるかどうかを検討しなければならない。教職員は同法第46条により人事委員会に対し給与、勤務時間その他の勤務条件に関する措置の要求をする権利があるが、これは職員が個別的にまたはその職員の団体を通じ代表者により行うことを予想しているのであつて、東京都においては、勤務条件に関する措置の要求の審査に関する規則(昭和26年8月11日東京都人事委員会規則第3号)により、その要求をするには、行政措置要求書正副各1通に必要な資料を添えて人事委員会に提出することを義務づけている。したがつて勤務条件に関する措置の要求をする手続を共同して行うため、勤務時間中集会を開き、それに多数の教職員が参加するためその職場を離脱し、学校の事業の正常な運営を阻害する場合には、右の措置要求に関する行為は実体において同盟罷業であると評価されるべきである。教職員が勤務条件に関する措置の要求をするためには、人事委員会に対し書面を提出すればたりるのであつて、そのために集会を開催するとしても、学校の事業の正常な運営に影響を及ぼさないよう休日または勤務時間外に開催すればたりるのである。本件統一行動は、その目的に掲げる勤務評定の実施をとりやめる措置の要求がたとい弁護人主張のように勤務条件に関する措置の要求になるとしても,実体においてここに述べたような同盟罷業であると評価することができると解する。
[20] 結局本件統一行動は地方公務員法第37条第1項前段に規定する同盟罷業となるといわなければならない。
[21] 本件統一行動が地方公務員法第37条第1項前段に規定する同盟罷業にあたることが以上の説明により明らかにされたので、いよいよこの行動に関与した被告人らの前示行為が同法第61条第4号の同盟罷業の遂行をあおつたことに該当するかどうかを検討しなければならない。

(一) 煽動の概念
[22] ここでいう「あおる」行為つまり煽動の概念については、必ずしも明白でないが、特定の行為を実行させる目的で文書もしくは図画または言動によつて、他人に対し、その行為を実行する決意を生ぜしめるような、またはすでに生じている決意を助長させるような勢いのある刺戟を与えることを意味するものと解するのが相当である(昭和33年(あ)第1413号昭和37年2月21日最高裁判所大法廷判決、破壊活動防止法第4条第2項参照)。すなわち煽動というには、被煽動者が特定の行為を実行する決意を有するかどうか、不特定または多数であることを要するかどうかを問わないが、ここで刺戟を与えるというのは、感情に対する作用を中心とすることを意味するから、主として被煽動者の感情に訴える方法により、その興奮、高揚を惹起させることを意味すると解すべきである。

(二) 地方公務員法第61条第4号の争議行為の遂行を煽動した者の意義
[23] 地方公務員法第61条第4号は、何人たるを問わず、第37条第1項前段に規定する違法な行為の遂行を煽動した者を処罰の対象としている。文理解釈上からは、かかる違法行為の遂行を煽動した者はいかなる者であつても、その地位にかかわりなくすべて同号違反の罪の主体とならざるを得ないようである。しかしさきに論したように憲法第31条の趣旨に従うと、刑罰法規は、その内容が合理性をもち、適正なものと認められるように解釈すべきであるから、地方公務員法第61条第4号についても、これが憲法に違反しないためには、単なる文理解釈にとどまらず、さらにこれを深く堀り下げてその規定の合理性と適正性を考究して解釈しなければならない。さて同法第37条第1項前段に規定する争議行為は、個人の職務放棄その他これに準ずる行為の集合にとどまる性質のものではなく、職員の団体の統制のもとに一定の争議目的をもつて行われる組織的、集団的行動であつて、実質上その主体は職員の団体であり、個々の職員はその争議行為に参加するという地位に立つのである。したがつて職員が争議行為を企画、立案することも、争議行為についての団体内の討議、決定に関与することも、争議行為について指令、指示することも、争議行為について説得、激励することも、また争議行為の職務放棄その他これに準ずる行為をすることも、これらはいずれも職員の争議行為参加の各態様にすぎない。ただ争議行為の中心となるものは職務放棄その他これに準ずる行為であるから、この行為のみをとらえて争議行為と称する場合も多く、地方公務員法第37条第1項前段の争議行為もこのような意味のものと解するのが相当である。そこで以下このような意味において争議行為という言葉を使用する。
[24] ところで地方公務員法には争議行為を実行した者を処罰する規定を欠いている。このように実行行為を処罰する規定がないのにかかわらず、その煽動行為のみを処罰する規定を置くためには、煽動行為のみを特に独立して処罰する合理的な根拠がなければならない。何となれば一般の刑罰体系においては、犯罪の実行行為の既遂を処罰し、その未遂または予備、陰謀等を処罰するのは犯罪の性質によりその範囲を限定し、2人以上の関与した犯罪については共犯(共同正犯、教唆犯、従犯)を処罰するが、共謀、煽動等を処罰するのはこれまた限定する。特に煽動についていえば、煽動行為を処罰する規定を置く立法においては実行行為もまた処罰する規定を置くのが通例であつて、実行行為を処罰しないで、煽動行為を処罰する規定を置く立法は地方公務員法のほかにわずか2、3を数えるだけである。通例の場合、このような煽動行為を独立に処罰するのは、特定の犯罪につき煽動が行われたにもかかわらず、犯罪が実行されなかつたとき、あるいは犯罪が実行されても煽動者を教唆犯または従犯として処罰することが不可能であるかまたは困難であるとき、煽動のように犯罪の原動力となる行為を独立して処罰することが犯罪の予防、禁圧に有効であるからである。この点に犯罪の煽動者を独立して処罰する合理的理由が認められる。かかる場合、犯罪が実行され、煽動者が被煽動者とともに犯罪を実行したときには、煽動者を共同正犯として処罰することは従来の刑罰理論から当然である。しかるに地方公務員法のような立法の場合、争議行為の実行者を処罰しないため、争議行為が現実に実行されたときであろうと、実行されなかつたときであろうとを問わず、争議行為の遂行の煽動者を争議行為の遂行の煽動を行つたという理由のみによつて処罰する。たとえば争議行為の遂行の煽動者は、被煽動者とともに争議行為を実行しても、争議行為を行つたという理由によつては処罰されず、その遂行を煽動したという理由により処罰される。これは従来の刑罰理論からはただちに納得しがたい点であつて、これを容認するためには相当の合理的理由がなければならない。このことは争議行為の実行行為を処罰しないで、その共謀または企図を処罰することが同一の規定に置かれている点を対比して考慮すれば、なおさらのことである。
[25] この合理的理由として、まず地方公務員法が争議行為の遂行の煽動を処罰するのは、このような煽動行為は争議行為の原動力となり、これを誘発するおそれのある行為であるから、これを争議行為の実現前においても刑罰によつて禁止し、争議行為の実現を防止しようという趣旨であると説く見解がある。しかしこの見解は争議行為の実行を処罰しないでその煽動のみを処罰することを理由づけることにはならない。
[26] 次に他人から煽動された結果単純に争議行為を実行した者はこれを処罰する必要がないから、争議行為の実行者を処罰する規定を欠くと説く見解がある。この見解に従うとすると、争議行為遂行の煽動行為は類型的に争議行為の実行行為より違法性が強いという前提に立たなければならない。しかし一般的にいうと、犯罪の煽動行為が犯罪の実行行為より違法性が強いということはできない。むしろ煽動行為に対してはその従犯的形態に着目して実行行為に対するより軽い刑を定めるのが通常である。ただ争議行為が職員の団体の統制のもとに行われる団体的行動であることを考慮するとき、右の見解は、争議行為は団体の幹部の煽動等の結果実行されることを前提とするとしか考えられない。しかし争議行為は必ずしも団体の幹部の煽動等の結果実行されるとは限らない。争議行為の遂行は団体構成員の全員または多数の討議のうえ決定され、団体の幹部はただその決定に従つて形式的に争議行為実行の指令を発し、あるいは争議行為の際の細部にわたる行動を指令、指示し、または構成員を激励するにすぎない場合もあつて、このような行為がさきに論じた煽動の概念に該当することもあるのである。右のように争議行為に随伴して通常行われる煽動をもつて、一般の構成員が実行する争議行為より違法性が強いということはとうていできない。かかる場合、争議行為を実行した者を処罰しないで、その煽動を行つた者のみを処罰する合理的理由は存在しないといわなければならない。
[27] もとより争議行為の遂行を煽動した者が争議行為の実行者よりも一段と違法性が強いと解される場合があるのを否定することはできない。たとえば争議行為の主体となる職員の団体の構成員以外の者が争議行為の遂行を煽動した場合は、争議行為に直接利害関係のない第三者が争議行為に容喙して労働関係を紊乱する点に強い違法性が看取され、また職員の団体の決定に従わずまたは職員の団体の決定から離れて職員が争議行為の遂行を煽動した場合は、職員は争議行為に関しては第三者と同じ地位に置かれるので、その違法性の強いことはさきに述べたとおりである。さらに争議行為に通常随伴して行われる以上に職員が激越な煽動行為を行つた場合は、その違法性の強いことはいうまでもない。したがつてこれらの場合の煽動行為は、争議行為に通常随伴して行われる煽動行為より一段と違法性が強いものと評価され、同時に争議行為に対する積極性の点において単なる争議行為の実行より一段と違法性が強いと解されから、これらの場合の煽動者を特に処罰することは適正であり、合理性を欠くものではない。
[28] 以上のように考えるとき、地方公務員法第61条第4号の争議行為の遂行を煽動した者とは、争議行為の主体となる団体の構成員たる職員以外の第三者であつて争議行為の遂行を煽動した者、争議行為の主体となる団体の構成員たる職員であつて争議行為の共同意思に基かないで争議行為の遂行を煽動した者、及び争議行為の主体となる団体の構成員たる職員であつて争議行為に通常随伴して行われる方法より違法性の強い方法をもつて争議行為の遂行を煽動した者と解するのが相当である。

(三) 被告人らの前示行為の地方公務員法第61条第4号への該当性
[29] 被告人らはいずれも東京都内公立小中学校の教員であつて都教組の幹部であることはさきに認定したとおりである。
[30] そこで、被告人長谷川、同藤山の前示二の(五)、被告人藤山の前示二の(六)の1・2、被告人高橋、同竹本の前示二の(七)、被告人高橋の前示二の(八)、被告人中根の前示二の(九)、被告人竹藤の前示二の(十)、被告人小松の前示二の(十一)の1・2の各行為が争議行為に通常随伴して行われる方法より違法性の強い方法をもつて争議行為の遂行を煽動したものであるといえるかどうかにつき検討する。
(1) 被告人らの前示指令第3号の配布及びその趣旨の伝達の行為
[31] さきに認定した都教組の勤務評定反対闘争の経過によると都教組においては前記臨時大会において勤務評定反対のため休暇戦術を行使するとの基本方針を決定し、さらに同年4月3日の第1回定例委員会において都教委が勤務評定規則を審議可決する日に休暇戦術を行使することを決定したのであつて、都教組支部分会各役員及び同各組合員の多数の者は、勤務評定規則の決定される日に都教組が休暇闘争すなわち同盟罷業を行う決意を有していたことが明らかである。したがつて本件同盟罷業は都教組組合員の多数の意思に基き実行されたものであつて、単に被告人ら都教組幹部の煽動等の結果実行されたものと認めることはできない。また指令第3号も、右臨時大会及び定例委員会の決定を執行するため、都教委において勤務評定規則の決定される4月23日に本件同盟罷業を行うよう指令したにすぎないものであつて、特に刺戟的な内容を含むものとは認められない。
[32] なお公務員法上の職員の団体の権限ある機関が決定する指令は原則として団体の幹部及びその構成員たる職員に対し拘束力をもつが、その指令の内容が違法行為を命ずるものであれば、それは団体の構成員たる職員に対し拘束力をもたないと解すべきである。本件指令第3号は、さきに認定したとおり、都教組戦術委員会が都教組臨時大会において指令権を与えられて決定したものであるから、権限ある機関が決定した指令であるといえるが、その内容は地方公務員法に違反した同盟罷業を指令するものであつて、この意味において都教組の幹部及び組合員に対し拘束力をもたないと解される。ただ権限ある機関が決定した指令は、その内容が違法であつても、その違法が一見明白なものでないかぎり、団体の幹部及び構成員たる職員に対し一応拘束力があるかのような外観を呈するのであつて、右指令第3号は本件統一行動を命ずる内容であるので、これが同盟罷業を命ずる内容となるかどうかの該当性及び違法性の判断が法律専門家にとつても困難な問題を多く含む以上、その違法は一見明白なものでないというべきであつて、指令第3号を配布し、その趣旨を伝達する組合幹部、またはその趣旨を伝達された組合員をして通常の適法な指令のごとくこれに服従する義務があると信じさせたとみることはその反証のない本件においては無理ではない。
[33] したがつて、被告人らの都教組における幹部たる地位にかんがみ、被告人らが指令第3号を配布し、その趣旨を伝達することは争議行為に通常随伴して行われる行為と認められるから、この点について被告人を地方公務員法第61条第4号の争議行為の遂行の煽動を行つた者と認めることはできず、他にこの認定を覆えすにたる証拠はない。
(2) 被告人藤山の前示二の(六)1、2、被告人高橋の前示二の(八)、被告人小松の前示二の(十一)の2の各行為及び被告人高橋、同竹本の前示二の(七)、被告人小松の前示二の(十一)の1の各行為中指令第3号の配布、その趣旨の伝達を除く行為
[34] 被告人藤山の前示二の(六)の2、被告人小松の前示二の(十一)の2の各行為は同盟罷業の遂行を慫慂した行為と認めることはできない。また被告人藤山の前示二の(六)の1、被告人高橋の前示二の(八)の各行為及び被告人高橋、同竹本の前示二の(七)、被告人小松の前示二の(十一)の1の各行為中指令第3号の配布、その趣旨の伝達を除く行為は、その場に出席していた組合員の感情を特に刺戟するような激越な煽動行為とは認められず、さきに認定したような同被告人らの同盟罷業遂行の慫慂行為は、同被告人らの都教組における幹部たる地位を考慮すると、争議行為に通常随伴して行われる行為であると認められるから、この点について同被告人らを地方公務員法第61条第4号の争議行為の遂行の煽動を行つた者と認めることはできず、他にこの認定を覆えすにたる証拠はない。
[35] 以上評論したことにより明らかなように、被告人らの行為が地方公務員法第61条第4号に該当するという証明はないから、弁護人の正当行為についての主張について判断するまでもなく、本件については犯罪の証明がないことに帰し、刑事訴訟法第336条後段により被告人らに対し無罪の言渡をすることとする。
[36] よつて主文のとおり判決する。

  (裁判官  荒川正三郎  小川泉  神垣英郎)

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