カルタヘナ法から組換え実験動物関連の要約

カルタヘナ法により、組換え生物に関し幅広い制限が加わりました。関連するKO, Tg動物に関する規制のポイントのみ概説します。なおカルタヘナの規制を受けるのは日本、ヨーロッパ等、4/5の批准した国ですが、米国、ロシア、カナダ、オーストラリア等、1/5の国は加盟していないので、カルタヘナの規制は受けません。

我々の使用ケースでは遺伝子組換え生物等の「第二種使用等」に該当します。要するに「閉鎖系」という条件です。室内実験が該当しますが、それ以外に保管や運搬も該当します。拡散防止レベルは下記のように「動物作成実験」と「動物接種実験」の異なるカテゴリーに分かれます。

「動物作成実験」:通常のKO, Tg等の組換体動物を使用した実験は「動物作成実験」であり、拡散防止レベルはP1Aレベルという分類になります。P1Aレベルは当SPF施設で問題なく飼育実験が可能です。多くの場合は大臣確認の必要の無いケースと思われます。しかし、ヒト感染症に関わるレセプター遺伝子を導入したような場合は大臣確認が必要となる場合がありますのでご注意下さい。但しその場合でも拡散防止措置の区分はやはりP1Aの分類が適用されます。

「動物接種実験」は上記と異なり、動物に遺伝子組換えウイルスを感染させる場合であり、この場合は宿主の実験分類または核酸供与体の実験分類のうち、厳しい方のクラスに合わせた拡散防止レベルが必要となります。当SPF施設では出来ないケースが多いと思われます。ただし、P2A拡散防止レベルまでの組換体ウイルスの動物接種実験は15号館2階のP2室にて可能です。

法律等の詳細等は文部科学省のWebSiteを参照して下さい。
遺伝子組換え実験:文科省