ここではMacでのファイルの作成・複製などの操作を練習します。もう普通にできる人がほとんどでしょうが、用語のことなどもありますから、一通りやってみることを勧めます。
この資料にある操作はひどく細かなスクリーンショットと画面操作の連続になっています。先に簡単にやることをまとめておきます。
この流れを頭に入れて進むと良いです。
Macを起動すると以下のような画面表示になります。
画面最上部を見てください。上のように「 Finder ファイル… 」などと操作用の文字列が並んでいます。この部分を「Menu」あるいは「Menu Bar(棒)」と呼びます。画面最下部に並んでいる部分を「Dock」と呼びます。「Webブラウザ」で少し説明しましたね。
メニューバーを見ると、一番左が「(アップル)メニュー」、その次に「Finder メニュー」があります。
この「(アップル)メニュー」の右のメニューには、いま操作対象となっているアプリケーションを示しています。つまり今は「Finder」を操作しています。ここで見えている「ファイル」メニューの部分をクリックすると、以下のような表示になるでしょう。
ここの「新規 Finder ウィンドウ」を選んでください。以下のようなウィンドウが現れるでしょう。
ウィンドウ最上部に「最近の項目」と表示され、新しいウィンドウが開きます。このウィンドウでは最近操作したファイルが表示されています。ウィンドウ左端のサイドバーにもこの「最近の項目」表示のショートカットが登録されており、今は「最近の項目」が選ばれた状態(少し濃くなっている)となっているのがわかります。
新しくFinderのウィンドウを開く方法は何通りかあります。以下の Dockにある Finder アイコンをクリックすることでも同じことが起きます。
また、ファイルメニューを開いたときに以下のような表示になっていたでしょう。
メニューアイテムの右端に出ている ⌘ 記号とそれに続く文字「 N 」は、このメニューアイテムが Command キーを押しながら N キーを押すことで実行できることを意味しています。「キーボードショートカット」と呼びます。マウスでメニューを選択して「新規 Finder ウィンドウ」を選んでも良いですし、メニュー表示でキーボードショートカットを確認して Command キーと合わせたキー操作で実行しても、どちらでもかまいません。
専門ですから用語はしっかり |
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気楽に「メニュー」などと「慣れ」だけで言葉を使いがちですが、これはユーザインタフェイス分野の専門用語です。語だけでなく意図や目的を正しく把握しましょう。Appleもガイドラインを定めています。参考:“The menu bar”, Human Interface Guidelines”, Apple. ( 日本語 版もありますが、用語については英文の方が良いかも) |
Finderは主に「ファイル」を見せるものです。Appleはユーザが主にファイルを置く場所として「書類」フォルダを用意しています。そこの中を見てみましょう。赤矢印の位置にある「書類」をクリックしてください。
ウィンドウ最上部には「書類」フォルダを表示していることが示されています。このスクリーンショットは「書類」フォルダに何もない状態の時のものです。一つ作ってみましょう。
一つファイルを作って操作してみます。
「テキストエディット」アプリケーションを起動しましょう。Finderウィンドウの「アプリケーション」をクリックすると、インストールされているアプリケーションが一覧表示されます。アルファベット順および漢字文字コード順で並んでいますから容易に見つけられるでしょう。
もし以下のようにアイコン表示になっているとちょっと見つけにくいかもしれません。その時は Finder ウィンドウの上端にある表示形式選択メニューで「カラム」表示を選ぶと上の表示になります。
なおこの選択機能はメニューバーの「表示」メニューにもあります。
見るとカラム表示が「⌘3」つまりキー操作でのショートカット操作が Command + 3 であることがわかります。
テキストエディット・アプリケーションが起動できれば、以下のような画面表示になるでしょう。
ここで「新規書類」をクリックしてください。図(下左)のようなウィンドウが表示されるでしょう。(もしこの画面表示にならなかった場合は、テキストエディットの「ファイル」メニューの「新規」を選択してください。)
ここに適当に文章を入力して下さい(下右)。
ところでアプリケーションはそれぞれ独自のメニューを持っています。Finderのメニューとテキストエディットのメニューはそれぞれ違います。(「(アップル)メニュー」の右にアプリケーション名のメニュー、その右に「ファイル」「編集」まではどれも同じですが、そこから右はアプリケーション固有の項目になります。)
そして、いま「どのアプリケーションが選ばれているか(どのアプリケーションのウィンドウが一番上か)」によって、画面一番上のメニューバーに表示されるメニューが(アプリケーションに合わせて)切り替わります。
上の図はどのアプリケーションが選ばれているかが視覚上わかりやすいようにウィンドウの一部を「重ねて」いますが、重なっている必要はありません。今選ばれている(最後にウィンドウを選択した)アプリケーションのメニューが表示されます。
テキストエディット・アプリケーションで何か書いていると思いますが、適当なところで内容を保存しましょう。(テキストエディットが一番上にある状態にして)「ファイル」メニューの「保存…」を選択して下さい。
おそらく、このような表示になるでしょう。この時、一度赤矢印のところをクリックすると良いです。
すると以下のようにFinderウィンドウと似た表示に変わります。初めから以下のようなFInderウィンドウと似た表示になっていた人もいるかもしれません。
ここで上の図のウィンドウの、左端のサイドバーから「書類」フォルダを指定(クリック)し、ウィンドウ上端の「名前」フィールドで文書ファイルの名前を適切なものに変えて(キー入力)、右下の「保存」ボタンを押します。
これで文書の内容がファイルとして保存されました。先ほどから開いていたはずの Finder ウィンドウには、テキストエディットの文書ファイルが見えているでしょう。
もし Finder ウィンドウが下に隠れて見えない状態であれば、Dock の Finder アイコンをクリックすることで、Finder ウィンドウを上に出すことができます。
続いてこのファイルを複製します。Finderウィンドウに見えている保存したファイルを一度クリックし(ダブルクリックではなく、単なるクリック、です)、選択した状態にします。そして「ファイル」メニューの「複製」を選択します。
もし「複製」が選択できない(薄い灰色になっている)場合は、ファイルのアイコンが選択されていない可能性があります。下の図のように選択されると表示が変化しますので確認して下さい。
「ターゲットを選んで、操作する」モデル |
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Macのユーザインタフェイス設計では、基本的に「対象物を選択 (select)
して、適用したい操作を指示する」ようになっています。このファイルの複製も「対象ファイルを選択して、複製を指示」しました。 単に操作を個別に丸覚えするのではなく、そういう「モデル」なんだな、と把握するのが良いです。設計者とユーザが対象システムの「モデル」を共有できると良いことが多いです。 |
複製処理が実施されると、「書類」フォルダには「〜〜のコピー」と付加された名前のファイルが増えているはずです。
ファイル名がこのように青色でハイライトされている状態(つまり選択 (select) された状態)になっていますから、そこで更にファイル名の部分(赤矢印が指す部分)をクリックすることで、ファイル名を変えられる(キー入力できる)状態になります。あるいは選択された状態で Finder の「ファイル」メニューの「名前を変更」を選択しても同じ状態になります。
新しい名前を入力して、Enterキーを押せば確定できます。上の図は「ver2」と付け足してEnterキーを押す直前の状態です。
なお名前の変更は Finderのメニュー項目としても用意されています。「ファイル」メニューの「名前を変更」がそれです。「複製」の二つほど上にあります。(対象ファイルを選択した状態で実行するのですよ。)
上のような「少し重なった表示」は不便でしょうから、ファイルのアイコンをドラッグして、よく見える位置に移動させておくと良いです。
次はフォルダを一つ作りましょう。Finderウィンドウで「書類」フォルダを表示させている(一番上に来ている)時に、「ファイル」メニューから「新規フォルダ」を選択して下さい。なおショートカットは Shift + Command + N です。
これで以下のように「名称未設定フォルダ」という名前のフォルダが作成されるでしょう。