警察法改正事件 | ||||
控訴審判決 | ||||
地方自治法に基く警察予算支出禁止事件 大阪高等裁判所 昭和30年8月9日 第2民事部 判決 控訴人 (原告) 清水嘉市 被控訴人(被告) 大阪府知事 指定代理人 坂本昇 外1名 ■ 主 文 ■ 事 実 ■ 理 由 本件控訴を棄却する。 控訴人が当審においてあらたになした請求を棄却する。 控訴費用は控訴人等の負担とする。 [1] 控訴人は「原判決を取り消す。被控訴人が昭和29年6月30日大阪府会の決議による昭和29年度追加予算中の警察費(公安委員会費)9億5973万5900円の支出をすることを禁ずる。被控訴人がすでに支出した右金員を現状に復する措置をとることを命ずる。訴訟費用は第1、2審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴人は控訴棄却の判決を求めた。 [2] 当事者双方の主張は、控訴人の方で、「地方自治法第243条の2に規定するものは特別監査であつて、同条は「違法の支出」は監査の対象となることを規定しており、違法の支出である以上それが議会の議決に基くものであつても違法の支出に違いないから、監査委員はこれを監査することができるものである。住民は議会に対する批判を、地方自治法に定める選挙又は直接請求によつて行うことができるけれども、これは簡単に行うことができないから、同法第243条の2の規定が設けられるに至つたものである。」と述べた外、いずれも原判決事実記載のとおりであるから、これを引用する。 (立証省略) [1] 被控訴人に対し、大阪府会の議決による昭和29年度追加予算中の警察費の支出を禁ずることを求める控訴人の請求を失当として棄却すべきものとする理由は、すべて原判決理由記載のとおりであるからこれを引用する。従つて原判決は相当であつて、本件控訴は理由がない。 [2] 控訴人の右請求が理由がない以上、被控訴人がすでに支出した右金員を現状に復する措置をとることを命ずることを求める控訴人の請求もまた失当であることは明らかであるから、これを棄却しなければならない。そこで控訴費用の負担について民事訴訟法第89条を適用し、主文のとおり判決する。 (昭和30年8月9日大阪高等裁判所第2民事部) | ||||
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