性別変更訴訟(非婚要件)
特別抗告審決定

性別の取扱いの変更申立て却下審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件
最高裁判所 令和元年(ク)第791号
令和2年3月11日 第二小法廷 決定

抗告人(原々審申立人 原審抗告人) A

■ 主 文
■ 理 由


 本件抗告を棄却する。
 抗告費用は抗告人の負担とする。


 性同一性障害者につき性別の取扱いの変更の審判が認められるための要件として「現に婚姻をしていないこと」を求める性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項2号の規定は、現に婚姻をしている者について性別の取扱いの変更を認めた場合,異性間においてのみ婚姻が認められている現在の婚姻秩序に混乱を生じさせかねない等の配慮に基づくものとして,合理性を欠くものとはいえないから,国会の裁量権の範囲を逸脱するものということはできず,憲法13条,14条1項,24条に違反するものとはいえない。このことは,当裁判所の判例(最高裁昭和28年(オ)第389号同30年7月20日大法廷判決・民集9巻9号1122頁,最高裁昭和37年(オ)第1472号同39年5月27日大法廷判決・民集18巻4号676頁,最高裁平成26年(オ)第1023号同27年12月16日大法廷判決・民集69巻8号2586頁)の趣旨に徴して明らかである。論旨は理由がない。

 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 岡村和美  裁判官 菅野博之  裁判官 三浦守  裁判官 草野耕一)

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