性別変更訴訟(非婚要件) | ||||
即時抗告審決定 | ||||
性別の取扱いの変更申立却下審判に対する抗告事件 大阪高等裁判所 平成31年(ラ)第525号 令和元年6月20日 第9民事部 決定 抗告人(原審申立人) A ■ 主 文 ■ 理 由 1 本件抗告を棄却する。 2 抗告費用は,抗告人の負担とする。 [1] 別紙抗告状、抗告理由書及び抗告理由書(補充)(各写し)〔いずれも省略〕のとおり [2]1 当裁判所は,原審判は相当であると判断する。その理由は,次項において抗告理由について補足し,原審判2頁7行目の「3月3日,」を「3月3日付け」に改め,8行目の「により,」の次に「同月6日,」を,20行目の「適用については,」の次に「法律に別段の定めがある場合を除き,」を,3頁2行目の「日本国憲法」の次に「及び民法その他の法令」をそれぞれ加えるほかは,原審判の理由説示のとおりであるからこれを引用する。 [3]2 抗告理由について補足する。 [4] 抗告人は,「現に婚姻をしていないこと」を性同一性障害者の性別変更の要件とする性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項2号の規定(本件規定)は,憲法13条及び14条1項に違反すると主張する。 [5] しかし,本件規定は,婚姻をしている性同一性障害者に性別の取扱いの変更を認めると,長きにわたって生物学的な性別に基づき男女の区別がされ,その男女の合意に基づいて婚姻制度が形成,維持されてきた中で,同性同士の婚姻という現行法秩序上認められていない状態が生じ,社会を混乱させかねないことを避けるなどの配慮に基づくものと解される。このような規定の目的,制約の態様,現在の社会的状況等を総合的に比較衡量すると,本件規定は不合理なものとはいえず,憲法13条,14条1項に違反するものではない。抗告人の上記主張は採用できない。 [6]3 よって,原審判は相当であり,本件抗告は理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり決定する。 裁判長裁判官 松田亨 裁判官 上田日出子 裁判官 三宅康弘 | ||||
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