国籍法違憲訴訟
第一審判決

退去強制令書発付処分取消等請求事件
東京地方裁判所 平成15年(行ウ)第110号
平成17年4月13日 判決

当事者の表示 別紙当事者目録記載のとおり

■ 主 文
■ 事 実 及び 理 由

■ 参照条文


 原告が日本国籍を有することを確認する。
 訴訟費用は被告の負担とする。

 主文同旨
[1] 本件は、外国人女性を母とし、日本人男性を父として本邦で出生した原告(平成9年xx月xx日生まれの男児)が、出生後父親から認知を受けたことを理由に法務大臣宛に国籍取得届を提出したところ、原告が国籍取得の条件を備えているものとは認められないとの通知を受けたことから、被告に対し日本国籍を有することの確認を求めた事案である。なお、原告の母親(××国籍)は、原告の出生当時本邦における在留資格を有していなかったことから、原告及び原告の母親に対して退去強制手続が行われ、本件訴訟に併合して、出入国管理及び難民認定法49条1項に基づく両者の異議の申出は理由がない旨の法務大臣裁決及び東京入国管理局主任審査官の両者に対する退去強制令書発付処分の適法性がそれぞれ争われていたが(当庁平成14年(行ウ)第404号、同411号事件)、平成16年12月28日、両者に期間1年間の在留資格が付与されたことから、両事件については、平成17年1月18日、取下げによって終了した。
[2](1) 憲法10条は、日本国民たる要件は、法律でこれを定めるとしている。
[3](2) 国籍法(以下「法」という。)2条は、子は、出生の時に父又は母が日本国民であるとき(1号)、出生前に死亡した父が死亡の時に日本国民であったとき(2号)、日本で生まれた場合において、父母がともに知れないとき、又は国籍を有しないとき(3号)に日本国籍を取得することを定めている。
[4](3) 法3条1項は、父母の婚姻及びその認知により嫡出子たる身分を取得した子で20歳未満のもの(日本国民であった者を除く。)は、認知をした父又は母が子の出生の時に日本国民であった場合において、その父又は母が現に日本国民であるとき、又はその死亡の時に日本国民であったときは、法務大臣に届け出ることによって、日本の国籍を取得することができる旨を定めている。
[5] 同条2項は、前項の規定による届出をした者は、その届出の時に日本の国籍を取得することを定めている。
[6](4) 法4条は、日本国民でない者は、帰化によって、日本の国籍を取得することができること(1項)、帰化をするには、法務大臣の許可を得なければならないこと(2項)を定めている。
[7](5) 法5条1項は、法務大臣が帰化を許可することができる条件について、引き続き5年以上日本に住所を有すること(1号)、20歳以上で本国法によって能力を有すること(2号)、素行が善良であること(3号)、自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によって生計を営むことができること(4号)、国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によってその国籍を失うべきこと(5号)、日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと(6号)と定めている。
[8](6) 法8条は、日本国民の子(養子を除く。)で日本に住所を有するもの(1号)については、法5条1項1号、2号及び4号の条件を備えないときでも、帰化を許可することができることを定めている。
(7) 国籍法改正の経緯
[9] 明治32年制定の旧国籍法は、国籍の生来的取得(出生時点における国籍取得)と伝来的取得(出生後の事後的な国籍取得)を峻別することなく、当時の家制度を前提として、身分行為によって日本国籍を取得することを広く認めており、日本人の妻、入夫または養子となった外国人に日本国籍の取得を認めていたほか、日本人に認知された子についても日本国籍の取得を認めていた。
[10] 現行憲法下において昭和25年に制定された国籍法(昭和25年法律第147号)は、国籍取得原因を出生による場合と帰化申請による場合の2つに限定し、旧国籍法における身分行為による国籍取得は、家制度に由来し、憲法の個人の尊厳と両性の本質的平等に反するとして廃止されることとなった。しかしながら、昭和25年の国籍法は、父系血統優先主義を採用していたことから、日本人を母とし、外国人を父とする非嫡出子は原則として日本国籍を取得することができないこととされていた。また、国籍取得原因を出生による取得と帰化申請による取得に限定した結果、現行法と同様、父を日本人とする非嫡出子であっても、出生時点において父と法律上の親子関係が生じていない者は日本国籍を取得することができない扱いとなった。
[11] 昭和59年に改正された現行国籍法(昭和59年法律第45号)は、改正前の国籍法が採用していた父系血統優先主義を見直し、父母両系血統主義を採用したことから、母を日本人とする非嫡出子については、出生と同時に日本国籍を与えられることとなった(法2条1号)。また、国籍取得原因として、出生、帰化のほかに新たに届出による国籍取得(伝来的取得)の制度(法3条1項)を設けたが、父を日本人とし、生後認知を受けた非嫡出子が届出によって日本国籍を伝来的に取得することができるのは、父母が婚姻したことにより嫡出子の身分を取得した場合(以下「準正子」という。)に限定されている。
[12](1) 原告は、平成9年xx月xx日に本邦で出生した男児である(乙2の5)。
[13](2) 原告の母××・××(以下「A」という。)は、昭和39年(1964年)xx月xx日生まれの××国籍を有する女性であり(甲1)、平成3年1月21日、興行の滞在資格(3か月)を付与されて本邦に初回入国をし(なお、このとき使用したパスポートには、氏名は正式名の××ではなく××と記載され、生年月日は1968年xx月xx日と記載されていた。)、同年4月16日に在留期間更新許可(3か月)を受けた上で、在留期限内の同年7月21日、××に帰国した(乙1)。Aは、平成4年3月18日、興行の在留資格(3か月間)の付与を受けて再び本邦に入国し(なお、このとき使用したパスポートには正しい氏名及び生年月日が記載されていた。)、同年6月8日、3か月の在留期間更新許可(在留期限は平成4年9月18日まで)を受けたが、それ以後は在留期間の更新許可を受けることなく本邦に在留している(乙1)。
[14] Aは、平成7年10月頃から原告の父××(以下「B」という。)と交際を始め、平成9年xx月xx日、Bの子である原告を出産した。
[15](3) Bは、昭和31年xx月xx日生まれの日本国籍を有する男性であり(甲3、乙2の2)、昭和xx年に婚姻した妻との間に娘が1人いる。
[16] Bは、原告出生後の平成11年10月29日、原告を認知した(乙2の9)。
[17](4) 原告の親権者であるAは、平成15年2月4日、原告がBから認知を受けたことを理由に、××地方法務局××支局において、法務大臣宛に原告の国籍取得届(以下「本件届出」という。)を提出したところ(甲12、乙21)、同月14日、××地方法務局長から、「平成15年2月4日付け国籍法第3条第1項の届出は、国籍取得の条件を備えているものとは認められないので、通知します。」との通知を受けた(甲13)。
[18](5) 原告は、平成15年2月27日、本件訴訟を提起した。
[19](6) なお、Aは、本件訴訟提起後、再びBとの子を懐胎し(出産予定日平成17年6月19日)、Bは、平成16年12月16日、同胎児について胎児認知をした(甲26、27)。
(1) 主張の骨子
[20] 認知を受けた非嫡出子について、父母の婚姻があったときに限り日本国籍の取得を認める法3条1項の規定は、憲法14条1項に違反し、違憲無効である。

(2) 平成14年最高裁判決の位置付け
[21]ア) 平成14年11月22日最高裁第二小法廷判決(判例時報1808号55頁。以下「平成14年最高裁判決」という。)は、国籍の浮動性防止の観点から、出生時点において国籍を確定させるため、認知の遡及効を否定する判断をしたものである。
[22] 平成14年最高裁判決は、国籍要件を法律で定めることを規定した憲法10条は、日本国籍の得喪に関する要件をどのように定めるかを法律に委ねる趣旨であると解されること、また、国籍の得喪要件に関する法律の定めによって生じる区別が、憲法14条1項に違反するかどうかは、その区別が合理的な根拠に基づくものということができるかどうかによって判断すべきことを判示している。
[23]イ) 被告は、平成14年最高裁判決を引用して、国籍取得の要件をどのように定めるかについては、その性質上広範な立法裁量が認められている旨主張し、嫡出子(準正子)と非嫡出子との取扱いの差異は、その立法理由に合理的な根拠があり、かつ、その区別が立法理由との関連で著しく不合理なものでなく、いまだ立法府に与えられた合理的な裁量判断の限界を超えていないと認められる限り、合理的理由のない差別とはいえず、憲法14条に違反するものとはいえないと主張するが、平成14年最高裁判決はその原審判決とは異なり国籍取得要件について立法府の広範な裁量を認める判示を意識的に避けており、被告の主張は同判決の趣旨を曲解するものである。
[24]ウ) また、被告は、平成14年最高裁判決が、生後認知の場合に法2条1号によって国籍を取得することを否定したことで、非嫡出子に対する差別を許容したかのように主張するが、同判決は、国籍の浮動性防止を重視して認知の遡及効を否定したものにすぎず、非嫡出子に対する差別を容認したものではない。
[25]エ) 平成14年最高裁判決は、国籍の生来的取得である法2条1号についての解釈のあり方を示した判決であり、法廷意見は国籍の伝来的取得である法3条1項の合憲性については何ら述べていない。
[26] そして、同判決の補足意見では、3人の裁判官が国籍の伝来的取得要件において非嫡出子を差別した法3条1項の合憲性について強い疑問を表明しているところであり、国籍の伝来的取得の場面では、平成14年最高裁判決が重視した国籍の浮動性防止の要請は無関係であるから、国籍の伝来的取得の場面において準正子と非嫡出子を差別することは平成14年最高裁判決の許容するところではない。

(3) 法3条1項の不合理性
[27]ア) 平成14年最高裁判決の補足意見においても述べられているとおり、国籍の取得は、基本的人権の保障を受ける上で重大な意味を持つものであって、本来、日本人を親として生まれてきた子供は、等しく日本国籍を持つことを期待しているものというべきであるから、その期待はできる限り満たされるべきである。
イ) 胎児認知と生後認知との差別の不合理性
[28] 法2条1号は、子が胎児認知された場合には、両親の婚姻がなくとも日本国籍を取得することを認めている。
[29] また、最高裁第二小法廷平成9年10月17日判決(民集51巻9号3925頁)は、外国人母の非嫡出子が日本人父から認知されていなくても、非嫡出子が戸籍の記載上母の夫の嫡出子と推定されるため日本人である父による胎児認知の届出が受理されない場合であって、右推定がされなければ父により胎児認知がされたであろうと認めるべき特段の事情があるときは、胎児認知がされた場合に準じて、国籍法2条1号の適用を認め、子は生来的に日本国籍を取得すると解するのが相当であり、特段の事情が存するというためには、母の夫と子との間の親子関係の不存在を確定するための法的手続が子の出生後遅滞なくとられた上、不存在が確定されて認知の届出を適法にすることができるようになった後速やかに認知の届出がされることを要するとしている。
[30] 上記は国籍の生来的取得の場面であり、本件で問題となる伝来的取得の場面とは異なるが、同様に父親による認知を受けているにもかかわらず、胎児認知の場合は、法2条1号によって国籍を取得することができるのにもかかわらず、生後認知の場合に別異の取扱いする合理性はない。むしろ、一般に、胎児認知は、父母が内縁関係を解消するか、または父の死亡が予想されるというように、生後認知が困難になるケースで行われることが多く、胎児認知の方が親子の結合関係が密接であるとはいえないことが多い。
ウ) 父子関係と母子関係との差別の不合理性
[31] 日本人母の子であれば、両親の婚姻がなくても、法2条1号によって出生によって日本国籍を取得する。
[32] 被告は、母子関係は密接な結合関係を生じるのが通常であるのに対し、非嫡出子と父との関係は、生活上の共同一体性を欠くことも少なくなく、通常、母子関係に比して、実質的な結合関係が希薄であると主張し、民法上、非嫡出子が、原則として母の氏を称し(民法790条2項)、母の親権に服するものとされている(民法819条4項)ことを指摘する。
[33] しかし、外国人母の非嫡出子であっても、日本人父の胎児認知を受けた場合には、日本国籍を取得することになるが、胎児認知と生後認知とのいずれであるかによって親族法上の取扱いが異なることはない。例えば、民法819条4項は、認知を受けた子に対する親権は、父母の協議で父を親権者と定めたときに限り、父がこれを行うこととされているが、この点は胎児認知でも生後認知でも異ならない。また、外国人母には日本の氏の規定は適用されない。
[34] このように、民法上の氏や、親権の違いによって、母子関係と父子関係との取扱いの差異を説明することはできない。
[35] 平成14年最高裁判決の補足意見においても指摘されているとおり、父子関係と母子関係の実質に一般的に差異があるとしても、それは多分に従来の家庭において父親と母親の果たしてきた役割によるものであって、本来的なものとみ得るかどうかは疑問であり、むしろ、今日、家庭における父親と母親の役割も変わりつつある中で、そのことは国籍取得の要件に差異を設ける合理的な根拠とはなり得ないのである。
エ) 準正子と非嫡出子差別の不合理性
[36] 被告は、法3条が日本国籍付与に際して父母の婚姻を要求した趣旨は、日本国民たる親の婚姻により準正された子は、実質的に日本国民の家族に包摂されることによって日本社会と密接な結合関係を生じることにあると主張している。
[37] しかし、婚姻はあくまで両親の問題であり、子が婚姻家族に属しているということはその親子関係を通じて我が国との密接な関係の存在をうかがわせる大きな要素といえるかもしれないが、今日、国際化が進み、価値観が多様化して家族の生活の態様も一様ではなく、それに応じて親と子供との関係も様々な変容を受けているのであり、婚姻という外形を採ったかどうかということによってその緊密さを判断することはかならずしも現実には符合しないから、親が婚姻しているかどうかによってその子が国籍を取得することができるかどうかに差異を設けることに格別の合理性を見いだすことは困難である。
[38] しかも、法は、父母が婚姻関係にない場合でも、母が日本人であれば、その子は常に日本国籍を取得することを容認している(法2条1号)のであるから、基本的態度として、国籍取得の要件において父母の婚姻を重要視しているものではない。また、胎児認知を受ければ、法2条1号によって非嫡出子であっても一律に日本国籍を取得するのであるから、そこでは親子の実質的結合関係は全く考慮されていない。さらに、準正子の場合でも、父母が婚姻届を提出した事実があれば足り、父母が同居していなくても、またその後に父母が離婚した場合でも日本国籍を失うことはないのであるから、法は子が日本人の家族に包摂されることを重視しているわけではない。
[39] 今日では、嫡出子と非嫡出子とで異なる取扱いをすることに対する疑問が様々な形で高まっているのであって、両親がその後婚姻したか否かという自らの力によって決することのできないことによって差を設けるべきではない。
[40] また、我が国のように国籍の取得において血統主義を採る場合、一定の年齢に達するまでは、所定の手続の下に認知による伝来的な国籍取得を認めることによる実際上の不都合が大きいとは考えられず、これを認める立法例も少なくない。なお、国籍取得はできる限り確定的に決定されることが望ましいという浮動性防止の要請は、国籍取得の効果を過去に遡らせない法3条においては問題とならない。
オ) 仮装認知
[41] 被告は、仮装認知のおそれを指摘するが、仮装認知のおそれを強調することは、任意認知の制度そのものを否定することになりかねない。
[42] また、実際には、法3条1項による国籍取得届をする場合は、およそ仮装認知をすることができないほどに厳しい審査を受けるのであり、仮装認知にもとづき国籍取得届出をしようとする者などいない。
カ) 簡易帰化
[43] 被告は、非嫡出子については、簡易帰化(法8条)が代替的な国籍取得手段として定められているとするが、帰化は法務大臣の許可を要件としており、法8条の帰化条件は法務大臣が帰化を許可するための最低条件を定めているものにすぎない。
[44] そして、帰化の許可処分は、法務大臣の自由裁量行為であるので、帰化申請者が帰化の条件を満たしていても法務大臣は帰化を許可する義務を負うものではない。法務大臣の処分に不服がある場合も、法3条1項の場合は申請者側でその要件を満たしていることを立証すれば足りるのに対し、帰化の場合は、広範な裁量を前提とした法務大臣の判断に裁量権の逸脱、濫用があったといえることまで主張立証しなければならず、両者の性質の違いは顕著である。
[45] また、すべての外国人は帰化を申請することができるのであるから、もし帰化による国籍取得が代替的な救済手段になるというのであれば、国籍取得要件がいかに不当であったとしても、これを争う余地はなくなることとなり、不合理であることは明らかである。
キ) 法3条1項の違憲性
[46] 以上の点からすれば、法3条1項が準正を非嫡出子の国籍取得の要件とした部分は、日本人を父とする非嫡出子に限って、その両親が出生後婚姻しない限り、帰化手続によらなければ日本国籍を取得することができないという点で、非嫡出子の一部に対する差別をもたらすこととなるから、このような差別はその立法目的に照らし、十分な合理性を持つということは困難であって、憲法14条1項に違反する。

(4) 原告の国籍取得
[47] 法3条1項が違憲無効とされた場合、血統主義を基本原理とする法の趣旨に照らせば、同項の「父母の婚姻及びその認知により嫡出子たる身分を取得した子」という部分を、「父から認知された子」とすることが憲法に適合する唯一の正当な国籍取得要件である。
[48] そうすると、原告は、本件届出によって、届出の時である平成15年2月4日に日本国籍を取得したことが明らかである。

(5) 届出要件の無効
[49] 上記に加えて、法3条1項が、国籍取得の要件として届出を要求したことは無効である。そうすると、原告は、平成11年10月29日、Bから認知を受けたことにより、法3条1項に基づき、認知の時点で日本国籍を取得した。

(6) 認知の遡及効
[50] また、法2条1号の解釈において、認知に遡及効が認められるべきであるから、原告は、平成11年10月29日、Bから認知を受けたことにより、法2条1号に基づき、平成9年xx月xx日、出生の時にさかのぼって日本国籍を取得した。
(1) 国籍取得要件が立法裁量に委ねられていること
[51] 国籍は、国家の構成員たる資格であり、個人は、国籍を有することによって所属する国家の統治権に服し、当該国家に対する権利義務を有することになる。我が国においては、日本国籍を有する者が日本国民とされ、日本国民には、出入国及び在留の自由や日本領土内における居住の自由、参政権が保障されるなど、日本国民と外国人とでは、その法的地位に種々の差異が存する。国籍は、国家の対人主権の範囲を画する主権の不可欠の構成要素であるから、国際法上、国籍の得喪に関する立法は、当該国家が自由に決定し得るものとされている。
[52] 国籍取得の要件は、その国の歴史的沿革、伝統、経済社会体制、社会情勢及び国際情勢等様々な要因を考慮して政策的に定められるものであり、時代の要請に応じて異なるものである。
[53] 憲法10条は、国籍取得の要件をいかに定めるかについて法律に委ねているところ、国籍は、国家の対人主権の範囲を画するものであるから、国籍取得の要件は、当該国家の歴史的沿革、伝統、経済社会体制、社会情勢、さらには国際情勢等様々な要因を考慮して政策的に定められるべきものであり、その性質上広範な立法裁量が認められていると解される。法3条1項における嫡出子(準正子)と非嫡出子との取扱いの差異は,その立法理由に合理的な根拠があり、かつ、その区別が立法理由との関連で著しく不合理なものでなく、いまだ立法府に与えられた合理的な裁量判断の限界を超えていないと認められる限り、合理的理由のない差別とはいえず、憲法14条1項に反するものということはできない。

(2) 法3条1項における区別の合理性
[54] 法3条1項は、「父母の婚姻及びその認知」により日本国民の嫡出子たる身分を取得した子について、届出による日本国籍の取得を認めており、認知のみならず、父母の婚姻をも国籍取得の要件としている。届出による国籍取得の制度は、血統主義の補完措置として、昭和59年の法改正により新設されたものであるが、法は、血統という単なる生物学的要素を絶対視することなく、親子関係により我が国と密接な結合関係が認められる場合に国籍を付与するとの基本的政策に基づき、準正を要件とした。すなわち、日本国民である父の準正子は、父母の婚姻によって嫡出子たる身分を取得したことにより、通常は、日本国民の家族に包摂されて日本社会の構成員となり、我が国との密接な結合関係を有することが明らかとなったものであるから、その者の意思により簡易に日本国籍を付与するのが適当である。これに対し、単に父から認知を受けたにすぎない非嫡出子は、父との生活上の共同一体性を欠くことも少なくなく、必ずしも日本人父と子の実質的結合関係が生ずるとはいえないから、いまだ我が国との密接な結合関係を有することが明らかであるとはいい難く、届出による国籍取得を認めるのは妥当でないと考えられる。これは、民法が家族関係を巡る我が国の伝統、社会事情、国民の意識等を考慮して法律婚を尊重するという趣旨に基づき、非嫡出子と嫡出子との取扱いを異にしている(民法790条2項、819条4項、900条4号ただし書)ことと軌を一にするものである。
[55] また、認知のみによる国籍取得を認めると子に日本国籍を得させることのみを目的とする仮装認知が多発するおそれがあることにも留意されなければならない。
[56] そうすると、法3条1項の婚姻要件は、立法政策上合理的な根拠があり、かつ、簡易帰化(法8条)による国籍取得が可能であることを併せ考えると、立法理由との関連で著しく不合理なものでなく、いまだ立法府に与えられた合理的な裁量判断の限界を超えていないと認められ、憲法14条1項に反するものではない。

(3) 原告の主張に対する反論
ア) 立法趣旨が異なること
[57] 生後認知の場合と、母が日本人である場合及び胎児認知を受けた場合を比較する原告の主張は、立法趣旨の異なる規定を同列に論ずるもので、そもそも失当である。
[58] すなわち、法2条1号は日本国籍の生来的な取得についていわゆる父母両系血統主義を採用したものであるが、単なる人間の生物学的出自を示す血統を絶対視するものではなく、子の出生時に日本人の父又は母と法律上の親子関係があることをもって我が国と密接な関係があるとして国籍を付与しようとするものである(平成14年最高裁判決)。また、法2条1号は、生来的な国籍取得に関する規定であり、この規定の目的は、血統主義を採用する現行法上、出生の時点で日本国民との法律上の結合関係を有することが確定している者に、出生による日本国籍を取得させようとするものであるのに対し、法3条1項は、伝来的国籍取得に関する規定であり、この規定の目的は、出生により日本国籍を取得しない者について、血統上日本国民の子であって、日本国民の準正子となった場合に、届出による日本国籍の取得という簡易な方法で当該子に日本国籍を取得し得ることを認めたものである。つまり、法2条1号と法3条1項は、子の日本国籍の取得に関して、その前提を異にするものであり、法2条1号で婚姻を国籍取得の要件としていないことを理由として、法3条1項においても婚姻を要件とすることは違憲であるとする主張は、両規定の立法目的の違いを看過するものであり、失当である。
イ) 母が日本人である場合との差異について
[59] 現行法上、母が日本国籍を有する場合に子が日本国籍を有するのは、父母両系血統主義を採用し、また、我が国の民法上、母子関係は分娩により当然に生ずると解されていることによるものである。また、実質的にも、母子関係は密接な結合関係を生ずるのが通常であるのに対し、非嫡出子と父との関係は、生活上の共同一体性を欠くことも少なくなく、通常、母子関係に比して、実質的な結合関係が希薄であり、それ故民法上も、非嫡出子は、原則として母の氏を称し(民法790条2項)、母の親権に服するものとされているのであるから(同法819条4項)、父子関係と母子関係との間に差を設けることには合理性がある。
ウ) 胎児認知との差異について
[60] 父が胎児認知をする場合には、出生時の父子関係によって生来的に日本国籍を取得するのであって、血統主義を採用する以上、出生により親の国籍を取得するのは論理的帰結であるから、出生後の認知とは比較の前提が異なるものである。
[61] また、実質的にも、胎児認知をする場合と出生後に認知する場合とでは、親子の結合関係の度合いも異なる。現行法は、このような親子の結合関係の度合いを考慮し、非嫡出子の国籍取得の取扱いに区分を設けたものであり、立法政策上合理性を有する。
[62] 原告は、一般に、胎児認知は、父母が内縁関係を解消するか、または父が死亡しそうであるというように、生後認知が困難になるケースで行われると主張するが、胎児認知が行われる動機はさまざまであると推測され、原告が主張するように生後認知が困難になるケースで行われることが一般的であるとは考え難いし、そのように断ずる根拠もない。したがって、生後認知の場合の方が胎児認知の場合よりも親子の結合関係が密接であるとする原告の主張は、何ら根拠がなく、失当である。
エ) 婚姻要件の合理性について
[63] 原告は、今日、国際化、価値観の多様化により家族の生活態様や親子関係も変容を受けており、婚姻という外形は必ずしも親子関係の緊密さの指標にはならないから、父母の婚姻を国籍取得の要件とすることに格別の合理性を見いだすことはできないと主張する。しかしながら、現代杜会における家族形態の多様化や国民の意識の変容等家族関係を巡る杜会情勢の変化にかんがみても、なお、我が国において法律婚を基調とする家族観は失われてはいないと考えられるのであり、非嫡出子が、父母の婚姻により日本国民の家族関係に包摂され、日本社会の構成員となることによって、我が国との密接な結合関係が生じた場合に日本国籍を付与するとする立場から、父母の婚姻を要件とした法3条1項の規定は、著しく不合理なものとまで断ずることはできないというべきであり、いまだ立法の合理的な裁量判断を逸脱したものとはいえない。これは、嫡出子と非嫡出子の相続分の差異(民法900条4号ただし書)について、民法が法律婚主義を採用した結果であるとして、同条項は憲法14条1項に反しない旨の判決がされていることからも、裏付けられている。
オ) 仮装認知のおそれについて
[64] 原告は、法3条1項による国籍取得届をする場合は、およそ仮装認知などできない程に厳しい審査を受けるとし、厳格な審査がなされる状況において、仮装認知にもとづき国籍取得届をしようとする者などいないと主張する。しかし、戸籍上既に認知が成立している戸籍の提出がされた場合、特段の疑義が生じない限り、認知の成立について事実関係を調査するまでのことはなされていないから、仮装認知のおそれは十分に存する。

(4) 認知の時点で国籍取得が認められるとの主張について
[65] 原告は、法務大臣への届出を要件とすることは無効であると主張する。法3条1項による国籍取得は、法務大臣へ届け出ることが要件の一つとされているが、その趣旨は、認知という父の一方的な身分行為によって当然に日本国籍の取得を認めることとすると、これまで外国人として生活してきた子の意思に反する結果となることもあることから、子の意思を尊重する趣旨から、子の法務大臣に対する意思表示(届出)によって日本国籍の取得を認めるとしたものである。
[66] また、外国の方式により認知・婚姻が行われ、準正が生じた場合には、我が国でそれらを十分に把握し得ないことから、日本国籍取得の有無が不明確になるおそれもある。したがって、法3条1項が届出を要件としていることについては、十分合理的な理由がある。

(5) 出生時に国籍取得が認められるとの主張について
[67] 原告は、血統主義の根拠となっている法律上の親子関係は、生後認知の場合でも成立しており、しかも認知の準拠法である日本法上、その効力は出生の時点にさかのぼるのであるから、法2条1号により生来的国籍を取得するのが論理的帰結となるはずであると主張する。しかしながら、最高裁判所平成9年10月17日第二小法廷判決(民集51巻9号3925頁)は、「法3条の規定に照らせば、同法においては認知の遡及効は認められていないと解すべきであるから、出生後に認知されたというだけでは、子の出生の時に父との間に法律上の親子関係が存在していたということはできず、認知された子が同法2条1号に当然に該当するということにはならない。」としているから、法2条1号において認知に遡及効が認められないことは明確に否定されている。
[68] 憲法10条は、「日本国民たる要件は、法律でこれを定める。」と規定している。これは、国籍は国家の構成員の資格であり、元来、何人が自国の国籍を有する国民であるかを決定することは、国家の固有の権限に属するものであり、国籍の得喪に関する要件をどのように定めるかは、それぞれの国の歴史的事情、伝統、環境等の要因によって左右されるところが大きいところから、日本国籍の得喪をどのように定めるかを法律に委ねる趣旨であると解される。このようにして定められた国籍の得喪に関する法律要件における区別が、憲法14条1項に違反するかどうかは、その区別が合理的な根拠に基づくものということができるかどうかによって判断すべきものである。なぜなら、憲法14条1項は、法の下の平等を定めているが、絶対的平等を保障したものではなく、合理的理由のない差別を禁止する趣旨のものであって、法的取扱いにおける区別が合理的な根拠に基づくものである限り、何らこの規定に違反するものではないからである(平成14年最高裁判決)。
(1) 母が日本人の場合
[69] 我が国の民法上、母子関係は出生と同時に成立すると解されていることから、母が日本人の非嫡出子の場合、法2条1号によって出生と同時に日本国籍を取得することになる。

(2) 父が日本人で胎児認知を受けた場合
[70] 父が日本人である非嫡出子で、胎児認知(民法783条1項)を受けた場合、出生時において法律上の親子関係が成立していることになるから、法2条1号によって出生と同時に日本国籍を取得することになる。

(3) 父が日本人で生後認知を受けた場合
[71] 民法上、認知の効力は出生時に遡ることとされているが(民法784条)、法2条1号の解釈においては、国籍の浮動性防止の観点から、認知に遡及効はないと解されている(最高裁判所平成9年10月17日第二小法廷判決(民集51巻9号3925頁)、平成14年最高裁判決)。その結果、生後認知を受けた日本人父の子は、出生時点において日本人父と法律上の親子関係が存在していないことから法2条1号は適用されず、法2条1号によって出生時点で日本国籍を取得することはない。
[72] また、法3条1項は、父母の婚姻及びその認知により嫡出子たる身分を取得した子で20歳未満のもの(日本国民であったものを除く。)は、認知をした父又は母が子の出生の時に日本国民であった場合において、その父又は母が現に日本国民であるとき、又はその死亡の時に日本国民であったときは、法務大臣に届け出ることによって、日本の国籍を取得することができることを定めているから、日本人を父とし、生後認知を受けた非嫡出子が後に父母の婚姻によって準正子となった場合には、届出によって日本国籍を取得することになるが、それ以外の場合には、帰化を申請することによってしか日本国籍を取得することができないことになる。
[73] なお、日本国民の子で日本に住所を有する外国人(日本人を父とする生後認知を受けた非嫡出子も含まれる。)は、法8条により、一般の外国人に適用される法5条の帰化要件よりも緩和された要件によって、帰化申請を行うことができる。
(1) 現行国籍法の基本的思想
[74] 現行法における血統主義の意義について、現行法(昭和59年改正法)の法案審議において、立法担当者は、以下のように説明している(昭和59年4月23日衆議院法務委員会。「改正国籍法・戸籍法の解説」法務省民事局内法務研究会編305頁以下)。
[75](天野(等)委員)「国籍法・戸籍法の改正案についてお尋ねいたします。
 最初に国籍法につきまして、これは国民の範囲を定めるという基本的な法律でもございますので、国籍法の基本原則であります血統主義、なぜこの血統主義を今度の国籍法の改正でもおとりになったのか、その点について大臣からの御意見を伺いたいと思います。」
[76](住国務大臣)「一つは、沿革的なものがあると思います。原則としては血統主義に生地主義と二つございますが、まあ大体世界の原則がどういうことで取上げるかということを考えてみますと、前世紀から今世紀にかけましてアメリカ大陸のようにどんどん移住した国あるいはオーストラリアのようなところ、これは大体生地主義ということでございまして、その他の旧大陸と申しますか、そういったところは伝統的に大体血統主義を採用しておる。日本も旧国籍法以来血統主義、しかも父系をとっておった。こういうような従来の血統主義を引き継ぎ、そしてまた最近の国際化の状態あるいは特に国連の婦人差別撤廃条約の批准を目前に控えて、それとの調整、こういうことからして従来のいきさつも考え、血統主義を今度の改正法においても取り入れた。そして父母両系にした。こういうようなことだと思います。」
[77](天野(等)委員)「現行の国籍法(注:昭和59年改正前の国籍法)、それから帝国憲法時代の旧国籍法、いずれも血統主義をとっておりましたし、今回の改正法も血統主義をとっておるということは、今大臣のお話にもありましたように、日本の国民感情といいますか、そういうものが血統主義、日本人の父、今回の改正で母でございますけれども、日本人の子供は日本人だという考え方が一般的な国民感情ではなかろうか、あるいはそういうのが法感情なんではないか、その辺で私も血統主義を基本的にとられたということはわかるのでございます。
 その上で、実は大臣の趣旨説明等にもございますけれども、最近の渉外婚姻の増加ということがこの改正の一つの動機、そういうふうに述べられているように思うのですけれども、この渉外婚姻の増加というのが今度の改正でどういうふうにこの法案の中で考えられているのか。どうも私は、渉外婚姻が増加し、いわゆる血統主義が乱れてくる、これに対してむしろこれを純血にしていこうという考えもあるんじやないかというような感じがいたすのでございますが、その点についてちょっといかがでございましょうか。」
[78](枇杷田政府委員)「血統主義の中には純粋な血統主義、要するに父母両方とも自国民であることを要件にするという考え方も十分にあり得ると思います。ただ、現在はかなり渉外婚姻がふえておりますけれども、かつてはそれほど多くはなかったので、それを父系血統主義ということでやりましても、おおむね純血といいますか父母両方が日本人の子供は日本人という結果になることが多かったわけでございます。しかし、今度父母両系主義をとります場合には、もちろん純血といいますか父母がともに日本国民であるということからは外れる日本国民がかなり出てくることになりますけれども、どちらを選ぶのがいいかということになりますと、過去におきましても若干でも父親だけが日本人というケースもあったわけでございますし、それからまた、国際結婚をいたしました方々にとっての生活実態から考えますと、そういう場合に常に日本国籍を与えないというようなことが現実に妥当するかどうかということを考えますと、子供の福祉の面ということからいたしましても、それから母親の子供に対する感情ということからいたしましてもそれは適当ではないんじやなかろうかというような考え方ができようかと思います。
 そういう意味で、両性平等の立場から考えた場合に、純粋の血統主義ではなくてどちらかの血統を引いている場合には日本国民とするという方が妥当でもあるし、または現在の国民感情としてもその方が受け入れられる要素ではないかというところから、純血血統主義ではなくて片親血統主義でいい、しかも、それがどちらの血統を引くものでもいいということにいたしたわけでございます。」
[79] これらの審議内容からすると、現行法は、父又は母が日本人である子は日本国民であるとする扱いが我が国の国民感情に合致していることを前提に、血統主義の中でも、父母ともに日本人であることを要する純血主義ではなく、両性平等の観点から、父か母のどちらかが日本人であれば足りるとする考え方を基調としているということができ、そのことは、法2条1号において、父又は母が日本人であることを出生時点での日本国籍取得要件としていることからも裏付けることができる。

(2) 法3条1項制定の理由
[80] 法3条1項は、昭和59年の法改正によって新設された規定であるが、立法担当者は、国会審議において、準正子について伝来的国籍取得を認めた理由、また、認知を受けた子すべてに国籍取得を認めることなく、準正子に限った理由について次のように説明している(昭和59年4月3日、同月17日衆議院法務委員会、前掲312頁以下。乙25の1の18頁。乙25の3の2頁。)。
[81](中村(巌)委員)「今度は、違う問題ですけれども、父母のいわゆる準正、それから認知、これによりまして今度は国籍を取得することができるようになるわけでありますけれども、こういう制度を新設されました理由というのはどういうことでございましょう。」
[82](枇杷田政府委員)「先ほど来申し上げておりますように、新法におきましても血統主義をとっているわけでございます。しかしながら、その血統主義をあらわします第2条の第1号で「父又は母が」というふうに書いてございますが、これは法律上の父母ということになるわけでございます。ところが、世間では、往々にいたしまして子供が生まれてから婚姻届を出す、それで認知をするとか、そういうふうなケースが少なくないわけでございまして、実際上は、後になって婚姻をした夫婦の間の子供なんだけれども、出生のときに婚姻届が出ていなかったというようなこともあるわけでございます。実質的には、血統主義という面から申しますと、そういう方にとっても日本国籍を与えるという道があってもいいのではないか。要するに血統主義の補完措置と申しますか、そういうふうなことがしかるべきだろうということで、準正による場合に、本人の日本国籍を取得するという意思表示があればそれで日本国籍を与えるという制度を設けた次第でございます。」
[83](中村(巌)委員)「現行の国籍法ではそういう身分行為によっては国籍を取得しないんだというふうにされておったわけで、そこのところは、現行法ができるときにはやはり考え方が違ったということになるのでしょうか。」
[84](枇杷田政府委員)「現行法でも身分行為によって国籍を取得するという道は設けておりません。今度の法律案でも、身分行為によって日本国籍を直にといいますか、直ちに取得するということではなくて、いわばそういう準正というものがあれば、国籍取得の意思表示が加わることによって国籍を与えようということで、身分行為そのものに国籍取得のいわば契機を与えるというものではないわけでございます。しかし、実質的には、そういう身分行為によって父又は母を日本国民とする子供であるという実質には変わりはないという点に着目をいたしまして、血統主義の面からいっても、そういう条件がある場合に御本人が日本国籍を取得したいというのであれば日本国籍を取得する方が妥当ではないかという観点に立ったものでございます。」
[85](神崎委員)「次に準正についてお尋ねします。
 改正法は、準正によりまして日本国民の嫡出子たる身分を取得した外国人たる子につきまして一定の要件のもとに届け出による国籍取得の制度を新設したわけでございます。これはそれについては大変評価されるわけでございます。
 しかしながら、提案理由説明によりますと、改正法は父母両系血統主義を採用すると明言しているのであります。血統主義という観点からいたしますと、日本国民から認知された子も、準正によって日本国民の嫡出子としての身分を取得した者も同じ親子に異ならないわけであります。それにもかかわらず、認知の場合を改正において除外した理由は一体どういう点にあるのかという点であります。確かに、嫡出子と嫡出でない子との間に、我が国の身分法上、親権、氏、相続の関係で異なった取扱いをしているとか、外国の立法例では、認知によって国籍を取得するという国よりも、準正の場合に限っている国が多い、こういうこともいわれているようでありますので、これらの点も考慮したものとは思われるのでありますけれども、この点に関する法務当局の見解をお伺いしたいと思います。」
[86](枇杷田政府委員)「単純な血統ということになりますと、おっしゃったとおり認知もひとつの血統を示すものでございます。しかしながら、血統主義と申しましても単に血がつながっていさえすればというふうなことではなくて、やはり血統がつながっていることが、一つは日本の国に対する帰属関係が濃いということを明確ならしめる一つの重要な要素としてとらえられていることだろうと思います。そういう面から考えますと、認知というだけでは、これは母親が日本人(外国人の誤りと思われる。)である場合でありますから、生活実態といたしますと嫡出子の場合とはかなり違うのではないか、民法におきましても嫡出子と非嫡出子とではいろいろな扱いが違います。その扱いの違う根拠は、認知した者とその子との間には生活の一体化がまずないであろうということが一つの前提となっていると思います。そういうことからいたしますと、なるほど片親の血はつながっておったにしても、当然に日本の国と結びつきが強いという意味で国籍が取得されるというふうにすることが適当ではないだろう。これが準正になりますと、そこでは両親の間に婚姻関係があるわけで、生活の一体化というものが出てまいりますから、そういう場合は意思表示によって日本の国籍を取得させてもいいだろうけれども、認知だけではそうはいかないのではないか、そういう考えから現在のような案にしておるわけでございます。」
[87] 以上の審議内容からすると、法3条1項の基本的思想は、国籍法が基調とする血統主義を前提としつつ、出生時に日本人父と法律上の親子関係を有していなかったことから(日本人母の場合は出生と同時に法律上の親子関係が成立するため、常に法2条1号が適用される結果、法3条1項が適用される余地はない。)、法2条1号によっては日本国籍を付与されなかった日本人の実子について、届出によって補完的に日本国籍を認めようとしたものであるが、ただ、血統主義の観点だけからみれば同じ日本人の実子であっても、父親から認知を受けたにすぎない子の場合は父親と生活上の一体性を欠くことが通常であり、親子関係が希薄であることから、我が国との結びつきも強いとはいえないという理由で国籍付与の対象から除外したものであると理解することができる。そこで、準正子と非嫡出子についてそのような区別をすることの合理性について検討する。
(1) はじめに
[88] 法3条1項は,出生後に認知を受けた非嫡出子であって、父母の婚姻によって嫡出子としての身分を取得した準正子についてのみ、届出によって日本国籍を取得させることを定めた規定であるから、同じく出生後に認知を受けた非嫡出子であっても、父母が婚姻に至らない者との間で、日本国籍を取得させるかどうかについて区別を生じさせる規定であるといえる。
[89] そして、このような区別が憲法14条1項に違反するかどうかは、その区別が合理的な根拠に基づくものであるかどうかによって判断すべきものである(平成14年最高裁判決)。
[90] なお、原告は、出生後に認知を受けた非嫡出子は、法2条1号によって国籍取得が認められている非嫡出子、すなわち、日本国民を母とする非嫡出子や、胎児認知を受けた非嫡出子との間でも区別が生じているところ、この区別も合理性がない区別であって憲法14条1項に違反するという趣旨の主張をしている。しかしながら、法2条1号は、国籍の浮動性防止の観点から、その出生時点において日本国民との間に法律上の親子関係が生じている者について日本国籍を与えることを定めた規定であるところ、この規定自体に合理性が認められることは平成14年最高裁判決が判示しているところである。そうすると、出生時において日本国民との間に法律上の親子関係が生じている者と、出生後に、認知によって日本国民との間に法律上の親子関係が生じた者とでは、類型的な違いがあるものといわざるを得ないのであるから、その間に国籍取得の可否について違いが生じたとしても、それを合理性のない区別であると断ずることはできないものといわざるを得ない。したがって、この点に関する原告の主張は失当というべきである。

(2) 区別の合理性の検討
[91] 被告は、準正子と準正子ではない非嫡出子との間に生じた区別の合理性を裏付ける事情として、[1]前者は、日本国民である父と共同生活を送っている者が多いと想定され、したがって我が国との結びつきが強いといえるのに対し、後者については、必ずしもそのような関係があるとはいえないこと、[2]準正子ではない非嫡出子にも国籍取得を認めた場合には、国籍取得のための仮装認知が横行するおそれがあること、[3]嫡出子と非嫡出子とで区別した取扱いをすることは民法等においても認められており、そのような区別は、我が国の伝統、社会事情、国民意識等を反映した結果なのであるから、合理的な根拠を有することを主張するほか、[4]準正子ではない非嫡出子には法3条1項に基づく国籍取得が認められないとしても、帰化制度を利用することによって国籍取得が可能であるから、不当な結論がもたらされるわけではないという趣旨の主張をする。
[92]ア) しかしながら、[2]の点についていうと、そもそも準正子ではない非嫡出子に国籍取得を認めたからといって仮装認知が横行するおそれがあるというような社会的事実が認められるかどうかについては疑問が存するものというべきである。のみならず、被告が[1]において主張している、法3条1項が定める国籍の伝来的取得の場面においては、認知によって日本国民との法律上の親子関係が成立することから直ちに国籍取得が認められるわけではなく、当該非嫡出子と我が国との間に一定の結びつきがあることが要求されているところ、このような要件を要求すること自体には合理的な理由があり、したがって、準正子ではない非嫡出子に国籍取得を認める場合であっても、我が国との間に一定の結びつきがあることをその要件とすることは十分に考えられることをも考慮すると(この点については、後に改めて検討する。)、実質のない仮装認知が直ちに国籍取得という結果をもたらすともいえないのであるから、この点からしても、被告の主張には理由がないものといわざるを得ない。
[93] また、[3]の点についてみると、たしかに民法は、790条、819条、900条等において、子の氏、親権者、相続分等について嫡出子と非嫡出子とで異なる取扱いをする旨の定めを置いているが、他方、扶養義務の存否等(877条)等については、両者の区別を設けていない。そうすると、民法においても、嫡出子と非嫡出子とは、あらゆる局面において区別した取扱いがされているわけではないし、また、この両者を、あらゆる局面において区別した取扱いをするのが我が国の国民感情や社会通念に合致するなどということも到底できないところであるから、結局、それぞれの局面に応じて、嫡出子と非嫡出子とで区別した取扱いをすることに合理的な理由が存するのかどうかを検討していくほかはないものというべきである。そして、被告が指摘する民法790条、819条、900条等の局面と、国籍取得の局面とでは、事情が異なることは明らかなのであるから、民法の上記各規定上、嫡出子と非嫡出子とで異なる取扱いがされているからといって、国籍取得についても同様の結論になるべきであるということはできず、その合理性は独自の観点から検討するほかはないものというべきであり、被告の主張を採用することはできない。
[94] 更に、[4]の点についていうと、法3条1項に基づく国籍の伝来的取得の場合と、帰化とでは、その要件が異なるのみならず、法3条1項の場合には、その要件が満たされれば当然に国籍取得が認められるのに対し、帰化が認められるかどうかは、その要件が満たされているとしても、最終的には法務大臣の裁量判断に委ねられている点において決定的な違いがあり、これを法3条1項の規定の代替手段として位置付けることは到底困難であるといわざるを得ない。
[95] そうすると、被告の主張のうち、[2]ないし[4]の点は、区別の合理性を基礎付ける事由にはなり得ないものというべきであるから、結局、問題は、[1]の点によって区別の合理性を基礎付けることができるかどうかという点に帰着することとなる。
[96]イ) 被告の[1]の主張の当否について検討する。
[97] 前述のとおり、法2条1号は、出生時において、日本国民との間に法律上の親子関係が成立している子については、当然に国籍を与える旨を定めた規定であるが、これは、血統主義の観点から、出生時において日本国民との間に法律上の親子関係が成立している子については、その身分関係自体によって、我が国との間に、日本国民としての資格を与えるのにふさわしい結びつきが存在するものとして国籍取得を認めたものであると解することができる。これに対し、法3条による国籍の伝来的取得制度の対象となる子の場合には、その出生時においては我が国の国籍取得が認められなかったため、そのほとんどの者が外国籍を取得し、その結果、外国との間に一定の結びつきが生じていることも当然に考えられるのであるから、この点において、出生時に日本国民の子であった者とは事情を異にするものといわざるを得ない。したがって、法の基本思想である血統主義の観点を考慮しても、出生後に日本国民との間に法律上の親子関係が生じたというだけで当然に日本国籍を取得させなければならない理由はないものと考えられる。
[98] そこで、国籍の伝来的取得については、日本国民との間に法律上の親子関係が生じたことに加え、我が国との間に一定の結びつきが存することを要求したのが法3条1項の規定であり、更に、その子自身の意思を尊重するために、国籍取得の届出がされることを要求したのが同条2項の規定であると解することができるところ(この点は、本訴において被告が主張し、また、立法者が説明していたところでもある。)、上記の点に照らしてみれば、このように国籍の伝来的取得のために、我が国との間に一定の結びつきが存することを要求することそれ自体には、合理的な理由があるものというべきである。そして、法3条1項は、子の出生後に父母が婚姻をした場合には、父母とその子との間に共同生活が成立するのが通常であるところ、日本国民との間に共同生活が成立しているという点に着眼すれば、我が国との間に国籍取得を認めるに足りる結びつきが生じているものと認めるのに足りるという観点から、準正子に国籍取得を認める旨を規定したものであるが(前述の立法者による趣旨説明参照。)、我が国との間に国籍取得を認めるに足りる結びつきが存するかどうかは、何らかの指標に基づいて定めざるを得ないところであるし、その指標として、日本国民である親と、その認知を受けた子を含む家族関係が成立し、共同生活が成立している点を捉えることそれ自体にも一応の合理性を認めることができるものというべきである。
[99] しかしながら、このような家族関係や共同生活は、父母の間に法律上の婚姻関係が成立した場合にのみ営まれるものではなく、いわゆる内縁関係として、父母が事実上の婚姻関係を成立させ、認知した非嫡出子とともに家族としての共同生活を営む事例が少なくないことは公知の事実であるといえるところ(立法担当者も、このような関係があり得ることは十分に認識していることは、その説明内容に照らしてみても明らかである。)、日本国民の認知を受けた非嫡出子が、我が国との間で国籍取得を認めるに足りる結びつきを有しているかどうかという観点から考えた場合には、その父母が法律上の婚姻関係を成立させているかどうかによって、その取扱いを異にするだけの合理的な理由があるものと認めることは困難であるといわざるを得ない。すなわち、父母が法律上の婚姻関係を成立させている場合とそうではない場合とで、家族としての共同生活の実態が類型的に異なると認めるに足りる事情が存するものとはいい難いし、価値観が多様化している今日の社会においては、父母が法律上の婚姻関係を成立させている家族こそが正常な家族であって、そうではない内縁関係は、家族としての正常な共同生活を営んでいるとの評価には値しないといわなければ我が国の社会通念や国民感情等に反するなどということも困難であるといわざるを得ない。そうすると、日本国民を親の一人とする家族の一員となっている非嫡出子として、我が国との結びつきの点においては異ならない状況にあるにもかかわらず、その父母の間に法律上の婚姻関係が成立している場合には国籍取得が認められるのに、法律上の婚姻関係が成立していない場合にはそれが認められないというのは、我が国との結びつきに着眼するという国籍法3条1項本来の趣旨から逸脱し、また、それ自体としても合理的な区別の根拠とはなり得ない事情によって、国籍取得の有無についての区別を生じさせるものであって、そこには何らの合理性も認めることができないものというべきである。なお、以上のような非嫡出子と我が国との結びつきという観点から考える限り、父母の間に成立した内縁関係が、いわゆる重婚的内縁関係であるかどうかという点は、家族としての共同生活の存否やその内容に直接関係する事柄ではない以上、重要な要素とはいい難いものであるし、父母間の内縁関係成立の経緯という非嫡出子本人には帰責事由のない事情によって国籍取得の可否に違いが生じることに合理的な理由があるともいい難いことからすると、父母の間に内縁関係の成立が認められる非嫡出子のうち、父母の内縁関係が重婚的内縁関係である者について、以上と結論を異にすべき理由があるとはいえないものというべきである。
[100] 以上の次第で、法3条1項は、準正子と、父母が法律上の婚姻関係を成立させてはいないが、内縁関係(重婚的なものも含む。)にある非嫡出子との間で、国籍取得の可否について合理的な理由のない区別を生じさせている点において憲法14条1項に違反するものというべきである(なお、準正子ではない非嫡出子の中には、その父母の間に事実上の婚姻関係が成立しているとまではいえないけれども、日本国民である親との間に一定の交流が認められる者や、日本に居住しているがゆえに我が国との結びつきが認められる者等、様々な者が存在することが考えられ、これらの者との間で憲法14条1項違反の問題が生じないのかという点も、さらに問題にならないではない。しかしながら、法3条1項は、父母と非嫡出子との間に家族としての共同生活が成立しているという点に着目して我が国との結びつきを肯定した規定であり、そのこと自体には一応の合理性が認められることは前示のとおりである以上、このような家族としての共同生活の成立が認められない非嫡出子との間には類型的な差異が生じているものといわざるを得ないのであるから、これらの非嫡出子との間に生じている区別を不合理なものであって憲法14条1項に違反すると断ずるだけの根拠はないものといわざるを得ない。伝来的国籍取得を認める要件については様々な考え方があり得るところであり、父母の間に法律上又は事実上の婚姻関係が成立していない場合であっても、一定の要件の下に国籍取得を認めることは考えられないではないけれども、これは立法論の問題であって憲法論の問題とはいえないものといわざるを得ない。)。

(3) 憲法違反とその効果
[101] 以上のとおり、法3条1項は、父母が法律上の婚姻関係を成立させた子と、内縁関係にとどまる子との間に不合理な区別を生じさせている点において憲法14条1項に違反するということになると、そのことによって法3条1項の規定やその解釈にどのような影響が生じるかが次の問題となるが、この点については、次のように考えるべきである。
[102] すなわち、法3条1項は、「父母の婚姻及びその認知により嫡出子たる身分を取得した子」について、一定の要件の下に国籍取得を認めているのであるが、このうち、「父母の婚姻」という文言については、今日においては、内縁関係も、法律上の婚姻関係と同様あるいはこれに準ずる関係として捉えられ、様々な場面において法律上の婚姻関係と同様あるいはこれに準ずる保護を与えられていることを考慮すると、合憲的解釈という観点から、法律上の婚姻関係に限定されず、内縁関係も含む趣旨であると解することは不可能ではないと解される。これに対し、「嫡出子」という文言は、あくまでも父母の間に法律上の婚姻関係が成立していることを当然の前提とした文言であると解せざるを得ないから、法3条1項は、子が「嫡出子」としての身分を取得した場合にのみ国籍取得を認める旨の定めをしている点において一部無効であると解するほかはない(別の言い方をすると、「嫡出子」という文言のうち、「嫡出」の部分は一部無効となるということである。)。
[103] そうすると、一部無効とされた後の法3条1項の規定は、父母の婚姻(内縁関係を含む)及びその認知により嫡出子又は非嫡出子たる身分を取得した子について、一定の要件の下に国籍取得を認めた規定と理解すべきこととなるから、このような要件に該当する子については、国籍取得が認められるべきこととなる。
[104] 以上の観点から本件事案について検討するに、証拠(甲10、21、22、23、26、27、取下げ前の原告A本人)によれば、以下の事実が認められる。
[105] すなわち、原告は、出生後現在まで我が国に継続して居住し、父親であるBと完全な同居生活を送っているわけではないものの、出生以後、BがAに対して交付する生活費によってAとともにBの子として扶養されていること、週末等定期的にBがA宅に宿泊し、A、原告と共に外出するなど家族としての交流を密にしていること、Bは原告の通う幼稚園等の行事にも原告の父親として積極的に参加し、対外的にも原告の父親としての役割を果たしていること、また、本件届出後の事情ではあるが、Aは、再びBとの間の子を懐胎し、Bから胎児認知を受けていること(平成17年6月19日出産予定)が認められる。
[106] 以上の事実によると、原告とその母であるAは、日本国民であり、認知によって原告の法律上の父となったBによって生計を維持しており、また、週末等においては、夫婦及び家族としての交流もしているということができるから,原告、A、Bの間には、完全な同居生活の成立こそ認められないものの、BとAとの間には内縁関係の成立が認められ、三者の間には家族としての共同生活と評価するに値する関係が成立しているものというべきである。したがって、4(2)、(3)において検討したところによれば、原告は、国籍取得の届出によって国籍を取得したものというべきであり、原告の主張はその限度で理由があるものというべきである。
[107] なお、原告は、出生のとき、又は認知のときに日本国籍を取得した旨の主張もしているけれども、前者の主張は、認知の遡及効を否定した最高裁第二小法廷平成9年10月17日判決(民集51巻9号3925頁)、平成14年最高裁判決の判断を無視した見解であり、また、後者の主張は、子本人の意思を尊重するために、国籍取得の届出を要求するという法3条2項の趣旨を無視した見解であって、いずれも採用することはできないものというべきである。したがって、原告は、国籍取得の届出をした平成15年2月4日に国籍を取得したものというべきである。
[108] よって、本件届出によって日本国籍を取得したことの確認を求める原告の請求は理由があるからこれを認容することとし、訴訟費用の負担について、行政事件訴訟法7条、民事訴訟法61条を適用して、主文のとおり判決する。

東京地方裁判所民事第3部
  裁判長裁判官 鶴岡稔彦  裁判官 新谷祐子  裁判官 今井理
住所省略
原告 X
原告法定代理人親権者母 A
 原告訴訟代理人弁護士 山口元一
          同 児玉晃一
          同 関聡介
          同 秦雅子
          同 近藤博徳

東京都千代田区霞が関1丁目1−1
被告 国
代表者法務大臣 南野知恵子
被告指定代理人 春名郁子
      同 泉本良二
      同 堀内章子
      同 小島敬二
      同 杉谷達哉
      同 佐藤みち代
(出生による国籍の取得)
第2条 子は、次の場合には、日本国民とする。
 一 出生の時に父又は母が日本国民であるとき。
(二・三 省略)

(準正による国籍の取得)
第3条 父母の婚姻及びその認知により嫡出子たる身分を取得した子で20歳未満のもの(日本国民であつた者を除く。)は、認知をした父又は母が子の出生の時に日本国民であつた場合において、その父又は母が現に日本国民であるとき、又はその死亡の時に日本国民であつたときは、法務大臣に届け出ることによつて、日本の国籍を取得することができる。
 2 前項の規定による届出をした者は、その届出の時に日本の国籍を取得する。

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