卒業研究テーマ
ディリクレ問題
正方形の鉄板がある。上の縁は沸騰した水に接し、常に100度に保たれている。
下と左右の縁は氷に接し、常に0度に保たれている。
十分時間がたつと、鉄板の各箇所での温度は変化しなくなる(熱平衡)。
熱平衡の状態になった鉄板の各点 (x,y) の温度 T(x,y) を求めたい。
T(x,y)は調和関数になり、厳密解は偏微分方程式を解いて求める。
与えられた境界値をとるような調和関数を求める問題をディリクレ問題という。
コンピュータを用いた数値計算(連立方程式、ランダムウォークなど)によって、
ディリクレ問題を解く(鉄板の温度分布を求める)ことができる。
等角写像
2つの平面領域が1対1の正則関数(等角写像)で写りあえるとき、
この2つの領域は等角同値であるという。
「全ての平面領域(または、リーマン面)を等角同値なものに分類する」というのが
複素解析学の大きな目標の1つである。
矩形の全体に注目しよう。
2つの矩形は片方の矩形の頂点をもう1方の矩形の頂点に写すような等角写像で写りあえるとき
同じ類にいれることにする。このとき、相似な矩形どうしが同じ類に属すことがわかる。
したがって、この場合矩形の2辺の比を目安(指標)に分類すればよいことが分かる。
曲線で囲まれた領域や穴が1つ空いた2重連結領域はどういう風に分類され、
どういう指標を考えればよいだろうか。
ここでは、調和関数についての境界値問題(Dirichlet問題)を
コンピュータを用いた数値計算によって解き、これらの問題の答に迫る。
Web講義 極値的長さ 参照。
複素力学系
Web講義 複素力学系 参照。