前回は、ウェブページ上に画像を表示させる方法を紹介しました。
<img src="画像ファイル名"> <img src="mycat.jpg">
img
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ウェブページでは文字以外の多くのものを画像で表現する必要があります。
写真はもちろん、タイトルロゴやスイッチ・ボタン、マーク類など、文字で表現できないさまざまなものを画像で表現する必要があります。
上記のようなものを自分で作るには、画像を編集して作らないといけないわけです。
そこで今回は、ホームページ作成に役立つ画像の編集方法を解説します。
画像編集用のアプリを使って簡単な画像を作成し、提出してもらいます。実際に作業しながら、操作方法を確認してみましょう。
全部で2つの課題に取り組んでみましょう。
画像の編集作業を行うには、専用のアプリケーションが必要です。
ここでは「paint.net」を使用します。paint.netは、市販ソフト並みの高度な機能を備えた、無料のグラフィック編集アプリです。
自分用のパソコンで使いたい場合は、無料でダウンロード・インストールができます。
paint.net公式サイト
https://www.getpaint.net/
ダウンロードサイト(Vector)
https://www.vector.co.jp/soft/review/winnt/art/se493364.html
ここからもダウンロードできます。paint.net.5.1.7.install.anycpu.web.zip
paint.net を初めて利用する場合は、インストールを行って初回セットアップをする必要があります。
以下の手順でインストールを行ってください。
paint.net.5.1.7.install.anycpu.web.exe
のようなファイルをダブルクリックすると、インストールが始まります。画面の指示に従って進んでください。
インストールが完了したら ZIPファイルや paint.net.5.1.7.install.anycpu.web.exe
は不要になります。
今回の内容はWindowsでの動作が基本となっています。macを利用されている場合は、paint.net が動作しないため残念ながらここで解説している操作方法を試すことができません。学校のパソコンを使うなどしてください。
もしどうしてもmacを使いたい場合は、別のアプリを使って同様の作業を行う事もできます。こちらの記事を参考に作業を行ってください。
今回紹介した Paint.net 以外の画像編集アプリでも、およそ似たような操作で画像の編集作業が行なえますので、今回の知識を役立ててもらえれば幸いです。
インストールができたら、paint.netを起動しましょう。
ボタンを押し、Windows
paint
と入力すると paint.net アプリが見つかるのでクリックして起動します。
paint.netを起動すると、次のような画面になります。
大きな「メインウィンドウ」と小さないくつかの「サブウィンドウ」で構成されます。 各部分の名称は以下のとおりです。
もしこれらのサブウィンドウを「×」ボタンで閉じてしまったら、「ウィンドウ」メニュー →「レイヤー」のように「ウィンドウ」メニューから選択するか、ウインドウ右上にあるボタンを押すことで再度表示できます。
今回の演習で使う素材画像をダウンロードしてください。以下のリンクからダウンロードできます。
素材画像の詰め合わせ: jyokyu04_pictures.zip
圧縮フォルダになっていますので、好きな場所に保存し、展開してください1)。
中には3つの画像ファイル jupiter.jpg
road.jpg
space.jpg
が入っています。
画像編集の例として、複数の画像をひとつに混ぜた合成画像を作成します。ページに掲載するための写真を加工したい場合などに応用できます。
上でダウンロードした素材画像の詰め合わせには、以下のような合成用の画像が用意されていますので、これらを一つに合成しましょう。
なおもし操作を間違えたら「元に戻す(Ctrl
+Z
)」を押すと、直前の動作を取り消せます。失敗しても安心です。
road.jpg
Delete
キーで選択部分を消去します。Delete
キーで更に消去します。Delete
キーを押すと、その部分を消去できます。Ctrl
+A
)」の後、「編集」→「コピー(Ctrl
+C
)」でコピーします。Delete
キーによる削除などで「透明」になった部分は、下のレイヤーの画像を透過します。Ctrl
+I
)」で選択範囲を反転し、木星部分が選択された状態にします。Ctrl
+C
)」で木星をコピーし、ウィンドウ右上の縮小画像クリックで、先ほどのroad.jpgに切り替えをしたら、「編集」→「新規レイヤーに貼り付け」で新規レイヤーに木星画像を貼り付けます。Ctrl
+D
)で選択範囲を解除したあと、「レイヤー」→「回転/ズーム」で木星を傾けたり、ドラッグして位置を調節したりして完成です。学生番号 氏名 合成写真.pdn
としてください。(例) 123345 山田太郎 合成写真.pdn
もしこの画像をウェブ上で使用したい場合は、改めて JPG、PNG、GIF 形式のいずれかで保存し直す必要があります。
具体的には、もう一度「名前をつけて保存」を選択し、「ファイルの種類」をPNGなどに変更しましょう。ウェブページに掲載する画像は JPG PNG GIF 形式のどれかでないと、ブラウザで正常に表示できない場合があるからです。
では、paint.net専用形式のファイルが不要かと言うと、そうでもありません。
paint.net専用形式のファイルは、別途大切に保管しておきましょう。
画像を後で編集し直したくなった場合に、もし JPG PNG GIF 形式で保存してあると、レイヤーの状態などが保存されないため再編集が難しくなります。
paint.net専用形式のファイルが残っていれば、レイヤーの状態なども正しく保存されるので、再編集しやすいです。
このように、後から加工する場合に備えて、paint.net専用形式のファイルも残しておくのがおすすめです。その後、ウェブページ掲載用に JPG、PNG、GIF 形式のいずれかでもう一度保存し直す(そしてCtrl
+Z
で元の編集状態に戻す)といった流れが良いでしょう。
ウェブページに掲載する画像は、基本的に原寸大で表示されます。
もし写真が大きすぎる場合などは、縮小を行ってサイズを調整しましょう(逆に小さすぎる場合は拡大もできます)。
以下の操作で画像のサイズを拡大や縮小して調整しましょう。
Ctrl
+R
)」
「幅」や「高さ」欄に値を入力することで、画像のサイズを調整できます。
「%指定」を選んで「50」などと入力すれば、半分の大きさにするといった設定もできます。
ページに掲載する画像サイズは、大きなものでも横幅600ピクセル程度を目安にすると良いでしょう。2)
小さめの画像なら300ピクセル程度でも十分です。 意外と小さめですね! ページに掲載する画像の大きさ感覚として参考にしてください。
たとえば最近のスマホで撮影した写真であれば、横幅は3,000~4,000ピクセルもあるので、そのままでは画面から大きくはみ出してしまいます。縮小が必要でしょう。
このようにpaint.netでは選択範囲をうまく設定してコピーや削除をしたり、レイヤーを使ったりすることで簡単に合成写真を作ることができます。また、「透明」を駆使することで、ページの背景ときれいに重なる画像を作ることもできます。写真掲載をするときや、ロゴを合成してタイトル画像を作る時などに活用してください。
HTMLの表現能力は限られています。そのため、ウェブページでは例えばサイト内を移動するためのボタンや、小さなマークなどを表現するためにも、画像が使う必要があります。
そこで今度はpaint.netを使って、下のようなボタンに見える画像を制作しましょう。
Ctrl
+R
)」で同様の設定を行えば縮小・拡大できます。Enter
キーを押して完了させます。Shift
キーを押していると、ドラッグする角度をある程度固定できます。垂直・水平方向などに正確にグラデーションを作成するのが簡単になります。Enter
キーを押して完了します。Enter
キーを押して完了させます。Enter
キーで完了です。
もし前の工程で選択範囲が残っている場合は、「編集」→「選択を解除(Ctrl
+D
)」で選択状態をキャンセルしてください。選択範囲が残っていると、その範囲内にしか書き込みが行えない仕様のため、文字が入力できない場合があるからです。(逆にこの仕様を応用すると、選択範囲からはみ出さないように色を塗ったり線を引いたりするといったことが可能になります)
学生番号 氏名 ボタン.pdn
としてください。
今回作成した2つの画像ファイル 学生番号 氏名 合成写真.pdn
と 学生番号 氏名 ボタン.pdn
の両方をmoodleにアップロードして提出してください。ファイルのデータ形式は paint.net の専用形式でかまいません。
提出期限は、次週の授業日いっぱいまでとします。
学習支援システム moodle
https://cclms.kyoto-su.ac.jp/
moodleへの課題提出方法が分からない場合は、こちらを参照してください。
moodleに課題をアップロードする方法
今回は、画像編集アプリpaint.netを使って、画像の合成や、新規作成を行いました。他の画像編集アプリ(Adobe Photoshop等)でも、おおむね同じ作業工程で画像編集ができますので、参考にしてください。
さらにpaint.netを使った画像編集について知りたい場合は、基礎実習(上級)ページの「補足資料」コーナーにある「paint.netによるさまざまな画像編集」を参考にしてください。
以上で今回の作業は終了です。おつかれさまでした。
htdocs
フォルダ内の index.html
に、今回作ったファイルを掲載しても良いかもしれません。
ただし日本語ファイル名のままでは掲載できないので、半角英数字の名前に変更する必要があります。
ここでは gousei.pdn
と button.pdn
に変更したものとします。
これらはダウンロードリンクとなるでしょう。(もし画像として掲載したい場合は、paint.net の「ファイル」メニュー → 「名前をつけて保存」でウェブに対応した PNG または JPG 形式で保存し直し、そちらを掲載する必要があります)
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>基礎実習の課題ページ</title>
</head>
<body bgcolor="wheat" text="brown">
<!-- 本文ここから -->
<h1>コンピュータ基礎実習(上級)課題のページ</h1>
<p>ここにはコンピュータ基礎実習で作成した課題を掲載しておきます。</p>
<h2>課題</h2>
<p><a href="jikosyokai.html" target="_blank">自己紹介ページはこちら</a></p>
<p><a href="page2.html" target="_blank">2ページ目</a></p>
<p><a href="gousei.pdn" target="_blank">合成写真</a><br>
<a href="button.pdn" target="_blank">ボタン画像</a></p>
<h2>リンク集</h2>
<p><a href="https://www.cc.kyoto-su.ac.jp/~shimizu/" target="_blank">基礎実習のページ</a> <a href="https://cclms.kyoto-su.ac.jp/" target="_blank">moodle</a></p>
<p><a href="https://www.kyoto-su.ac.jp/entrance/index-ksu.html" target="_blank">学内TOP</a></p>
<!-- 本文ここまで -->
</body>
</html>
index.html
に今回作ったファイルを掲載してみた例