本文へスキップ

研究内容our Study

当研究室の研究の特色は、いずれも当研究室で発見され、クローニングされた新規遺伝子(蛋白質)について研究を
進めている点であり、世界的にも独創性の高さを評価されている研究であると自負している。

研究概要

分子細胞生物学研究室では、「タンパク質の一生」を大きな研究の枠として設定し、タンパク質の誕生から死までのメカニズムを中心に、中でも、特に「分子シャペロンによるフォールディングと細胞機能制御」および「タンパク質品質管理機構」に焦点をあてて研究を進めている。今年度も引き続き、この研究目標に沿った研究を推進した。従来の研究目標に加えて、本研究室でクローニングし、命名した新規遺伝子mysterinについても、新たな研究(テーマ4)がスタートした。

タンパク質は正しく合成され、正しい構造をとって初めて本来の機能を発揮するが、それには種々の分子シャペロンが重要な働きをしている。またいったん正しい機能を獲得したタンパク質も、細胞に不断にかかる種々のストレスによって変性したり、遺伝的変異によってどうしても正しい構造をとれないタンパク質も存在する。
このようないわゆる[不良タンパク質]は、単に機能を持たないだけでなく、細胞毒性によって細胞死を誘導し、アルツハイマー病やパーキンソン病のような種々の神経変性疾患の原因ともなっている。従って、タンパク質を正しく合成するproductive foldingと、ミスフォールドしたタンパク質を適正に処理するための品質管理機構をともどもに研究することは、タンパク質動態の恒常性、細胞レベルでの生命システムの恒常性の維持という観点からは、必須の研究領域である。

本研究分野では具体的に次の諸点について研究を展開している。


1)コラーゲン特異的分子シャペロンHsp47の機能解析

コラーゲン合成においてコラーゲン特異的分子シャペロンHsp47は必須の役割を果たしている。
ノックアウトマウスなどを駆使して、本研究室で発見したHsp47の機能解析を行う。


2)小胞体におけるタンパク質品質管理機構と小胞体恒常性維持機構の解明

小胞体でミスフォールドしたタンパク質はサイトゾルへ逆輸送されてからユビキチンプロテアソーム系によって分解される(ERAD)。この過程で重要な役割を果たすEDEMおよびERdj5という分子を発見した。
これらの機能解析を行い、小胞体関連分解機構の全貌を明らかにする。


3)タンパク質品質管理における小胞体レドックスネットワークの意義

小胞体におけるジスルフィド結合の形成、解離は、タンパク質品質管理においてきわめて重要な反応である。
小胞体における酸化還元に関わる分子群の網羅的解析とともに、サイトゾルから小胞体内腔へのシグナル伝達を介したそれぞれの恒常性のクロストークについて解析する。


4)Moyamoya病原因遺伝子mysterinの機能

Moyamoya病は特に日本人に多い、脳血管障害を伴う病気であるが、その原因遺伝子の探索を共同研究として行い、巨大な遺伝子mysterinをクローニングした。
この遺伝子のコードするタンパク質mysterinの機能を 明らかにする。


永田研究室

〒603-8555
京都市北区上賀茂本山

TEL 075-705-3134
詳細なアクセス方法はこちら