ゼミ生が語る「私の好きな京都」(2020年)
京阪電車について
前田 航輝
(2017年度入学 鈴木ゼミ一期生)

私が大学に通う際に利用しているのが京阪電車である。授業がある日は大阪の京橋駅と終点の出町柳駅を行き来していた。大学4年の間乗り続けてきたそんな京阪電車はどのような歴史があり、どのような特徴があるのか気になった。

 まずは京阪電車の歴史から記したいと思う。まず現在の京阪電車を運行している会社の名前が京阪ホールディングスという名前なのだが、その前身は京阪電気鉄道(株)である。京阪電気鉄道は日本最初の銀行である第一国立銀行を設立し、「日本資本主義の父」と呼ばれた渋沢栄一翁を創立委員長として1906(明治39)年11月19日に産声をあげた。千年の王城「京都」と商都「大阪」を、京街道沿いに町や村をつないで鉄道を敷設するというプロジェクトは、事業自体が有望であったのに加え、地域社会の発展にも寄与するという高邁な思想に基づくものであった。
 渋沢栄一翁の経営哲学は、ただひたすら私利私益のみに走るのではなく、公利公益も考え、他人の幸せのためにも力を尽くすのが本分だと唱えた「道徳経済合一説」に集約され、そしてこの精神こそ、現代において脚光を浴びているCSRそのものだと言える。1910年(明治43年) 大阪・天満橋駅―京都・五条駅間開通。天満橋という大阪の中心地から京都の五条までを結ぶことで当時の人々の生活に利便性をもたらしたのではないだろうか。その後、1910年(大正2年)宇治線の開通。その2年後、五条駅から三条駅開通した。京阪電車本線の始発と終発の駅である、淀屋橋駅と出町柳駅間が完全に開通されたのは1989年(平成元年)のことであった。約30年が経ち多くの人々を乗せて運行してきた。きっとこれからも多くの人々の生活を支えるであろう。

 京阪電車を調べてみて私が気になった特徴を記したいと思う。まずは安全性についてだ。1967年に関西民鉄で初めてATS(自動列車停止装置)を導入しました。さらに現在、より一層の安全性向上のため、京阪線において多情報連続式ATSへの全面更新に取り組んでいます(2015年度から一部区間で使用を開始し、順次対象区間を拡大)。また、運転士や車掌がお客さまの乗降を確認し、安全に閉扉を行うための監視用テレビ装置の高輝度化やハイビジョン化を進めているほか、ホームからの転落やホームと車両の間への落下に関する対策として、ホーム足下灯のLED点滅式への更新や新設、ホーム転落検知装置や非常通報ボタンの設置など、安全最優先の原則に則り、安全設備の充実を図っています。このほか、駅の信号機、ポイント、行先表示器、案内放送などを自動的に制御する「自律分散式列車運行管理システム(ADEC)」により、安全で円滑な運行管理を維持しています。さらに、地震への対策として、駅や高架橋などの耐震補強も進めています。とある。我々が安心安全に利用できているのはこのようなシステムがあるからだ。

 次はバリアフリー設備についてだ。京阪電車ホームページでは、京阪電車では、お客さまに駅を快適にご利用いただけますよう、エレベーターやエスカレーターなどのバリアフリー設備を始めとした、駅構内設備の整備を進めています。京阪電車では、車イスとベビーカーご利用のお客さまの安全性と快適性向上を目的として、一部の車両の大阪方に車イス・ベビーカースペースを設けています。とある。障害のある方々にも気持ちよく利用頂ける様な設備の整備をすすめていることに対しても素晴らしいと感じた。
 次に無料Wi-Fiについてだ。実際私も京阪電車に乗った際利用させて頂いているのだが京阪電車は車両によるが無料でWi-Fiが使えるサービスがある。ホームページには京阪電車8000系・3000系の車内で無料Wi-Fiサービス「KEIHAN FREE Wi-Fi」をご利用いただけます。ご乗車中も手持ちのスマートフォン、タブレット、パソコン等(Wi-Fi対応機器)で通信がご利用いただけます。とある。これは利用する乗客の利便性の向上を見込む為だと考えられる。実際私も無料Wi-Fiを便利だと感じている。
 最後に自動外貨両替機についてだ。自動外貨両替機は外貨(紙幣)を日本円に両替するサービスです。機器操作はタッチパネル式で対応言語は4言語、取扱通貨は12種類をご用意しています。自動外貨両替機は今日の多くの海外旅行客にむけてのサービスで、日本屈指の観光地である京都という土地をしっかりと意識し、理解していることからだと思った。

 京阪電車を4年間利用して、感じていたことは乗客が多くて到着するまでに少し時間がかかるなということくらいしかなかった。しかし、今回歴史や特徴を調べてみたところ、長い歴史を持ち、乗客の利便性を考えたサービスを展開していることからより好感を持った。これからも利用していきたい。

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