『葬送のフリーレン』のドイツ語
京都産業大学外国語学部では、英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・イタリア語・ロシア語・中国語・韓国語・インドネシア語を専門的に学ぶことができます。
『葬送のフリーレン』に出てくる人名や地名のほとんどはドイツ語が使われている。ドイツ語は「かっこいい」というイメージがあって多くのアニメで用いられている。しかし、プリキュアの名前は英語やフランス語などが使われているのに対して、ドイツ語は使われておらず、「重厚」なイメージが合わないと考えられていると想像される。それに対して、『葬送のフリーレン』のファンタジーの世界観にはドイツ語は相応しいと考えられたのであろう。ところが、主人公のフリーレンと準主人公のフェルンの名前の音は、プリキュア名によくあるパターンに合致している。プリキュア名の「キュア」に続く語は、両唇音で始まるものが多く、ラ行音が多いが(「プリキュア名は何語?」)、「フリーレン」と「フェルン」も両唇音で始まり、ラ行音を含んでいる。この二人の名前は可愛らしさや透明感が感じられる音になっていると考えることができる。
以下は、『葬送のフリーレン』および短編小説『奏送』に出てくる外国語の語源を推定し、コメントをつけたものである。
- 範囲は1巻〜15巻、短編小説『奏送』、短編小説集『前奏2』。
- 『奏送』および『前奏2』で出てきた語には、それぞれ「《奏送》」「《前奏2》」を付す。
- 『小説 葬送のフリーレン 〜前奏〜』に新たに出てきた人名・地名はドイツ語などとの比定はほとんどできず、基本的に造語と考えてこの記事では取り上げない(「ヴァンス」「リュード高地」「ルイザ」「クルーテ湿原」「ヴィル」「グロース」。「グロース」はgroß(大きい)を思わせるが。意図したものではないだろう)。
- 語源はほとんどドイツ語だが、フランス語もある(「オレオール」「ソリテール」「ルフオムレツ」)。
- 魔法の名前にはしばしば外国語のようなカタカナのルビがつくが、外国語との比定はできず、造語と思われるので対象外である(「ゾルトラーク」「ソルガニール」「レイルザイデン」「バルテーリエ」「アゼリューゼ」「ディーアゴルゼ」他)。「フィアラトール」も魔法の名前と考えられるが、やはり外国語との比定ができず、造語であると考えられるので、対象外である。
- 本作に特有でない用語も対象外である(「エルフ」「ドワーフ」「ゴーレム」「クラーケン」「ミミック」)
アイスベルク[帝都]Eisberg(氷山)。英語icebergと同語源。
アイゼンEisen(鉄)。英語のiron(鉄)と同語源。「アイゼン」は登山靴の底に着用する鉄製の滑り止めの意味で日本語にも借用されている。
※身体の頑丈さからのネーミングだろう。
アインザーム【幻影鬼】einsam(孤独な)。
※類義の名前に「ソリテール」があるが、こちらはフランス語。
アウラAura(オーラ)。日本語の「オーラ」のもとになった英語のaura(オーラ)と同語源。
※Aula(講堂)も同じカタカナ表記になるが、語源はAura(オーラ)だろう。「服従させる魔法(アゼリューゼ)」によって相手を服従させることから、「オーラ」を連想したか。
アオフガーベ連峰Aufgabe(任務・使命)。
※極秘任務を負った人物が登場することからのネーミングだろう。
アペティート地方Appetit(食欲)。英語のappetite(食欲)。
※シュタルクが誕生日で大きなハンバーグを食べたことから連想した名称か。
アルト森林alt(年取った・古い)。英語のold(古い・年取った)と同語源。
アルメー伯Armee(軍隊)。英語のarmy(軍隊)と同語源。
※長年にわたって魔族と戦って領地を守ってきた一族であることからのネーミングか。
アンデラー式結界理論anderer(別の・他の)。英語のother(別の・他の)と同語源。
イーリスIris(アイリス)。英語のiris(アイリス)。ドイツ語のIrisは女性名にもなる。
ヴァール(城塞都市)Wahl(選択)。
ヴァールハイトWahrheit(真実)。
ヴァイゼ(城塞都市)→ヴァイゼ地方
ヴァイゼ地方weise(賢い)。英語のwise(賢い)と同語源。
※賢いデンケンの出身地だからか。同音同綴のWeise(やり方)は意図していないだろう。
ヴァルム(交易都市)warm(あたたかい)。英語のwarm(あたたかい)と同語源。
ヴァルロスWalross(セイウチ)。英語のwalrus(セイウチ)と同語源。
※口の周りにたくさん生えているヒゲからセイウチを連想したか。水中を20分程度も泳げることも、セイウチの名前に相応しい。
ヴィアベルWirbel(渦)。英語のwhirl(回転)と同語源。
ヴィッセン山脈wissen(知っている)。
ヴィルトwild(野生の)。英語のwild(野生の)と同語源。
ヴィレ地方Wille(意志)。英語のwill(意志)と同語源。
ウーフ《前奏2》Uhu(ワシミミズク)。
※ミミズクは羽角と呼ばれる羽毛が耳のように見える。ウーフが一級魔法使いたちの話を聞きたがるところから、聞き耳を立てているようにも見えるミミズクを連想したか。
ヴェークWeg(道)。英語のway(道)と同語源。
ヴォルフWolf(狼)。英語のwolf(狼)と同語源。
エーヴィヒewig(永遠の)。
※死者の蘇生や不死の魔法を研究していたとされることからのネーミングか。
エーデルedel(高貴な)。
エーラ流星【半世紀流星】Ära(時代)。英語のera(時代)。
※50年に一度降るという時代区分となるような流星だからだろう。
エーレEhre(名誉)。
※魔法学校を主席で卒業したことからのネーミングか。
エトヴァス山etwas(何か)。
エルンスト地方ernst(まじめな)。英語のearnest(まじめな)と同語源
エング街道eng(狭い)。
※「狭い街道」という趣旨か。
エンデEnde(終わり・端)。英語のend(終わり・端)と同語源。
※北の果てにあることからのネーミングだろう。
オイサーストäußerst(極限の)。地図ではäのウムラウトが省略されてAußerstと表記されている。
※北側諸国最大の魔法都市であることを表すネーミングだろう。
オッフェン群峰offen(開いている)。英語のopen(開いている)と同語源。
オルデン卿Orden(勲章)。
※名誉ある家系を思わせるネーミングか。
オレオール【魂の眠る地】フランス語のauréole(光背・暈)。ドイツ語ならAureole「アオレオーレ」となるところ。
ガーベルGabel(フォーク)。
ガイゼル【屍誘鳥】Geisel(人質)。
カステン[辺境]Kasten(箱)。
※辺境に左遷されて長年門番の仕事をしているという話から、箱に閉じ込められているさまを連想したか。
ガゼレGazelle(ガゼル)。英語のgazelle(ガゼル)。発音は「ガツェレ」の方が正確。
カノーネKanone(大砲)。英語のcannon(大砲)と同語源。
カペッレ地方《奏送》Kapelle(礼拝堂・楽団)。
※『奏送』は音楽をテーマとしているので、「楽団」の意味を意図していると考えられる。
カンネKanne(水差し)。英語のcan(缶・入れ物)と同語源。
※魔法で水を操るところからのネーミングか。
カンム一族Kamm(くし)。英語のcomb(くし)と同語源。
キーゼルKiesel(小石)。
キーノ峠Kino(映画館)。「シネマ」と語源的に関係あり。
キュール地方kühl(涼しい)。英語のcool(涼しい)と同語源。
クヴァールQual(苦痛)。
クラー地方klar(澄んだ)。英語のclear(透明な)と同語源。
クライスKreis(円)。
グラウgrau(灰色の)。英語のgray(灰色の)と同語源。
グラウベン《前奏2》glauben(信じる)。
グラオザームgrausam(残酷な)。英語のgruesome(ぞっとする)に対応。
グラナト伯爵Granat(ガーネット)。英語のgarmet(ガーネット)。
※ドイツ語で伯爵を意味するのGrafと似た語を選んだか?
クラフトKraft(力)。英語のcraft(技能・工芸)と同語源。
※強そうだからか。
グランツ海峡Glanz(輝き)。地図ではGranzと表記されているが、この綴りの語はドイツ語には見当たらない。語頭のgl-は光をイメージさせる音である。例えば、英語のglare・gleam・glimmer・glisten・glitter・glowなど。
グリュックGlück(幸運)。
※皮肉によるネーミングか。
グレーセ森林Größe(大きさ)。英語のgreat(大きい・偉大な)と同語源のgroß(大きい)の名詞形。
クレ地方Klee(クローバー)。しかし、この語のカタカナ表記は「クレー」。あえて短音化したか(「ティタン」参照)。ドイツ語以外なら、「クレ」というカタカナ表記になる言葉としてはフランス語のclé/clef(鍵)がある。
クレマティスKlematis(クレマチス)。英語のclematis(クレマチス)。
グローブ盆地grob(粗い)。地図ではGrobeとなっている。発音は「グロープ」の方が正確。
ゲーエンgehen(行く)。英語のgo(行く)と同語源。
※トーア大渓谷を行き来するための橋を作ったドワーフの名前だからだろう。
ゲナウgenau(正確な)。
※厳格な試験官ということか。
コリドーア湖Korridor(廊下)。英語のcorridor(廊下)。
※北側に行くのに渡る通路になっている湖だからだろう。
ザインSein(存在)。あるいは、sein(彼の・それの)か。
ザオム湿原Saum(裾・縁)。
ザンフト大森林sanft(穏やかだ・柔らかい)。英語のsoft(柔らかい)と同語源。
シャルフscharf(鋭い)。英語のsharp(鋭い)と同語源。
※花弁を鋼鉄に変える魔法を使うところからのネーミングか。
シュヴェア山脈schwer(重い・難しい)。
※険しくて超えるのが困難な山脈ということだろう。
シュタルクstark(強い)。英語のstark(荒涼とした・厳しい)と同語源。
※臆病だが強くあろうとしていることからのネーミングだろう。
シュティレ【隕鉄鳥】Stille(静寂)。英語のstill(静止した)と同語源のstill(静かな・静止した)の名詞形。
シュトラール(聖都)Strahl(光)。→シュトラール金貨
シュトラール金貨/銀貨Strahl(光)。→シュトラール(聖都)
シュトルツStolz(誇り)。
※シュタルクの兄で、「シュ+タ行音+ル+ウ段音」というパターンで音形を揃えてある。
シュピーゲル【水鏡の悪魔】Spiegel(鏡)。
※複製体を作り出すことを鏡に喩えている。
シュベア山脈→シュヴェア山脈
シュマール雪原schmal(幅の狭い)。英語のsmall(小さい)と同語源。
シュラハトSchlacht(戦い)。
シュリットSchritt(歩み、足音)。
シュレークschräg(斜めの)。
シュロス《前奏2》Schloss(城・錠)。
※シュロスが檻に囚われていたことから「錠」を連想して名付けたのかと思いきや、実はブルグと関係があることが分かる。両方とも「城」と訳せることからの名付けだろう。Burgは主に中世の軍事的な城塞を指すのに対して、Schlossは近世以降の宮殿のような城館を指す。守りに特化した魔法使いの名前は、同じ「城」でも、シュロスではなく、ブルグでなければならない。
ChatGPTによるBurgとSchlossの違いを説明する図
ゼーリエSerie(連続・シリーズ)。日本語の「シリーズ」のもとになった英語のseries(連続・シリーズ)に対応。
※《ゼーリエ→フランメ→フリーレン》という師弟の連続から連想したネーミングか。
ゼンゼSense(鎌)。
※髪を鎌のように使うということか。
ソリテールフランス語のsolitaire(孤独な)。英語のsolitary(孤独な)。
※ドイツ語のeinsam(孤独な)を既に使っていためにフランス語を用いたか。
ターク地方Tag(日)。英語のday(日)と同語源。
※地図ではTurkと表記されているが、これは英語で「トルコ人」を意味する語。
タオTau(露)。英語のdew(露)と同語源。
※マハトに一瞬で殺されたので、はかなさを象徴する「露」と命名したか。
ダッハ伯爵領Dach(屋根)。英語のthatch(藁葺き屋根)と同語源。
※大きな街で屋根がたくさんあるからか。
ツァルトzart(やわらかい・きゃしゃな)。
ティタン城塞跡Titan(ギリシア神話の巨神族・巨人)か。「ティターン」の方が原音に近いが、あえて 短音化したか(「クレ」参照)。英語のTitan(ギリシア神話の巨神族・巨人)。『進撃の巨人』の英語題名Attack on TitanのTitan。
※巨人のように大きな城砦だったということか。
デッケ地方Decke(覆い・毛布・テーブルクロス)。英語のdeck(デッキ)と同語源。
※一面の雪に覆われている地方ということか。
テューア交易都市Tür(ドア)。英語のdoor (ドア)と同語源。「トーア大渓谷」のTorも同語源。
デンケンdenken(考える)。英語のthink(考える)と同語源。
※賢者をイメージさせるためのネーミングか。
ドゥンストDunst(霞)。英語のdust(ほこり)と同語源。
トーア大渓谷Tor(門)。英語のdoor (ドア)と同語源。「テューア交易都市」のTürも同語源。
※北へ抜けていくために渡らなければならない渓谷たからだろう。
トートTod(死)。英語のdeath(死)と同語源。
トーンTon(音)。英語のtone(音色)に関係する。
ドラートDraht(針金)。英語のthread(糸)と同語源。
※「魔力の糸」を使うからか。
ドラッヘ地方Drache(竜)。英語のdragon(竜)と同語源。
※竜のいる地方だからだろう。
ナーゲルNagel(釘)。英語のnail(釘)と同語源。
※鍛冶屋なので釘か。
ナーハリヒト地方Nachricht(知らせ)。
ノイneu(新しい)。英語のnew(新しい)と同語源。
ノイトラール港neutral(中立の)。英語のneutral(中立の)。
ノイモント《前奏2》Neumond(新月)。neu(新しい)は、英語のnew(新しい)と同語源。Mond(月)は、英語のmoon(月)と同語源。英語でも「新月」はnew moonと言う。
※名前は「新月」という意味だが、半月の夜に登場する。彼女が習慣としている天体観測に最適な新月から名付けたか。
ノルム卿Norm(規範)。英語のnorm(規範)。
※借金の返済を厳格に求めるところことからか。
ハイス(城塞都市)heiß(熱い・暑い)。英語のhot(熱い・暑い)と同語源。
ハイターheiter(朗らかな)。
※性格にもづくネーミングだろう。
バザルトBasalt(玄武岩)。英語のbasalt(玄武岩)。
パルランテ[レストラン]《奏送》音楽用語のparlante(話すように)。もともとイタリア語で「ものを言う」という意味の形容詞。
※『奏送』は音楽をテーマとしているので、音楽用語を用いた。
バンデ森林Bande(犯罪者などの一味)。英語のband(バンド・一団)と同語源。
ビーア地方Bier(ビール)。英語のbeer(ビール)と同語源。
※昔から醸造が盛んで、町には酒場が多いためだろう。
ヒンメルHimmel(空・天国)。
※亡くなって天国にいる人ということか。
ファーベル村Fabel(寓話・作り話)。英語のfable(寓話・作り話)と同語源。
ファスFass(樽)。英語のvat(大桶)と同語源
※皇帝酒からの連想か。
ファルシュfalsch(間違った)。英語のfalse(間違った)と同語源。
※フリーレンが魔力を制限していることに気が付かなかったからか。『前奏2』では、ウーフの名前をハンナと間違えている。
ファルべ地方Farbe(色)。
フェアード《前奏2》おそらくPferd(馬)だろう。
※盤上遊戯が好きなので、駒から馬を連想したか。Pferdの標準的なカタカナ表記は「プフェーアト」。「フェアード」は、ドイツの工具ブランドPferdの日本での表記。日本語での発音のしやすさやかっこよさを考慮したと考えられる。海外ブランドが日本語でのカタカナ表記を決める際には、発音の正確さやカタカナ表記の規則・慣用よりも、商業的な理由から発音のしやすさや印象を重視することがよくある。
フェルンfern(遠い)。英語のfar(遠く)と同根。
※一人前になるために遠くにある岩を撃ち抜く長距離魔法の修行をした。戦いにおいて魔力探知範囲外からの超長距離射撃を行う。遠くから攻撃できることからのネーミングか。前文も参照
フォーリヒ(要塞都市)vorig(この前の)。
フォル盆地voll(いっぱいの)。英語のfull(いっぱいの)と同語源
フォル爺voll(いっぱいの)。英語のfull(いっぱいの)と同語源
フラーゼPhrase(決まり文句・慣用句)英語のphrase(慣用句)。日本語の「フレーズ」。
ブライBlei(鉛)。
フランメFlamme(炎)。英語のflame(炎)と同語源。
※フリーレンと語頭の《フ+ラ行音》を揃えることにより、師弟関係を示唆しているか。フランメのラ行音がア段であるのに対して、フリーレンのラ行音がイ段なので、フランメが大きいイメージ、フリーレンが小さいイメージとなり、この二人の師弟を表すのに相応しい。「凍る」に対して「炎」と温度が逆の対比的な意味になっている。
フリーレンfrieren(凍る)。英語のfreeze(凍る)と同語源。
※前文を参照
フリューfrüh(早い)。
ブルグBurg(城)。発音は「ブルク」の方が正確。英語のborough(自治都市・自治町村)と同語源。
※守りに特化した魔法使いであることを「城」に喩えたネーミングか。同じく「城」と訳せるSchlossとの違いは「シュロス」を参照されたい。
フレーテ《奏送》Flöte(フルート)。
※「フリーレン」や「フェルン」と同様に、両唇音で始まりラ行音を含む(前文参照)。楽器名の中でイメージが合うものを選んだ結果であろう。
フレッサー【獅子猪】Fresser(大食い)。
ブレット地方Brett(板)。英語のboard(板)と同根。
ベーゼböse(悪い)。
へーレン地方hören(聞こえる)。英語hear(聞こえる)と同語源。
ヘルトHeld(英雄)。
※第147話「英雄のいない地」でこの名前が出てくる。平和を齎す英雄になろうとする者ということか。
ボースハフト【皇帝酒】boshaft(意地の悪い)。
※意地悪な話だからか。
ボーネBohne(豆)。英語bean(豆)と同語源。
マハトMacht(力)。英語のmight(力)と同語源。
ミーヌスMinus(マイナス)。英語のminus(マイナス)。日本語の「マイナス」。
ミリアルデMilliarde(十億)。
ムートMut(勇気)。英語のmood(気分)と同語源。
メークリヒ[楽器]《奏送》möglich(可能な)。
※習得が極めて困難な楽器で、二つ名は「不可能」。「メークリヒ」の意味は二つ名とは逆になっている。演奏は不可能だと言われているが、実は可能だと言うことか。
メトーデMethode(方法)。英語のmethod(方法)。
メルクーアプリン「メルクーア」はMerkur(メルクリウス・水星)。メルクリウスはローマ神話の商業・旅・盗人の神。英語のMercury(メルクリウス・水星)。
ユーベルÜbel(悪)。英語のevil(悪)と同語源。
※悪そうなイメージからか。
ラーガーLager(宿営地・収容所・陣営・倉庫)。
ラーゼンRasen(芝、芝生)。
ラート地方Rad(車輪)あるいはRat(助言)。地図ではRat(助言)。
ライヒ金貨reich(金持ちの)。英語のrich(金持ちの)と同語源。同音のReich(王国)も意図しているか。
ラヴィーネLawine(雪崩)。
※魔法で水を凍らせるところからのネーミングか。
ラオフェンlaufen(走る)。英語のleap(跳ぶ)と同語源。
※高速で移動する魔法を使うからだろう。
ラオブ丘陵Laub(木の葉)あるいはRaub(略奪)。地図ではLaub(木の葉)。いずれも発音は「ラオプ」の方が正確。Laub(木の葉)は英語のleaf(葉)と同語源。Raub(略奪)は英語のrob(奪い取る)と同根。
ラダールRadar(レーダー)。英語radar(レーダー)の借用語。
※峠の通行者を監視する任務を負っていることからのネーミングだろう。
ラントLand(土地・国・陸・田舎)。英語のland(土地・国・陸・田舎)と同語源。
※一級魔法の試験を分身に受けさせて自分は故郷にいたことからか。
リーゲル峡谷Riegel(かんぬき)。
リーニエLinie(線)。
リヴァーレRivale(ライバル)。英語のrival(ライバル)。
リネアールLineal(定規)。
リヒターRichter(裁判官)。
リュグナーLügner(嘘つき)。英語のlie(嘘をつく)と同語源のlügen(嘘をつく)の行為者名詞。
※言葉を欺くためだけに用いているからだろう。
ルーフェン地方rufen(呼ぶ・叫ぶ)。
ルティーネRoutine(日常業務)。英語のroutine(日常業務)。日本語の「ルーチン」。
※図書館司書の日常業務をこなしているということか。
ルフオムレツ「ルフ」はフランス語のl'œuf(卵)か。ドイツ語で卵はEi「アイ」。フランス語で卵はœuf「ウフ」。さらに定冠詞を付ければl'œuf「ルフ」。
レヴォルテRevolte(反乱)。英語のrevolt(反乱)。
レーヴェLöwe(ライオン)。英語lion(ライオン)と同語源。
レーラーLehrer(先生)。
※レーヴェの師だからだろう。
レクテューレLektüre(読み物・読書)。
レッカーlecker(おいしい)。英語のlick(なめる)と同語源のlecken(なめる)の派生語。
※美味しい料理を作るからだろう。
レルネンlernen(学ぶ)。英語のlearn(学ぶ)と同語源。
※旧友のデンケンの名前が「考える」を意味することから、「学ぶ」を連想して「レルネン」と名付けたか。発音上も「デンケン」とあたかも対になっているように感じられる。
レンゲLänge(長さ)。英語のlong(長い)と同語源のlang(長い)の名詞形。
ローア街道Rohr(管・葦)。
ロッフェル《前奏2》Löffel(スプーン)。
※料理人だからだろう。なお、標準的なカタカナ表記は「レッフェル」。「ロッフェル」というカタカナ表記は、「ロッフェル弦楽合奏団」の名称で使われている。
ロレRolle(役、役割)。英語のrole(役、役割)。
ロルベーア領Lorbeer(月桂樹)。Lor-は英語laurel(月桂樹)と、-beerは英語berry(べりー)と関係する。この語構成から分かる通り、元々は月桂樹の実を指す語だったが、植物の方を指すようになった。
※連載第147話では「ロベルーア領」となっていたが、単行本では修正された。
地図はファンタジー作品の世界観を伝える常套手段である。トールキンが『指輪物語』につけた「中つ国」の地図がこの手法を確立したと思われる(トールキンは偉大だ!)。『葬送のフリーレン』においても、アニメ初回冒頭に地図が出てくる。この地図は以下のサイトで確認できる。そこでは地名がアルファベットで記載されているが、これは作者の命名意図に必ずしも忠実ではなさそうなので、ひとつの解釈とみなすのが適切だろう。
- アニメ『葬送のフリーレン』公式サイト「旅の軌跡を辿る地図」
経路や番号で残念ながら見えない部分がある。
- Frieren: Beyond Journey's End Wiki, World Map
ピンが密集していて多くの地名が隠されているが、Filtersでピンを消すことができるので、地名の綴りを確認できる。
©平塚徹(京都産業大学 外国語学部)
京都産業大学外国語学部では、英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・イタリア語・ロシア語・中国語・韓国語・インドネシア語を専門的に学ぶことができます。