集合と論理2001


*「集合と論理2000年度」( ここ)を参考にしてください。
そこから99年度の集合と論理にも入れます。

99年度には演習問題(1ー6)があり、その解答が2000年度にあります。

過去の小テスト、期末試験の問題および解答もおいてあります。
ほかの例題もあります。


なぜ集合と論理が必要なの?

論理は人がものごとを正確に考えるときの筋道です。それを整理して
互いに論理について話ができるようにしたものが、論理学です。
論理は数学や計算機科学、法律、日常生活、など、どんな場面でも
使っていますが、とくに記号などをきちんときめた記号論理学が必要なのは
プログラミングおよびプログラム自体を研究する計算機科学あるいは プログラミングの科学です。
プログラムの書き方は論理にしたがっているものであり、プログラミング言語
にはたいてい論理演算が組み込まれています。
しかし論理学をもっと本質的に使う場面として、まず仕様記述があります。l
どんな仕事をするプログラムを作成してほしいか、ということを厳密に書くには
文章の論理的な構造を正確に表さなくてはなりません。そのために記号論理学
が必要です。形式的仕様記述言語Zというのが開発されていて、実用化されています。
私の研究室での卒業研究でもZの応用をすることがあります。専門科目の
「抽象化の技法」でもZをとりあげます。さらに書いたプログラムが目的にあって
いるか、というプログラム自体を科学するためにも論理は必要です。
また、皆さんは驚くかもしれませんが、数学の証明を論理を使ってきちんと書いて おくと、
その証明から自動的にプログラムを引き出すことができます。
「うーん、プログラムを書くより数学の証明のほうが難しいや」というかも しれませんね。
でもときには証明は1ページくらいで済むけれど、自分でプログラムを書こうと すると膨大になるかもしれません。
そんなときには証明を書いておくほうが安全なのです。
このようなことを専門科目の「論理とプログラム」と「抽象化の技法」で 説明します。
とりあえずここでは一番基礎になる「命題論理」を学びます。
では集合はなぜ必要なの?集合といってもいろいろあって、ここでは集合の
演算と記法に重点をおきます。集合の演算はなにをするにも基本ですが、実は
論理と密接か関係があります。また仕様記述には集合の記法が一番基本なのです。
と、いうわけで、将来への投資だと思って、「集合と論理」を学んでください。

命題論理の真理値の計算については95年度の卒業研究と97年度の
卒業研究でLISPという言語を使ったプログラムがあります。
和積標準形

真理値表とワンのアルゴリズム


*レポートのグループ提出について: 昨年度からこのクラスではレポートのグループ学習を取り入れました。
2ー5人くらいグループでレポートの解答を提出する、という形式です。 (グループで一つの解答でよい)
この方法によると、互いに議論し知識を補い合うことによって理解が深まり、 勉強の能率もあがるようです。
レポートの成績はグループのメンバーはみんな同じです。もちろん 試験は各人別々の解答です。
グループ学習は、他人に依存するためのものでなく、互いに切磋琢磨して 自己を高める手段なのです。
4月9日:注意事項配布;命題論理とは;命題論理の必要性;文章の記号化
(「情報系の数学入門」3章の3・1[1],p.97途中まで)

質問があれば、紙に書いて来週もってきてください。


4月16日:例題用紙および質問用紙配布(不足分は来週)
3章[1]おさらい。文の記号化の例題。[2]論理式の真理値、概観。
例:「寝るか食べるかすれば元気になる」XorY==>Z
例:「雨が止んだらハイキングに行くし、雨が止まなければ映画に行くか 読書をする」
(X==>Y) and (notX==>YorZ)

4月23日:[2]論理式の真理値の定義;真理値に関してなりたる等式(命題3.1)

連絡事項:(1) 5月7日は10号館10302へ集合のこと。最初に配布した 注意事項(その裏が必要)を持参のこと
(2)5月7日に「質問用紙」に一人一問質問を書いて提出のこと。
質問は命題論理に関して習ったことで分からないこと、一通りわかったけれど、
自分独自の疑問、などを具体的に書いてください。 氏名、学籍番号を忘れないで。
(3)5月7日に第一回レポート問題用紙を配布します。このページの最初にある
*レポートのグループ提出について、にしたがって、解答の上提出してください。
グループで1枚提出すればよいので、残りの用紙に必ず自分たちの解答を
記録しておいてください。


5月7日:「命題論理の例題」説明
ウェッブページ「集合と論理2000」の演習問題1−3各自演習
質問用紙回収;第一回レポート課題配布
期限厳守のこと。各グループで解答を控えておくこと。
演習問題2001-1 次の論理式の真理値を計算せよ。
まず v(X)=T, v(Y)=F, v(Z)=T として、 次にv(X)=F,v(Y)=T, v(Z)=T として。
(1) (X or Y)==>notZ
(2) (X==>notY) and Z
(3) Z and X or notY
(4) notnotX and Y
(5) X or Y and Z

解答は後日書きます。


5月14日:質問への解答。質問の内容は1真理値に関するもの(一番多い)、
2論理式に関するもの、3一般的なもの、4不適切なもの、に分類できます。
4は試験や成績に関するものが多く、今回の質問の範囲ではありません。
1について: ==> を例にとって、真理値表の作成。(v(A==>B)=Tの条件を 「v(A)=Fまたはv(B)=T」と書き換える)
期限厳守のこと。各グループで解答を控えておくこと。
来週課題を提出ですよ!
5月21日:命題3・1の各等式の説明。いくつかの例で等式の証明。
証明は真理値の定義によるものと、真理値表によるものとある。適宜使い分けるとよい。
[5] 結合子の相互関係 これにより命題結合子は二つでも十分なことがわかる。
[3], [4], [6], [7] は簡単に触れただけ。興味のある人は読んでください。
演習問題として、真理値に関するいくつかの等式を自分で示してみること。

レポート解答提出。


レポートの結果および評価方法について:皆さんほとんどできていました。
基本的な事柄については安心してよさそうですね。正解は後でウェッブにおきます。
今回は一つの箱を5点、全体で40点。大体35点以上でした。

成績評価について: 学期全体の評価は二回のレポート、二回の小テスト、期末試験で、期末試験の
比率を全体の4割にします。

警告:熱心に授業を聞いている人から、私語による騒音を注意してほしい、
という要請がありました。授業中の騒音は他人の権利を侵害するものである
ことは最初の講義で注意し、配布物にも書いてあるはずです。皆さんはもう
こどもではありません。自主的に注意してください。もう一度苦情が出る
ほど騒がしくなったら、騒音元になった人には退席してもらいます。

5月28日:「例」と「反例」という用語の使い方の説明。
[4]について」n=1の場合を示した。命題3.3の等式は重要。真理値表によって 等式を確認しておくこと。
3.2節に入る。論理式が恒真である、矛盾である、充足可能である、という 概念の定義。
例の(1)と(2)について示した。(3)は演習問題。

第一回小テスト:日時 6月11日(月)11:40ー12:00(講義時間中)
範囲:3.1節の[1],[2],[5]
レポートの課題程度です。(範囲は昨年度の第一回小テストよりは前ですから 今回は参考になりません。)
勉強の要領は、レポートの問題が一人でも解けるようにしておくことと、
命題論理の 等式のいくつかを実際に示してみること。

6月4日:論理式(A=>B)and(B=>A)をかんたんのためにA<=>Bと書くことがある。
命題3.6の説明および証明。v(A)=v(B)がつねになりたつとき
(したがってA<=>Bが恒真のとき)、AとBが同値である、という。
和積標準形の定義、使い方(恒真性の判定)。

6月11日:3・2[3] 和積標準形のおさらい、恒真性の判定方法、
恒真でないときに式の真理値をFにする方法、およびその証明。
第1回小テスト終了。

6月18日:3.2[4] 標準化の手続き(命題3.8と応用)
試験答案返却: 大体きできていました。基本的なことはわかっているようで、 安心しました。

6月25日:パズル(プリント)の和積標準形による解法
1章1・1集合[1]から[5]まで。集合の記法、演算、命題論理との関係
[6]の無限集合は省略。

第2回レポート課題配布。今回も各グループ一枚提出のこと。


7月2日:p.11[7] 直積集合の定義、データ型、表としての直積の例。
[8]要素の個数(集合の直積、和、部分集合の集合などの個数の計算、無限集合の 要素の個数)
写像 p.12-19 定義(定義域、地域、全域的、部分的、記法)、単射、全射、 逆写像、写像の合成
例題をよく読むこと。写像を「関数」で置き換えて、 関数で学んだことについて、定義と記法を整理したもの、と考えると わかりやすい。
第2回レポート回収


第2回小テスト:7月9日11:50−12:10
和積標準形(和積標準形への変形、恒真性の判定、真理値)
テキスト、自筆ノートなど参照してよい。

第2回レポート解答例は ここ


期末試験用勉強のための一口アドヴァイス
1 集合の演算の等式  
2 関数の全域的、単射、全射、逆写像、グラフ(例で)
3 関係 同値、整礎、推移、など(例で)
4 文章を論理式で表す、和積標準形、恒真性の判定

期末試験のための質問時間および場所
7月9日 13:30ー14:30第一研究室棟829 (八杉研究室)
7月10日 14:00ー14:50 計算機科学研究所棟 C2情報処理教室
講義終了後教室でもいいです。
第二回小テストの解答は ここ


7月17日(火曜日)午後2:30ー16:00くらいは研究室にいます。 質問があればきてください。
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Last modified: Tue Jul 17 09:24:58 JST 2001