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LaTeX2e とは

LaTeX2e (ラテフ・ツー・イー)とは世界中で使われている組版(くみはん)ソフトです。 数式の表現力に優れているため、数学や物理業界ではレポートや論文の作成に使われています。 非常に多機能なシステムなのでこの講義ではごく初歩的な部分しか紹介できません。 入門には次のような書籍がよいでしょう。

LaTeX2e は TeX の上に組み立てられています。 TeX の聖典はこれ。

TeX 文書作成の手順

1. ソースファイルの作成

エディタでソースファイルを作成します。 ファイル名の拡張子は .tex とします。(例: report.tex)

2. DVI ファイルへの変換

ソースファイルを platex コマンドで DVI (device independent) ファイルに変換します。

% platex report.tex
これにより report.dvi ファイルが生成されます。
3. DVI ファイルの確認

DVI ファイルを xdvi などのプレビューアで確認します。

% xdvi report.dvi
4. PDF ファイルへの変換

DVI ファイルを dvipdfmx コマンドで PDF ファイルに変換します。

% dvipdfmx report.dvi
これにより report.pdf ファイルが生成されます。
5. PDF ファイルの確認

PDF ファイルを確認します。 Ubuntu では evincexpdf といったコマンドで PDF ファイルをみることができます。

% evince report.pdf
% xpdf report.pdf

基本

\documentclass[a4j]{jarticle}
\title{はじめての \TeX}
\author{京産太郎}
\date{\today}
\begin{document}

\maketitle

\section{はじめに}

\LaTeXe (ラテフ・ツー・イーと読む) は世界中で広く使われて
いる組版ソフトです(e と ( の間には半角の空白を入れます)。
数式の表現力に優れているため、数学や物理業界ではレポートや
論文の作成に利用されています。

\end{document}

やってみよう

上の例を test01.tex というファイルに作成し、platex で処理してみましょう。

% platex test01.tex

DVI ファイルができたら xdvi でプレビューしてみましょう。

% xdvi test01.dvi

dvipdfmx で DVI ファイルを PDF ファイルに変換しましょう。

% dvipdfmx test01.dvi

evince で PDF ファイルを見てみましょう。

% evince test01.pdf

数式

\documentclass[a4j,11pt,fleqn]{jarticle}
\begin{document}

\section{Riemann のゼータ関数}

\[
  \zeta(z) = \sum_{n=1}^{\infty} \frac{1}{n^z} \ \ \ \ \ %
  [\Re z > 1]
\]
を解析接続して得られる関数 $\zeta(z)$ を Riemann のゼータ関数という。

Riemann のツェータ関数 $\zeta(z)$ は、$z = 1$ で留数が $+1$ である
1位の極をもち、他の $z$ においては正則である。
また,$-2$, $-4$, $-6$, $\cdots$ を1位の零点とし、その他の零点は
すべて $0 < \Re z < 1$ 内にある。

\subsection{関数等式}

次の等式が成り立つ。

\begin{equation}
  \zeta(1-z) =
  2^{1-z} \pi^{-z} \cos\left(\frac{\pi z}{2}\right) \Gamma(z) \zeta(z)
\end{equation}

\end{document}

やってみよう

上の例を test02.tex というファイルに作成し、platex で処理してみましょう。

% platex test02.tex

DVI ファイルができたら xdvi でプレビューしてみましょう。

% xdvi test02.dvi

dvipdfmx で DVI ファイルを PDF ファイルに変換しましょう。

% dvipdfmx test02.dvi

evince で PDF ファイルを見てみましょう。

% evince test02.pdf

図の取り込み

\documentclass[a4j,11pt]{jarticle}
\usepackage{graphics}
\begin{document}

GNUPLOT を用いて作成した $y=x \cos x$ のグラフです。
\begin{figure}[htbp]
  \centering
% \resizebox{横}{縦}{\includegraphics{画像ファイル名}}
  \resizebox{.8\textwidth}{!}{%
    \includegraphics{xcosx.eps}}
  \caption{$y = x \cos x$ のグラフ}
\end{figure}

\end{document}

やってみよう

Gnuplot で「y = x * cos(x)」のグラフを作成し、xcosx.eps というファイルに保存しましょう。

% gnuplot
gnuplot> plot x*cos(x)
gnuplot> set terminal post eps
gnuplot> set output "xcosx.eps"
gnuplto> replot

上の例を test03.tex というファイルに作成し、platex で処理してみましょう。

% platex test03.tex

DVI ファイルができたら xdvi でプレビューしてみましょう。

% xdvi test03.dvi

dvipdfmx で DVI ファイルを PDF ファイルに変換しましょう。

% dvipdfmx test03.dvi

evince で PDF ファイルを見てみましょう。

% evince test03.pdf

本日の課題

プリントのいろいろな数式記号を試してみましょう。