この文書の URL は http://www.cc.kyoto-su.ac.jp/~mtkg/lecture/comp_A/2012/04.html です。
エクセルとは
- 表計算ソフトの一種
- 実験データの集計、家計簿、売り上げ伝票など、いろいろな用途がある
- 事務はエクセル好き
「表」の例 — 京都の日平均気温
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
2009年 | 5.2 | 6.7 | 8.8 | 14.6 | 19.3 | 23.5 | 26.6 | 27.4 | 23.5 | 18.1 | 12.3 | 7.2 |
2010年 | 4.7 | 6.8 | 8.5 | 12.6 | 18.1 | 23.7 | 27.6 | 30.1 | 25.9 | 19.1 | 11.8 | 7.5 |
2011年 | 2.8 | 6.3 | 6.8 | 12.5 | 19.0 | 24.1 | 27.9 | 28.7 | 24.7 | 18.4 | 13.8 | 6.5 |
エクセルでこのような表を作成しておくと、年平均気温の計算やグラフの作成が簡単にできます。
エクセルの簡単な使い方
エクセルで「京都の日平均気温」の表を作成してみましょう。 エクセルを起動するには
- 共通アプリケーション>Microsoft Excel 2010
をダブルクリックします。 空白のマス目(セル)が並んだシートが表示されます。 ここに上のデータを入力していきます。
データの入力
月の入力
- まずカーソルで B1 セルのマス目をクリックして選択します。
- 「1月」と入力します。「1」は半角にしましょう。
- カーソルを B1 のマス目の右下にあわせてカーソルを「+」型に変化させます。
- カーソルが「+」になった状態で左クリックし、クリックしたままカーソルを M1 のところまで移動させます。
- そこでクリックをやめると12月まで自動的に入力できます。
年の入力
月の入力と同じようにやってみましょう。
気温データの入力
頑張って入力しましょう。
ファイルのセーブ
データが入力できたところでいったんファイルをセーブしておきましょう。
- 「ファイル」タブ>「名前をつけて保存」
を選択し、適当な名前をつけてセーブします。
年平均の計算
2009年平均気温を計算するには
- B2 から M2 までの総和を12で割る
という操作が必要ですが、エクセルには「総和」「平均」といった関数がはじめから用意されています。
- 数式タブを選択します。
- マウスで N2 を選択します。
- メニューの「オートSUM」の▼をクリックし「平均」を選択します。
- N2 のところに「=AVERAGE(B2:M2)」という数式が入力されるので、リターンキーで確定します。
これで B2 から M2 までの平均を求めることができました。 2010年、2011年についても同じようにやってみましょう。 月と年の入力を思い出してください。 数式の入力にもあの技は有効です。 カーソルを「+」にしてドラッグすれば、数式が簡単にコピーできます。 驚いたことに B2:M2 は B3:M3 や B4:M4 に自動的に修正されます。
分散の計算
次にデータの分散を計算しましょう。
分散とは「データのばらつき具合を示す指標」です。
X1
, X2
, …, XN
という
N
個のデータがあったとき、
分散 = (1/N) Σ (Xi - Xmean)**2
で定義されます。
ここで N
はデータの個数、Xmean
は Xi
の平均、**2
は2乗を表します。
ちなみに、分散の平方根が標準偏差となります。
エクセルには分散を求める関数 VAR.P
が用意されています。
各年ごとにデータの分散を計算してみましょう。
- O3 セルをクリックして選択する
- 数式タブを選択し「関数の挿入」をクリック
- 「関数の分類」で「統計」を選択すると統計関数の一覧が表示されるので、その中から「VAR.P」を選択する
- 数値1を「B2:M2」に修正する。全角ではなく半角で入力すること。
- 範囲の選択はマウスで B2〜M2 をドラッグしてもよい
- 「OK」をクリックする
O3 に分散 59.8… が表示されたでしょうか? 2010年、2011年も同じようにやってみましょう。
グラフの作成
気温のグラフを表示してみましょう。
- A1 セルを選択します
- 「挿入」タブ>「折れ線」クリック
- 「マーカー付き折れ線」を選択
するとグラフが表示されます。
範囲の自動認識に失敗して O 列まで表示されています。 範囲を修正してみましょう。
- O1 セルの右下にカーソルをあわせ、「斜め矢印マーク」を出す
- その状態で左クリックし範囲を変更する(M列とN列の間までマウスを移動させればよい)
これで OK です。
はじめから範囲を選択してグラフにすることもできます。 いまの場合は範囲を選択してからグラフ化した方がよかったかもしれません。
図をワードに貼付ける
エクセルで作成した図をワードやパワーポイントに貼付けることができます。
- 図を選択する
- 「ホーム」タブ>「コピー」
これでデータがクリップボードに保存されました。 この状態にしておいて、ワードやパワーポイントで「貼り付け」を選択するすれば、図を貼付けることができます。
先日の授業で作ったワードファイルに図を貼付けてみましょう。
データ入力の小技
Web からの貼り付け
さきほどはデータを手で入力しましたが、じつはもっと簡単に入力できる場合があります。 (うまくいかないこともあるが。)
まずブラウザ上でデータ範囲を選択します。
- Web 上の「京都の日平均気温」の表を右クリックしながら選択する
- 表の左上にマウスをあわせ、左クリックしながら右下 (6.5) まで選択する
- メニューの「編集」>「コピー」を選択する
次にエクセルにデータをペーストします。
- エクセルの適当なセルを選択する(A25 くらいがよいでしょう)
- 右クリックして「形式を選択してペースト」を選択
- 「貼り付ける形式」を「HTML」にして「OK」をクリック
これでデータの入力ができました。 ただし、この方法ではうまくいかない場合もあるようです。 貼り付ける形式を「Unicode テキスト」や「テキスト」にするとうまくいくこともありますが、よくわかりません。
連続データの入力
0 から 10 まで数字をいれる場合はどうしたらよいでしょうか。 この場合は 0 を1つだけ入力して、「月」や「年」の入力で使った「+」カーソルの技を利用します。
- A30 セルに 0 を入力する
- セルの右下にカーソルをあわせ「+」マークにする
- この状態で左クリックし、そのまま K30 セルまでドラッグする
- クリックをやめるとカーソル付近に「オートフィルオプション」が表示されるので、これをクリックし「連続データ」を選ぶ
これで 0 から 10 のデータが入力できました。
本日の課題
必要なデータは気象庁のホームページから入手すること。
- 京都府京都市の2011年の各月の合計降水量を1月から12月まで棒グラフで表示せよ。
- 京都府京都市の8月の月平均気温を1881年から2011年まで折れ線グラフで表示せよ。(「観測開始からの月ごとの値」から「日平均気温の月平均値」が得られる。)