講義目的(要旨)

「地域」という概念が,今後の日本にとって重要な意味を持つだろうということは,未来を生きるわれわれは是非とも知っておかねばならないことであろう。
農村的地域であれ都市的地域であれ,また日本であろうが世界であろうが,地域と人間が無縁で生きていくことは不可能である。したがって,それらの「地域」がいったいどういうファクターをもって形成されてきたのか,今後どういう方法へ向かうのか,などを考えることはきわめて現代的なまた将来的な意味と意義を持つ。
具体的な地域を題材として,その成り立ちを当該地域の歴史,つまりは「地域学」に焦点をすえて分析することを目的とする。



授業内容・授業計画

古道と道標の在り方を通じて,京都の文化を知ることを目的とする。道は人と文化が往来し,またその人と文化の姿を知ることのできる,現代に残された痕跡である。
その道を手がかりにして,京都の文化の在り方,さらには日本の文化の在り方を探求してみたい。
京都という“場”に興味のある学生を対象とし,自分の眼で見,足で歩き,手でさわることによって,身近に京都を感じ取ることを目的とする。

できるだけ現地に臨み,主として臨地演習の形態で実施する。
(1)まず地図に親しむことからはじめ,国土地理院2万5千分の1の地図に,歴史的古道をトレイスする,
(2)その際には参謀本部の仮製地図に載せられている,明治20年頃の道を手がかりにする,
(3)江戸時代の地図をも参照する,の3点によって京都の古道をまず把握する。ついで,
(4)その道を実際に歩く,そして(5)それぞれの道のそこここに残っている道標を地図の上に記入し,写真撮影によって記録していく。
したがって現地にそくして調査・研究を行うので,かなりの距離を歩き,また地形の険しい場所にも行くので,相応の体力を必要とし,そのつもりで受講するようにされたい。なお身体に障害等のある学生は,事前に申しでるように。しかるべき処置を講じる。また,現地を調査するので交通費を必要とし,さらに2泊3日での合宿演習も行う予定で,そのための経費も必要となる。



授業の到達目標

京都を対象とし,したがって京都という“場”,地域の歴史と文化の特質を認識すること。
道と道標はあくまでそのための手段である。
道と道標を通して,その地平上にある歴史と文化の姿を正しく把握することに目標点,到達点を置いてほしい。
ただ歩いただけとか見ただけといった経験的なものでなく,高いレベルへの到達を要求する。

京都産業大学シラバスより抜粋

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