ゼミ生が語る「私の好きな京都」(2020年)
京都サンガF.C.
小山 雅宏

 今回私が紹介するのはサッカーJリーグの京都サンガF.C.である。私自身はクラブのサポーターであり、毎試合現地で声援を送っている。皆さんにも京都にあるスポーツチームについて知ってもらいたいと思い、今回のテーマを選定した。

<クラブ概要>
 京都サンガF.C.の理念は「サンガに関わる全ての人々と夢と感動を共有し、地域社会の発展に貢献する」とされており、地域に根差したプロサッカークラブを目指している。また、サッカーを通じて地域貢献活動を積極的に行うことで、青少年の健全な育成やコミュニティの形成に繋がり、地元経済や社会に貢献することも理念として記されている。
 エンブレムやマスコットには鳳凰が使用されており、クラブカラーは紫である。ホームタウンは京都市・宇治市・城陽市・向日市・長岡京市・京田辺市・木津川市・亀岡市・南丹市・京丹波町・福知山市・舞鶴市・綾部市・八幡市である。練習場は城陽市の京都サンガF.C.東城陽グラウンドで、ホームスタジアムは2020年より亀岡市のサンガスタジアムbyKYOCERAを使用している。

クラブの歴史
 1922年に創設された京都紫光クラブが前身となり、1994年に一般公募でクラブ名を京都パープルサンガに変更し、Jリーグ準会員となる。その後1996年にJリーグへ加盟した。サンガの由来はサンスクリット語で仲間・群れを表す「SAMGHA」と山紫水明の京都をイメージさせる「山河」の響きを掛け合わせたものである。
 1996年に念願のJリーグへ参入を果たすもその年に、開幕17連敗という不名誉なJリーグ記録を生んでしまう。その後は2002年に過去最高順位の5位となると、2003年に第82回天皇杯全日本サッカー選手権大会で優勝を果たし、関西のJリーグクラブとして初のタイトルを獲得した。2007年にはクラブ名を現在の京都サンガF.C.へ改称した。その後は4度のJ2降格を経験し、2010年を最後にJ1の舞台には戻れていない状況である。

<クラブの特徴>
 京都サンガの特徴として、アカデミーの充実がある。サンガアカデミーは小学生から高校生まで一貫した指導方針のもと活動している。「選手として、人間としての成長を促す」というコンセプトで心技体すべてに優れたトップアスリートの育成を目指している。2006年度からはグローバルに活躍する世界水準のサッカー選手を育成することを目標にスカラーアスリートプロジェクトが始まった。このプロジェクトは京セラ・京都サンガF.C.・学校法人立命館の三者が核となって推進するものだ。スポーツの素晴らしさと学業の素晴らしさの相乗効果で一つの人格をより豊かに形成し、選手たちの可能性を広げている。内容としては、京都サンガF.C.U-18所属選手は全員選手寮で生活をする。寮費・食費は全てクラブが負担し、生活全般を通じて社会教育が実施されている。中でも学力基準を満たした選手は立命館宇治高校へ入学をし、学費は立命館が奨学金として負担する。サッカーの面ではサンガタウン城陽内の育成専用人工芝グラウンドで練習を実施している。学校から練習場は約1㎞、寮から練習場は約3㎞と距離も近いため効率よく学業・サッカーを行うことが出来る。これまで39名がアカデミーからトップチームに昇格しており、そのうち23名がスカラーアスリートプロジェクトの対象となっている。2019年にはJリーグの最優秀育成クラブにも選出されている。

ホームタウン京都とのつながり
 京都サンガF.C.では京都府内の13市1町を活動拠点にホームタウン活動を行っている。地域に愛されるクラブを目指し、地域密着活動・地域貢献活動・普及活動を行っている。具体的には、選手やコーチが小学校の授業時間に訪問し、スポーツの楽しさや素晴らしさを伝える活動がある。他にも自治体や地域団体が主催するイベントに参加している。各地のまつりや式典に選手やマスコットが参加することや、郵便局の一日局長などだ。行政とのつながりの面では、京都府が取り組むオレンジリボン活動や「DO YOU KYOTO ?」活動のキャンペーン大使を務めている。クラブの発信力の高さで行政の活動に貢献している。
 京都サンガF.C.ではスポンサー企業を募集しており、多くの地元企業がスポンサーとなっている。ユニフォームやスタジアム内の看板は京セラや任天堂を始めとする京都の優良企業が名を連ねている。またアカデミーやホームタウン活動向けなど様々なスポンサーメニューを用意しており、低価格でもクラブのスポンサーになることが可能である。クラブはホームページ上やスタジアム内の配布物などで各スポンサーの紹介を行い、ファン・サポーターに情報を発信している。

 京都サンガF.C.では京都を拠点に人や企業のつながりを多数生み出していることがお分かりいただけただろうか。地域に愛されるクラブになることで、このつながりがさらに大きくなり、クラブの発展につながるだろう。京都という世界に誇れる街で活動できるメリットを最大限に生かし、京都サンガF.C.が国内有数のクラブになることを私は願っている。

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