ゼミ生が語る「私の好きな京都」(2020年)
円山公園
西川 晴大郎
(2017年度入学 鈴木ゼミ一期生)

 私の好きな京都は「円山公園」である。
 私が今回のテーマに円山公園を選んだ理由は2つある。1つ目は、私が大学入学後に初めて訪れた京都の観光地だからである。私は京都産業大学を入学するにあたって京都の観光地をすべて回ることを決意していた。その中でも円山公園は京都最古の公園であり、景色がとても綺麗と聞いていたので入学後すぐに訪れた場所である。2つ目の理由は、桜のライトアップがとても綺麗で目を奪われたからである。私はそれまで桜のライトアップというものを見たことがなかった。円山公園の色とりどりの桜と初めてみるライトアップに私は目を奪われた。その後、知恩院や二条城などの京都の名所で桜のライトアップを拝見したが、私は円山公園のライトアップが1番思い出に残っている。

 今回のレポートでは円山公園の歴史、私がお勧めする見どころやスポットを紹介していく。まず歴史についてだが、円山公園が作られたのは、明治19年(1886年)にまで遡る。明治19年、明治政府の太政官布告に基づき、公園地に指定されて円山公園が誕生した。京都市内の公園の中で最も古い公園であり、現在も行楽地や景勝地として人気のスポットである。公園が誕生した明治19年~45年の間に池や噴水の整備、野外音楽堂の設置等が次々行われ、現在の円山公園となっている。また、平安時代には今の円山公園の一帯は真葛ヶ原と呼ばれていた。その後、江戸時代に入り慈円山安養寺が建設され、円山の文字を取って円山と呼ばれるようになったそうだ。

 次に円山公園の見どころについて3つ紹介していく。1つ目は「四季折々の景色」である。東山の豊かな自然に囲まれた円山公園は、四季折々の景色を楽しめる景勝地である。初夏の時期には、公園一面が緑に染まる新緑を楽しむことができ、広い園内には、暑い季節も過ごしやすい木陰が沢山あるので休憩スポットにも便利である。秋や春といった時期に比べると観光客も少なく穴場のシーズンといえるだろう。秋になると広大な庭園内のイロハモミジが真っ赤に染まる。公園内にある「ひょうたん池」は、晴れた日に限り、透き通るような池に紅葉が映し出される景色を楽しめる景勝地である。春の柔らかさを感じられる景色とは異なり、情緒や風情のある京都らしい景色を鑑賞できるだろう。その中でも私が最もお勧めする季節は春である。数ある桜の中でもひときわ目立つ大きな枝垂れ桜は、「祇園しだれ」の愛称で親しまれ、樹齢200年の木が枯れた後に植えられた2代目の枝垂れ桜は、樹齢80年を超える。また、3月下旬から4月上旬、桜の見ごろに合わせて、公園内では夜のライトアップが行われている。実際に私が桜のライトアップを見た時は、その広大さと美しさに目を奪われた。その景色を是非皆さんにみて頂きたい。

 2つ目は国の名勝にも選ばれた「日本庭園」である。円山公園の中心付近にある日本庭園は、国指定の名称に選ばれている。中でも日本中心部にあるひょうたん型の池からは、東山の自然と公園内の木々が一望でき、季節や訪れた時間帯によって、異なる景色を楽しめるのが魅力である。また、日本庭園の奥には坂道があり、道沿いに流れる小川は静かな水音を感じられる癒しスポットとなっている。公園内には気軽にテイクアウトできるお団子や、ぜんざいといったスイーツも販売されているので、景色とともに堪能してほしい。

 3つ目のおすすめスポットは京都市有形文化財として指定されている「長楽館カフェ」である。この長楽館が建てられたのは、今から100年も前になる。現在まで長い時間その場所で歴史の移り変わりを見てきた建物だ。煙草王とも呼ばれていた実業家の村井吉兵衛氏がこの建物を建てたされている。長楽館は、元々この方の別邸宅と国内外からの大事な方をもてなす迎賓館として使われている。日本の歴史の中でも有名な伊藤博文や大隈重信の出入りがあったとも言い伝えられている。この迎賓館の中でお茶を頂く事が出来るのは、本館の1階になり、迎賓の間は、アフタヌーンティーの為だけのラウンジとなっている。なんとも華やかかつ気品あふれる空間で上を見上げると、立派なシャンデリアがあり、まるでお城に来たような気分に感じることができる。空間が素晴らしいのはもちろんだが、デザートが芸術と言える程、美しい作品になっています。本当に食べてしまっていいのか迷ってしまう事でしょう。そして、その美しさはデザートだけではなくドリンクにも素敵なおもてなしがある。なんとコーヒーなどのティースプーンの上には、薔薇の形をしたクリームが乗っており、混ぜるのを考えてしまう。今流行りのインスタ映えすること間違いなしのスポットである。ぜひ円山公園を訪れた際は、歴史的にも貴重な空間で、優雅なお茶を楽しんでみてほしい。


 今回のレポートで分かったことは円山公園とは京都の歴史を感じることができる公園であるということだ。是非100年も続く歴史、景観、建物に訪れることで京都を更に好きになることは間違いない。

参考文献
京都の神社と祭り 本田健一著 「京さんぽ」
https://souda-kyoto.jp/blog/00725.html
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