ゼミ生が語る「私の好きな京都」(2019年春学期)
私の好きな貴船神社
西川 晴大郎
(2017年度入学 鈴木ゼミ一期生)

私の好きな京都は「貴船神社」である。
 私が今回のテーマに貴船神社を選んだ理由は2つある。1つ目は神社や寺院が好きということだ。私は学校の帰り道や、休日に神社にお参りに行くことがある。家の近くの神社だけでなく、京都の上賀茂神社、伏見稲荷大社、八坂神社などの神社に行くこともある。また寺院を見るために、世界遺産であるカンボジアのアンコールワットや、ミャンマーのシュエダゴン・パゴダも観光に訪れた経験がある。2つ目の理由は、貴船神社の冬のライトアップがとても綺麗で、目を奪われたからである。貴船神社では、期間中の積雪日限定でライトアップを見ることができる。貴船神社の灯篭や鳥居は綺麗な朱色で塗られており、雪の白さと合わさると美しさが倍増する。そこに光が加わるとさらに美しくなり、まさしく絶景といえる光景だ。この景色を見るために毎年2時間以上かけて足を運んでいる。しかし、今年(2020)は去年よりも暖かい日が続き、雪が積もっていないのでまだ見に行けていない。
 日本には、古くから神々を祀る場所として、約8万あまりの神社がある。ただし、これは宗教団体として登録されたものだけであり、もっと小さな祠や、沖縄の御嶽のように特段の施設がない聖なる池も含めれば、より多くの数になるだろう。そして京都市で調べてみると、正式に登録されているもので神社がおよそ800、寺院がおよそ1700もあるそうだ。これは余談になるが、寺院のトップは愛知県でおよそ5000にものぼる。その中でも貴船神社は、全国に約500社を数える貴船神社の総本宮である。天武天皇の御代となる白鳳6年(677)にはすでに御社殿が造られていたという、京都でも屈指の歴史を誇る神社だ。本宮の御祭神はタカオカミノカミ、奥宮はクラオカミノカミである。結社、中宮にはイワナガヒメノミコトが祀られている。また、貴船神社のご利益としては「運氣隆昌、えんむすび、諸願成就」が有名である。

ご祭神のタカオカミノカミとクラオカミノカミは、ともに降雨、止雨を司る神様である。水は万物の根源であり、清いもの。そのため、貴船は地名としては「きぶね」と読むが、神社名は「きふね」と濁らずに読む。調べてみたところ、清らかな水が濁らないように。との願いがあるそうだ。
 次にお参りの仕方と本宮、結社、奥宮のそれぞれの特徴について説明していく。貴船神社は貴船川に沿って社殿を構え、下流から上流に向けて、本宮、結社、奥宮の三社が鎮座している。本宮→奥宮→結社と回る三社巡りが古い習わしで残っているが、この神社では特に定められてはいない。本宮には貴船神社で人気をほこる「水占いくじ」がある。石垣からわき出る御神水に占いの用紙を浮かべると、おみくじの内容が浮かび上がってくるというもので、水の神様を祀る神社らしいおみくじになっている。
 本宮から15分ほど歩いたところに鎮座する奥宮は、貴船神社創建の地といわれている。タマヨリヒメノミコトが黄色の船に乗り大阪湾から川を遡り、たどり着いた地で
あり、かつてはこの奥宮こそが本宮であり、その手前を流れる「思ひ川」で身を清めてお参りをしていたとされている。 今も深い緑に包まれ、神秘的な雰囲気を醸し出している。また、奥宮本殿の真下には、巨大な「龍穴」があり、この龍穴は、「奈良室生」、「岡山備前」と並ぶ“日本三大龍穴”のひとつとされる。特に神聖で強大な力を噴出するパワースポットとされている。地下にあるため龍穴を直接見ることはできないが、どのような穴なのか気になるところである。結社は、 縁結びのパワースポット貴船神社の、中心地ともいえる社である。

奥宮
 2018年9月の台風により社殿が被害を受けたが、崇敬者や参詣者のご協力もあり、2019年5月には美しい姿に復活した。台風がもたらす影響は悪いことばかりではなく、周辺の木が倒れたため、以前より明るい雰囲気になった。自然の力は不思議なものである。
 貴船神社の魅力は神社だけでなく、周辺のスポットも楽しめる場所である。川床席で自然を感じながらくつろげることが有名だが、「貴船倶楽部」や「兵衛カフェ」などのお洒落なカフェもある。さらに旅館や温泉施設も充実しているので、旅の疲れを癒すことができる。また、貴船神社に来る際に使う比叡山電鉄は『僕は明日、昨日の君とデートする』などの小説にも書かれている。神社にお参りするだけでなく、道中にも楽しさがあるというのが魅力の1つである。
 今回のレポートで貴船神社について調べることで、さらにこの神社のことが好きになった。またこれまでは神社の雰囲気や、美しい景色を見るために訪れていたが、次に行く際は周辺の施設にも立ち寄りたいと思う。特に写真のみたらしだんごはぜひ食べてみたいものである。今後はご祭神のタカオカミノカミとクラオカミノカミのことや、さらに貴船神社以外のご祭神についても調べてみたい。


カフェ

結社
参考文献
京都の神社と祭り 本田健一著 「京さんぽ」
https://souda-kyoto.jp/blog/00725.html
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