祇園祭の由来は今からおよそ1,100年前、平安時代に京都で流行した疫病を鎮めるため、「祇園社(ぎおんしゃ)」(※現在の八坂神社)にて66本の鉾をつくり疫病の退散を祈願したのが始まりである。その後、政治的な問題から祇園祭中止の命令が出ることもあったが、存続を訴え続ける町衆の熱意により、現代まで継承されてきた。その祭事は、7月1日の「吉符入」に始まり7月31日の「疫神社夏越祭」まで、およそ1か月にわたって行われる。なかでも、祭のハイライトは7月17日と7月24日に行われる八坂神社の神輿渡御と33基の山鉾巡行。「京都祇園祭の山鉾行事」はユネスコ無形文化遺産にも登録されている。京都の歴史とともに歩んできた祇園祭は、京都の人たちにとって無くてはならない祭である。
祇園祭の醍醐味と言えばやはり、山鉾巡行である。山鉾とは、豪華絢爛なタペストリーで飾られた山車のことを指し、その荘厳な姿から「動く美術館」とも称される。全33基のうち29基は重要有形民俗文化財指定にも指定されている。また、2014年より巡行が7月17日の「前祭(さきまつり)」と7月24日の「後祭(あとまつり)」に分かれて行われ、前祭では23基、後祭では10基の山鉾が京都市内を練り
歩く。特に曲がり角で山鉾が方向転換する『辻回し』の瞬間には、迫力があるため沿道から歓声が沸きあがる。33基ある山鉾巡行の順番は、室町時代にどの山鉾がどの順番で巡行するかということで争いが起こったため、現在は毎年7月2日に行われる「くじ取り式」で、くじにより順番が決められるようになった。しかし、毎年先頭を飾る長刀鉾など、いくつかの山鉾は順番が決まっており別名「くじ取らず」と呼ばれている。前祭の先頭を務める「長刀鉾(なぎなたほこ)」は、山鉾の中でも最も注目を集める存在。全基のうち唯一、神の使いとされる人間の子供・生稚児(いきちご)が乗る鉾である。巡行中、生稚児はとても重要な儀式、「注連縄(しめなわ)切り」を行う。宵山は、7月17日の前祭と24日の後祭に行われる山鉾巡行の前々日から3日間に渡って行われる「前夜祭」のような祭で、山鉾巡行に続いて観客数が多い人気の祭行事である。「前祭」の宵山は、14日の「宵々々山」から16日の「宵山」までの3日間開催され、夕方になると吊るした駒形提灯に火がともった山鉾に「コ・ン・チ・キ」の音色の祇園囃子を伴い、市街を引っ張って歩く。また、前祭りの宵山の15日と16日は夜になると露店や屋台が沿道に並ぶので観客が多いので、18時から23時頃まで四条通りの八坂神社から堀川までは、歩行者天国になる。「後祭」の宵山は、21日の「宵々々山」から23日の「宵山」までの3日間開催され、前祭の宵山ほど賑わいはないが、1100年以上に渡って続いている京都の伝統的な宵山の風景を見ることができるという。
1. さいごに
私は、去年初めて祇園祭に足を運んだのだが、その際に強い感銘を受けた。祇園祭が始まった1100年前に比べると、当然京都の街は大きく発展を遂げ、変貌したといえるだろう。そんな中でもずっと変わらず伝統を引き継いでいるのが素晴らしいと思った。現代にこのような歴史のある行事をしても違和感を感じないのは、政府が条例などを設け、京都のこの伝統的な街並みを維持させてきたおかげなのではないかと感じる。京都は今後もこの伝統を守り、末長く日本の代表的な歴史的都市であり続けて欲しいと感じた。また、改めて祇園祭について調べてみて、まだまだ自分が知らないことがたくさんあると感じた。今年の祇園祭は、今回学んだことを意識して去年よりも有意義な時間を楽しみたいと思った。