ゼミ生が語る「私の好きな京都」(2020年春学期)
私の好きな京都 「レンタル着物」
尾﨑 菜央
(2018年度入学 鈴木ゼミ2期生)

 私が京都に初めて訪れたのは中学二年生の時の遠足だ。その時は清水寺や四条を散策した。いわゆる京都の代表地だ。私が思ったのは着物を着ている人が多いと言うことだ。日本人だけでなく外国人も着ていた。私は外国人が日本の伝統衣装をきていることを不思議に思った。高校生になり「レンタル着物」というサービスがあることを知り、外国人観光客が着物を着ていたことに納得ができた。昔は普段着だったのかも知れないが、日本人がいつの間にか着なくなった着物。伝統的な着物を「レンタル」という手軽な形で体験できることを大変魅力に感じた。そこで次の事項について記述する。

1)着物とはいつから着られるようになったのか、またいつから着なくなったのか、レンタル着物はいつごろできたのか
2)私が体験して思ったレンタル着物の利点
3)外国人観光客にも日本人にもレンタル着物が魅力的な理由
このようなまとめ方をしたいと思う。

1)着物とはいつから着られるようになったのか、またいつ着なくなったのか、レンタル着物はいつからできたのか
 「着物」は本来、日本語で衣服という意味だが、近年では「日本の伝統的な衣服」という意味で使われている。現在着られている形の着物が生まれたのは平安時代と言われている。寒いときには重ね着をし、暑い夏には麻などの涼しい素材を使うなど、いろいろな工夫がなされ、多くの着物の形式が作り出された。こうして着物は日本人の生活の中に取り入れられ、日本独自の伝統として確立されてきた
 明治時代になると日本は外国の影響を強く受けた。政府は西洋化を進めるため、官僚などに正式の場では洋服の着用を義務づける「衣服令」を出し、一般庶民が着物を着る場合には、家紋を入れた「紋付」が礼装と定められた。この頃から着物を着る機会が減ってしまった。
 現在では日常生活の中で着物を着ることは少なくなり、結婚式やお葬式などの改まったセレモニーのみで用いるようになった。有名なレンタル着物の創業年を調べたところ1990年頃から振袖や七五三用着物のレンタル着物店ができはじめ、2000年前半くらいから観光用のレンタル着物の店が増えていった。

2)私が体験して思ったレンタル着物の利点
 私がレンタル着物を実際利用してみて良かったと思う点は3点である。

(好みによって変えられる髪型)
 1つ目は何も準備しなくても良いことだ。手ぶらで行ってもすべての準備をお店がしてくれる。私個人で何も準備をする必要が無いのですごく手軽に感じた。追加料金はかかるが髪の毛もセットしてもらえる。髪飾りの種類も豊富だ。髪型についても決められた型から選べるお店、自分のしてほしい髪型にしてくれるお店。様々な種類がある。実際,私がレンタルしたお店では、写真を見せ、セットアップアーティストの方が私の理想の形にしてくれた。
 2つ目は着物を着ていることによって外国人観光客と話せたことだ。着物を着ているだけで、外国人から「写真を一緒にと取りましょう」、「おすすめの場所を教えてください。」、「おすすめの飲食店はありますか?」などコミュニケーションが取れた。着物を着てなければできなかった体験。着物についても話すことができ、会話が弾んだ。私も着物を着ていることで積極的になれた気がした。この日は何人もの外国人観光客から話しかけられた。この体験は積極的に話しかけることが重要であることを教えてくれた
 3つ目は何回でも体験したくなることだ。レンタル着物は学生にも出せる料金で、2000円台からレンタルできる店もある。とても安価だ。また、レンタル着物ショップはそれぞれ雰囲気が違うと感じた。例えば、古風な柄の着物をメインにしている店。現代風の柄の着物を扱うお店もあった。何回レンタルをしても違うお店でレンタルをすればそれぞれのお店の特徴によって自分のスタイルを変えることができた。これもレンタル着物の利点なのだ。

3)外国人観光客にも日本人にもレンタル着物が魅力的な理由
 外国人観光客の着物への興味は年々深まっている。Googleの検索数ランキングによると“kimono”の検索数は2014年に急上昇した。訪日外国人も2014~2015年は例年以上であった。京都市産業観光局観光MICE推進室が実施した「外国人観光客満足度調査」によると「伝統文化鑑賞・体験」という項目の満足度が高く、その中でも「着物・浴衣」の体験が最も多いことがわかった。
 外国人観光客もそうだが日本人に着物が魅力的なのは日本の文化を手軽に体験できる。現代は着ることがなくなったため特別感があるということも魅力だろう。レンタル着物のサイトをみるとインスタ映えを重要視している店も多いように思う。今のレンタル着物は外国人観光客、日本人の若者受けを対象にしているように感じた。
 最大の魅力は私がこれまで述べたように、こだわりにも対応してくれることだと思う。着物の種類、帯、髪型など人によってそれぞれの好みにレンタル着物が対応できる点が魅力だ。またフォトサービスも充実しており、思い出を形にして残せる。着物の姿は京都の昔ながらの風景に溶け込む。手軽にこのような状況を作れるのもレンタル着物の魅力だろう。

 レンタル着物について調べてみると、私がこれまでに思っていた以外の魅力も多くあった。日本古来の伝統を手軽に体験できるのはレンタル着物である。また、レンタル着物が代表例だ。日本人・外国人観光客にもレンタル着物はこれからも人気であり続けるだろう。また外国人観光客、日本人にレンタルで着物を着るだけでなく着物を買ってもらい日本の伝統を未来へつなげていくことも重要だ。着物を買わなくても和柄小物を手にする事で日本の文化を手軽に体験でき、外国人観光客や若者に人気だ。日本から世界へ和柄小物を売り出している店も有り、世界で日本の和柄ブランドが確立されつつある。これからは着物だけでなく手軽に日本の文化を体験できるレンタル商品が増える事を願う。

【参考文献】
押野菜央(2017)「外国人観光客における着物への関心と業界の対応 」
『目白大学短期大学部研究紀要』、第53巻 pp.73-84
キッズ・ウェブ・ジャパン〔https://kuroyagikun.com/university-student-report-quotation-citation/〕 2020/7/22
初心者でも安心の着物着付け教室ガイド〔www.lesson-kitsuke.com/kimononokotu/history.html〕 2020/7/22

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