mule の機能や役立つコマンド




このマニュアルはmule=電子メールのためのものだと思っているcc環境ユーザに、そのエディタとしての機能を紹介するためのものです。したがって、コマンドなどは最低限必要だと思われるものしか扱っておりません。さらに詳しく知りたい方は、本学計算機センター教育研究システム課編の「コンピュータガイド 〜インターネット編〜」の該当個所を参照するようにしてください。

注意

そしてここで使われているコマンドでC-xはキーボードのCtrlを押しながらxを入力すると考えてください。 M-xEscを「ポン」と入力してからxを入力してください。

Written by TANIOKA Hidetake



 

1.はじめに

みなさん、muleを使ったことがありますか?
無い方が多いと思います。ということでこのページを参考にして使ってください 。
 

2.ファイルの編集

まずはプロンプトからmuleを起動してください。
cc2001(81)% mule
と打ち込んでreturnキー(enterキー)を打ちます。画面が切り替わってなにやら難しそうなことがびっしりと書かれていますが、あまり気にしなくて結構です。これがmuleの初期画面とでも思ってください。

それではこれからmuleを扱う上で最低限必要なコマンドを紹介していきすが、その前に注意をひとつ。


注意!
mule上ではパソコン付随のワープロソフトとは違ってマウスはあまり使いません。特に初心者のうちはまったくといっていいほど使わないと思ってください。他のワープロソフトのつもりでマウスを使ってしまい、画面が乱れてしまうと、初心者のうちはなかなか直せないので、muleを(というよりUNIXを)使っている間はマウスには触れないように心掛けましょう。

mule上でマウスは出来るだけ使わない方が今後のために役立つのでコマンドを覚えた方が良いでしょう。



 

3.1.ファイルの保存

まずはmuleの初期画面になにか書き込んでみてください。それを保存する練習をしてみましょう。その時点で編集している文書を保存するコマンドはC-x C-sです(sは"save"s)。これを実行すると、エコーライン(画面最下段の白い行)に、
File to save in: ~/
というメッセージが出てきます。ここでファイルの名前をつけてください。ファイル名は必ず1バイト文字でつける(つまり半角文字(英数字がこれにあたる)ようにしてください。また、最初から新しい名前をつけたファイルを作ることもできます。プロンプトの状態で、
cc2001(81)% mule newname
とすると、muleが立ち上がると同時にnewnameという名前の新規ファイルが開かれます。すでにあるファイルの読み込みは次の項で触れますが、それに上書きした場合も、C-x C-sを実行すると上書き内容が保存されます。


 

3.2.ファイルの読み込み

すでに名前をつけたファイルを読み込むときは、C-x C-fを実行します(fは"find"のf)。するとエコー ラインに、
Find file: ~/
と表示されます。ここにお目当てのファイル名を打ち込んでreturnenter)です。 また話が前後しますが、この時に新しい名前を打ち込むことによって新規ファイルを作成することもできます。


 

3.3.ファイルの挿入

文書の中に他のファイルをそっくりそのまま挿入するには、C-x iです(iは"insert"のi)。
Insert file: ~/
ときいてくるので、挿入するファイル名を答えてください。

ちなみに、電子メールでよく見かけるシグネチャ(メールの末尾にある名刺のような署名)は、この方法で挿入されています。メールを書いていようが、muleが立ち上がっている状態ならこれらのコマンドは必要に応じて使うことができるのです。


 

3.4.行単位でのカット&ペースト

電子メールの返信などの際、不要な行がかなりくっついています。これらを消す方法はいくつかありますが、ここではカーソルの位置からその行の行末までを一気にカットしてくれるC-kを紹介しておきます。前述の電子メールの返信などの際にはこのコマンドが大活躍してくれます。

しかも、C-kで消した内容は、一時的に記憶されていて、C-yでペーストすることができます。文書の前後を入れ替えようとするときなど、C-kC-yを知っていれば便利ですね。


 

3.5.間違った!

ファイルを編集していてなにか間違ったことをしてしまった(違うコマンドを実行してしまったり必要な部分をカットしてしまったりした)場合、muleではそれを取り消すことができます。

まず、コマンドの途中で間違いに気付いたときや、コマンドを実行したけどエラーメッセージが出てしまった場合は、C-gで抜け出すことができます。

また、コマンドを実行してしまった後でも、C-x uuは"undo"のu)を実行すれば、直前のコマンドを取り消してくれます。C-x uはやった回数だけさかのぼってコマンドを取り消してくれる便利な機能です。直前のコマンドしか取り消すことの出来ないMacintoshのクラリスワークスよりもはるかに便利ですね。

これらの取り消しコマンドは、初心者からベテランまで必ずといっていいほどお世話になるものなので、是非覚えてください。



 

4.カーソルの移動

文書が長くなり1画面に入りきれなくなった場合、muleでも、他のエディタと同様に画面がスクロールされます。その際、モードライン(画面下方の1行だけ黒い行)の右の方に、カーソルの位置が文書の何行目にあるのか、また文書全体の何%の位置にあるのかが表示されます。自分が今、文書のどの部分を見ているかの目安になるわけです。初心者のうちは、あまり意味がないことかも知れませんが、muleを用いてレポートを書いたり、Web Pageを作ったりするようになると、結構重宝するものです。

さて、ここでカーソルの移動について触れておきたいと思います。前述のように、muleではマウスはあまり使いません。ワークステーションやLinux(Xウインドウと呼ばれるもの)を使う場合は例外ですが、カーソル移動はキーボード上の矢印キーを用いるしか方法はありません。これでは、行頭から行末へカーソルを移動させるだけでたいへん。文頭から文末への移動に至っては、待っている間にカップラーメンくらいなら作れそうな時間がかかるかも知れません(情報処理教室内にカップラーメンを持ち込んではいけませんが…)

そこで、カーソルを移動させるコマンドの登場です。

まずは、行の中のカーソルを行頭・行末に移動させるコマンドですが、それぞれC-aC-eです。特にC-aは、その行全体をC-kでカットするときなどによく用います。

最後に、画面をスクロールさせるやり方ですが、上下矢印キーを押し続けるだけでも、画面はスクロールしてくれます。しかし、それではやっぱりかったるいですよね?一気にスクロールさせるには、C-vです。これによって1画面分前方にスクロールされ、それにともなってカーソルの位置もスクロールされた画面内に変わります。逆に1画面分後方(逆)にスクロールするには、M-vです。


注意!
ここで注意をひとつ。

muleの文書は、returnキー(enterキー)を押さない限り改行されません(HTMLなど特殊な言語を使っているときはまた別の話になりますが…)。行が右端までいってしまったら、勝手に次の行に続いていて、いかにも改行されているかのように見えますが、よく見ると右端に「\」記号がついていますよね?これは「改行命令はないけどウインドウはここまでだから次の行にいきますよ」という印なのです。

きちんと改行せずに、見た目の感じだけでC-kなどを実行してしまい、必要な部分まで消してしまわないようにしてくださいね。

余談ですが、まったく改行していない段落を適当な位置で改行させるための、M-qというコマンドもあります。結構メールの作成の時は役立ちます。



 

5.おわりに

以上、簡単にmuleのエディタとしての機能について説明してきましたが、ここで紹介したものは、くどいようですが最低限のコマンドのみです。詳しくはコンピュータガイドや市販の書籍などを参照するようにしてください。


付録1

C-x C-f ファイルを読み込む
C-x C-s ファイルを保存する
C-x i ファイルを挿入する
C-x u 直前の操作を取り消す
C-g 指示途中のコマンドの取り消し(エラーから抜け出すときも
C-k カーソルの位置から行末までを記憶して消去する
C-y 記憶した文字列 (C-kで消去したものなど)をペーストする
C-a カーソルの位置を行頭へ
C-e カーソルの位置を行末へ
C-v 1画面分のスクロール
C-f ポインタを一つ前に動かす
C-b ポインタを一つ後ろに動かす
M-v 1画面分の逆スクロール
M-< カーソルの位置を文頭へ
M-> カーソルの位置を文末へ
C-x C-c muleを終了する

付録2。Wnnを使用するときはmuleをウィンドウで出している状態でC-\を入力する。

C-o 変換時に文節を一つ長くする。
C-i 変換時に文節を一つ短くする。
C-p 漢字変換をしているとき、一個前に戻る。試してみよう!(笑)
q 漢字変換を直接(半角)入力にする。
M-q 適当に列を整理してくれる。
@+*** ***という記号が出る(例えば「@から」と入れると「〜」となる)
z+* 色々なものが出る。自分で試してみよう!(例えば「z+p」で「〒」となる)

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