『進撃の巨人』のタイトルは外国語にどのように訳されているか?

平塚 徹京都産業大学 外国語学部

京都産業大学外国語学部では、英語ドイツ語フランス語スペイン語イタリア語ロシア語中国語韓国語インドネシア語を専門的に学ぶことができます。


 『進撃の巨人』は海外でも人気だ。しかし、このタイトルをどう訳すかには問題がある。中国語や韓国語は日本語の「進撃の巨人」をそのまま直訳して済ませている。

 しかし、他の言語を見ていくと、そう簡単ではない。西洋語の場合、英語タイトルの"Attack on Titan"を参考にしているようだが、この英語タイトルがよく分からないのである。Titanは「巨人」のことであろうが、無冠詞単数だと文法的におかしい。その点は置くとしても、タイトルの意味がやはりよく分からない。"Attack on 〜"と来ると通常は「〜への攻撃」 なので、「巨人への攻撃」という意味になりそうだ。しかし、巨人は複数出てくるのだから、Titanは複数形にしなくて良いのかと思われる。そこで、以下の言語では翻訳タイトルを「巨人たちへの攻撃」としている。

 しかし、このパターンの訳は少ない。作品を見ていると、巨人たちを攻撃しているというより、むしろ巨人たちに攻撃されていると思われるからであろう。そのため、「巨人たちの攻撃」とするものが多い。

 しかし、原題の『進撃の巨人』はその回収が話題になったことに比べると、これらの翻訳タイトルでは皮層的なものになっていて残念である。

(英語タイトルの"Attack on Titan"については、「『進撃の巨人』の英語タイトル"Attack on Titan"の意味」をご覧ください。)



©平塚徹(京都産業大学 外国語学部)

京都産業大学外国語学部では、英語ドイツ語フランス語スペイン語イタリア語ロシア語中国語韓国語インドネシア語を専門的に学ぶことができます。