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岡田英彦 (Hidehiko OKADA) ホーム > 研究テーマ

Fittsの法則における有効難易度計算方法の評価

概要

Fittsの法則によれば,グラフィカルユーザインタフェース(GUI)上でのマウスによるオブジェクトの選択といった「ポインティング」に要する時間tは,難易度ID = log2(A/W + 1)に比例する.ただし,Aはポインティング対象のターゲットまでの距離,Wはターゲットのサイズである.

ポインティングデバイスに対する人間工学的要求を規定したJIS Z8519の附属書B(および同JISの元となった国際規格ISO9241-9のAnnex B)には,Fittsの法則に基づく試験方法が記載されている.この試験方法において,IDを求める際に,ターゲットのサイズWではなく「有効目標幅(effective target width)」Weを用いる方法が示されている.このWeは,被験者がクリックした位置のばらつきをもとに求められる値であり,エラー率の観点からWを補正することを目的としたものである.

一方,これまでに,マウスによるポインティングにおいてターゲットサイズが大きい場合には,ターゲットの中心ではなく(移動距離が小さくなるように)辺に近い部分が選択される傾向にあることが報告されている.

本研究では,実際のクリック位置に基づいたIDの補正方法として,規格に記載のサイズ補正のほかに,距離を補正する方法が有効な可能性があると考えた.そこで,ユーザ実験に基づいて,補正方法間の比較を行い,距離補正の有効性を評価した.

ユーザ実験により収集したデータへの適合性を調べた結果,距離補正による方法のほうが適合性がわずかに向上したが,残差の有意な減少は認められなかった.

スライド

研究の背景

ISO/JISにおける”有効”難易度(難易度の補正)

ISO/JIS難易度補正方法に対する問題意識

本研究のモチベーション

実験方法

結論