資金の管理と運用(2016年10月27日)

 7期生の高尾です。10月27日の活動を報告します。

今回のゼミでは、より教科書の第7章「資金の管理と運用」についての発表をしました。発表内容について記述していきます。なお、発表内容は「キャッシュ・フロー計算書」「デリバティブ」の2つに大別して記述していきます。

 まず、キャッシュ・フロー計算書についてですが、損益計算書と貸借対照表のみでは掛け決算が行われているため現金回収が確実ではないことから売上と現金収入・仕入と現金支出が大きく異なります。そこで、企業活動に伴う収入と支出の状況を表示する書面としてキャッシュ・フロー計算書が作成され、資金に裏付けられた経営成績や資金繰り上の安全性を判断するために利用されます。このキャッシュ・フロー計算書が対象とする資金の範囲は現金及び現金同等物に限定されており、この中の現金には手許現金・当座預金・普通預金・通知預金などの要求払預金が含まれます。また、キャッシュ・フロー計算書は、企業が主として営む事業に関連する活動によるお金の増減を示す営業活動、設備投資・証券投資・融資の3つから構成され、余剰資金の運用によるお金の増減を示す投資活動、資金の調達と返済などによるお金の増減を示す財務活動に区分されます。さらに、キャッシュ・フロー計算書の区分のうち営業活動の区分の作成と表示方法は直接法と間接法の2つの方法があります。

直接法は、期中の収入額と支出額の総額を記載し、期中における資金の増減を直接的に明らかにされます。それに対し間接法は、損益計算書の当期純利益に所定の調整を加え、期中の資金変化額が間接的に明らかにされます。このように、直接法は営業活動に関するキャッシュ・フローが総額で表示されるため詳細にお金の流れを把握することができ、間接法は当期純利益とキャッシュ・フローでの差異の原因を明らかにできるといった利点がお互いにあります。
次に、デリバティブについてですが、株式・債券・預貯金など金融商品のリスクを低下させ、リスクを覚悟して高い収益性を追求する手法のことをデリバティブといい、先物取引・オプション取引・スワップ取引に分類されます。デリバティブの特徴としては、価格の値下がりによって利益が得られるものや、価格が上下しないときに利益を得られるものがあり、この多様な商品性により、市場の動向に応じたさまざまな活用が可能になります。先物取引とは、将来の予め定められた期日に特定の金融資産を現時点で取り決めた価格で売買する取引のことをいい、あらかじめ売買の価格を設定できることから価格変動するものの価格変動リスクを回避することができるといった利点があります。また、ある財貨の価格変動などによる損失を先物取引などから得られる利益で相殺することも可能であり、これをヘッジといいます。さらに、先物取引の際、株式や商品の短期的な相場の変動を観察し、そこから将来の価格変動を予測して、商品や有価証券などを売買することで利益の獲得を狙う行為を投機といいます。次にオプション取引とは、将来の予め定められた期日に特定の商品を、現時点で取り決めた価格で売買する権利がある取引のことをいい、先物取引は取引を取りやめることが出来ませんが、オプション取引は権利があるだけなので取引の取り止めが可能であるため損失を回避することができるといったメリットがあります。最後にスワップ取引とは、等しい価値のキャッシュ・フローを交換する取引のことをいい、代表的なものとして同じ通貨の異なる種類の金利を交換する金利スワップなどがあります。この取引をうまく利用することにより、受取利息を増やし支払利息を減らすことが可能となります。

 以上が発表の内容です。

 ここで、橋本先生より配布資料と共にキャッシュ・フロー計算書の表についての補足説明がありました。

 以上で1027日のゼミ活動報告を終わります。