設備投資と研究開発(2016年10月6日)

7期生の高木です。106日のゼミ活動について報告します。

 今回は、教科書の6章「設備投資と研究開発」1から5を発表しました。

 まず初めに、トヨタ自動車とABCマートの2企業を、製造業と小売業の観点から、資産を比較し、製造業は工場や設備を多く所有している点から、固定資産の比率が小売業の流動資産より多いことが分かりました。つまり、製造業では設備投資への投資が、将来を左右します。

 固定資産は、有形固定資産・無形固定資産・投資その他の資産に分類され、有形固定資産とは、1年を超える使用のために保有され、物としての実態を備えている資産です。有形固定資産は、使用可能期間が限られており、価値が少しずつ減少し、最終的にはゼロになります。この無くなった価値を、費用として計上し、資産価値を減らすことを、減価償却といいます。

 無形資産は、借地権・特許権・商標権・鉱業権などがあり、法律上の権利を示します。これに対し、のれんは法律上の権利ではなく、他企業を買収した際に、その企業の収益率が高い、と判断した際に支払われる評価益です。無形資産も、借地権を除き減価償却を行います。

 投資その他の資産には、決算日から1年を超え、満期または返済期日が到来する、預金・貸付金。決算日から1年以内に回収されない破産債権、更生債権・決算日から1年を超えて取り崩される、長期前払い費用。売買目的のない有価証券があります。

有形固定資産の取得原価決定方法として、購入した際は、購入代価に付随費用を加算し、取得原価とし、付随費用には引取運賃・購入手数料・据付費・試運転費・関税などが含まれます。自家建設の場合は、適正な原価計算基準に基づき、取得原価とします。株式に対して、現物出資した場合は、出資者に対して交付された発行額が取得原価となります。固定資産同士の交換の場合は、譲渡資産の簿価を取得原価とします。交換による同一種、同一用途の固定資産を取得した場合は、交換差益を求め、その差額分を損金として計上することで、取得原価を調整します。このことを圧縮記帳と言います。贈与により無償で固定資産を取得した際は、公正な評価額をもって取得原価とします。受贈益として計上して、圧縮記帳により圧縮損を計上します。

 固定資産の中には、法律により、使用後その資産を除去することが義務付けられているものがあり、これを資産除去債務といいます。例としては、原子力発電所の解体義務や、賃借建物の原状回復などがあります。これらの固定資産を取得・建設・開発した企業は、その時点で将来予想される除去額を見積もり、現在価値に算定し、固定負債に計上し、同時に取得原価に加算します。これらの、取得原価は資産除去債務を含めて、減価償却されるので、資産除去債務は毎期配分されます。

 取得原価を耐用年数に渡り、固定資産の使用分を費用計上することを減価償却と言い、定額法、定率法や生産高比例法などがあります。企業は正当な理由がない限りは減価償却の方法を、変更せず継続しなければいけません。定額法は、毎期一定額で減価償却費を計上する方法で、取得原価を耐用年数で割ることで参上されます。取得原価から減価償却費を差し引いた額を、未償却残高といいます。定率法は、未償却残高に毎期一定倍率を掛け、減価償却費を算上する方法です。未償却残高を一定倍率で掛けた額が、耐用年数で割ったときより少なくなった期から、後者を減価償却費とします。生産高比例法は、航空機、タクシー車両などの固定資産を、走行距離を元に減価償却する方法です。

 日本の企業においては、定額法と定率法のどちらも採用している企業が多く、基本的は1期目に多額の減価償却費を計上し、建物など取得原価の大きなもの対しては、毎期一定の定額法を採用しています。減価償却費や未償却残高を見ることで、その企業の設備投資レベルを図ることが可能であり、同業者間の比較において、有形固定資産の未償却残高が前期より増えている場合は、備投資に余裕があるので勢いがあると、分析することも可能です。

以上で106日のゼミ活動報告を終わります。