連結貸借対照表(2015年12月24日)

6期生の武内です。12月24日のゼミ活動を報告します。遅くなりすいません。
11章の連結貸借対照表からです。連結貸借対照表は、企業全体としてみた場合の資金調達の源泉と、調達された資金が各種の資金に投下されている実態を対比して示すことにより、企業集団の財政状態を表す書面である。連結貸借対照表は、親会社と連結子会社の個別貸借対照表を基礎とし、①同じ項目の金額を合算→②集団内部での取引から生じている項目を相殺消去して作成する。相殺消去が必要な項目は「債権と債務の相殺消去」と「親会社から子会社への出資」がある。

親会社から子会社への掛け売上があった場合、親会社の貸借対照表は売掛金を記載、子会社の貸借対照表には買掛金を記載する。これは企業集団にとっての資産には該当しないので相殺消去しなければならない。親会社から子会社へ出資があった場合、親会社の貸借対照表には子会社株式として固定資産の区分に記載、子会社の貸借対照表には非支配株主持ち分と合算のうえ、株主資本として記載される。非支配株主持ち分は自己資本に該当しないが、返済を要しないので負債でもない。そのため、非支配持ち分は純資産の部で株主資本とは区別して表示する。

子会社の純資産のうち親会社持ち分は、親会社の貸借対照表に記載された子会社株式と相殺消去する必要がある(投資と資本の相殺消去)。親会社が子会社の営業を支配する権利を得る目的で、余分に払った額を「のれん」といい、20年以内の所定の年数に規則的な方法で償却し、連結損益計算書に連結決算上の費用として掲載する。在外子会社の外貨表示の貸借対照表を日本円に換算しなおしたとき生じる差額を「為替換算調整勘定」として連結貸借対照表の純資産の部に記載する。

連結損益計算書は企業集団全体が1年間の活動により、どのような源泉からいくらの純利益を獲得したか示す書面である。この連結計算書は親会社と連結子会社の同じ項目同士の金額を合算するとともに、集団内部での取引から生じている項目を相殺消去して作成する。
相殺消去しなければならない項目には2つのタイプがある。①は親会社と子会社の間の内部取引の相殺消去である。この内部取引とは例えば子会社が計上した親会社に対する売上高や親会社が計上した子会社に対する仕入れ高などである。②は期末在庫などに含まれる未実現炉駅の消去である。個別財務諸表上では利益でも企業集団全体の観点から見てまだ実現していない利益は評価額から除去しなければならない。このように作成された連結損益計算書には次のような連結決算の項目が登場する。①非支配株主・親会社株主に帰属する当期純利益②のれん償却額③持分法による投資利益
① 連結損益計算書では当期純利益も合算されて作成されるが子会社の当期純利益のうち非支配株主の持株比率に相当する額は当然「非支配株主に帰属する当期純利益」という項目でその額が把握され、企業集団全体の当期純利益からその額が控除される。これが「親会社株主に帰属する当期純利益」である。
② 連結貸借対照表の作成の際に生じたのれんの償却額のこと。
③ 重要栄に乏しいなどの理由で連結されなかった子会社や関連子会社のりえきのうち親会社の持株比率に見合う額を連結損益計算書に計上するための項目のこと。

関連会社と非連結会社の業績は持分法と呼ばれる会計処理方法を通じて連結財務諸表の中に反映されていく。連結決算では子会社と親会社の財務諸表を丸ごと合算していたが持分法では関連・非連結会社の純資産の変化額のうち親会社の持分額を利益や損失として連結損益計算書に計上する。

国際会計基準では連結財務諸表に企業集団全体の包括利益が表示されている。そのことから日本でも国際会計基準との統合のために、平成22年4月以降に開始する年度の連結財務諸表には包括利益の情報を表示しなければならなくなった。連結ベースの包括利益は4節で説明した当期純利益と同様に「親会社株主に帰属する額」、「非支配株主に帰属する額」の両方を含めて算定される。

以上です。ありがとうございました。