日本郵政上場,資金の管理と運用(2015年11月5日)

6期生の中畑です。
11月5日のゼミ活動を報告します。
まず、日経新聞記事「郵政上場、次は成長力」について。日本郵政とその傘下のゆうちょ銀行、かんぽ生命が11月4日に上場しました。しかし、日本郵便は上場せず。その理由として、郵便・物流事業の日本郵便はユニバーサルサービスを義務付けられており、利益を目的とはしていないので、上場にはそぐわない、ということでした。
次にグループ経営のインフラの新聞記事について。
時価総額ベースで2割以上の日本企業が世界各地で同じルールを用いて、M&Aや業績管理の効率を引き上げようとしています。
時価総額とは株価×発行済株式数です。これは企業の規模を表す尺度となります。企業がM&Aの際に時価総額に注目します。買収する際、株式を50%超握れるかどうかを基準とするので時価総額に注目することとなります。
時価総額という新しい尺度が出てきた結果,楽天のような新興ネット会社がTBSのような古参の既存メディアである放送会社を経営統合しようとするなどの事件も発生し、楽天とTBSは5年以上も争いました。
また、時価総額世界一を目指していたホリエモンは株価を上げることではなく発行済株式数に注目し、株式分割を行うことで時価総額を上げました。
最後にのれんや資産の「時価」重視の新聞記事について。
オートバックスがIFRSに切り替える準備をしています。オートバックスは全店で個別の商品にコードをつけ、仕入れから販売までのデータを蓄積する在庫管理システムに更新しているので、より詳細に商品との損益を分析できるようになると在庫管理の制度を高める効果を狙い、より厳密な原価計算を求めるIFRSに切り替えようとしています。
日本基準ではのれんは最大20年で定期償却されますが、IFRSでは償却はせず、無形資産として貸借対照表に残ります。事業環境が悪くなり買収先企業の価値が下がれば、減損損失が生じるリスクがあります。日本たばこ産業(JT)は英タバコ企業買収など過去の買収で積み上がったのれんが総資産の3割を占めており、自己資本の6割に達します。リスク管理を徹底するために、JTは会計コンサルティング会社と助言契約を結び、のれんの価値を評価する態勢を敷いています。のれんの定期償却がない分、減損リスクと向き合わなければなりません。時価を重視する基準の特性を生かし、自社の資産とリスクを適切に制御する経験値を積み上げていく必要がある、ということでした。

次に教科書、第7章「資金の管理と運用」の後半部分について田中くんに発表してもらいました。
キャッシュ・フロー計算とは、企業が債務を期日どおりに返済して存続できるかは資金繰りに依存していて、収入が支出を上回ってはいけない、このような資金の流れを表す情報のことをいいます。損益計算書では売上を計上しているが、売上代金の回収をしていないと当期純利益が算出されても資金は減っていくばかりであるので、そういった死角を補うための会計です。
企業の資金の変動をわかりやすくするために営業活動、投資活動、財務活動の3つに区分します。営業活動は企業が主として営む事業に関連する活動、投資活動は設備投資、証券投資、融資から構成されており、調達資金を資産に投下する事に関連した活動、財務活動は資金の調達と返済です。
キャッシュフローの作成には収入額と支出額の総額を記載するこてにより、資金の増減を直接的に明らかにする直接法、損益計算書の当期純利益に所定の調整を加えることで、資金変化額が間接的に明らかになる間接法の2つの方法があります。直接法では収入の倍率を計算でき、間接法では当期純利益とキャッシュフローで生じている差異の原因を明らかにできるという特徴があります。
次にデリバティブについて。
デリバティブとは金利リスクや為替リスクなどのリスクを回避したり、逆に積極的に負担し投資利益を得るための手段のことです。
主に、先物取引、オプション取引、スワップ取引の3つの手段があります。
先物取引とは将来において取引の対象とする商品の価格を前もって約束しておき、その将来がきたとき対象の価格が変化していても約束しておいた価格で取引することです。
オプション取引とは状況が不利になった場合には契約せず、有利な場合だけ契約することができるように選択する取引です。
スワップ取引とは交換という意味で固定金利と変動金利を交換する金利スワップが代表的で、その金利スワップを利用することにより受取利息を増やしたり支払利息を減らすことができます。
以上が田中くんの発表でした。
デリバティブについては理解することが難しいということで、今後時間をかけて理解を深めていく予定です。

以上で11月5日のゼミ報告を終わります。