監査法人トーマツの公認会計士の方による特別講義(2015年10月1日)

おはようございます。6期生の高井です。遅くなりましたが、10/1のゼミ活動の内容を報告いたします。
今日は、監査法人トーマツより、橋本さんと谷口さんをお招きして貴重なお話を伺うことができました。監査法人トーマツは、世界4大監査法人の一角、デロイト トウシュ トーマツ(その他3つはKPMG・アーンスト&ヤング・プライスウォーターハウスクーパーズ)の日本法人です。監査法人は一見、監査のみを請け負っているイメージですが、実際は監査以外にも、コンサルやベンチャー企業の支援など、監査で培ったノウハウや築き上げたステークホルダーとの関係などの無形資産を有効に活用して業務を展開しているとのことです。
お越しいただいた橋本さんと谷口さんは、ベンチャー企業の支援を担当していて、様々なイベントを行っているとのことです。起業志向のある学生や未上場の企業、ベンチャーに対する投資を行う企業、金融機関など、監査法人としてのネットワークを駆使して、マッチングをするイベントを開催したり、未上場企業に対してビジネスのアドバイスを行ったり(上場後、監査を担当することを条件として)、ビジネスコンテストを主催したりと、多種多様なサービスの提供を行っていて、監査法人に対するイメージが変わりました。
また、公認会計士に関する面白いお話もお聞きすることができました。谷口さん曰く、今公認会計士になるチャンスだそうです。一昔前は試験に合格しても就職先が見つからないということがあったそうですが、現在は試験に受かりさえすれば、就職は決まったも同然だそうです。就職活動の心配を除外して勉強に専念できるというのは、公認会計士を目指す方にとっては非常にやりやすい状況なのかなと思います。
また、質疑応答でも非常に勉強になる回答を頂けました。まず、起業するにはどの程度の会計知識が必要か、という質問では、起業段階ではほとんどなくても大丈夫だという回答を頂きました。この回答には私自身も驚きましたが、理由を聞いて納得しました。ほとんどの場合、起業しようとする人は、自らがアクションを起こす業界についてや、それに関連する知識は専門家並みで十二分に持ち合わせているが、それ以外の知識(例えば会計や法律など)についてはその限りではなく、必要になった際にその都度習得される場合が多いとのことで、起業段階から会計の知識を持ち合わせているというのはあくまで十分条件だという事です。しかし、上場まで持っていくような企業の社長さんなどは、最初は知識がなくても、その頃にはしっかりとした知識と、現場で培われた数字を読む力が自然と身についていることがほとんどだそうです。更に、監査に対して、もし粉飾や不正が疑われた際、どのような対応がなされているのかという質問には、粉飾が疑われた際でも、その確たる証拠がなければそれは指摘できないし、正当性を証明するときもそれは同じだという事です。いくら監査法人といえど、粉飾を指摘するのは難しく、正当性を証明することにも責任感を持って臨まれているのだという風に感じました。
今回のお話は、実務に関わる話も多く、非常にタメになる話ばかりでした。そして個人的にはやはり、監査法人が監査以外にも様々な業務を手がけているということが新鮮でした。谷口さん、橋本さん、ありがとうございました。
以上で今回の報告を終わります。