電子記録債権・債務他(2015年7月9日)

6期生の北村 浩です。7月9日のゼミ内容を報告します。
初めに、浅田さんから「手形決済から現金決済への切り替え」と「電子記録債権」について発表してもらいました。
「手形決済から現金決済への切り替え」の内容では、まず手形決済と現金決済それぞれのメリット・デメリットについて説明していただきました。手形決済のメリットは、支払うまでに猶予があることと金利がかからないということ。デメリットは、手形の不渡りが起こってしまうと、倒産の危機があることとコストがかかるということです。手形の不渡りで倒産になってしまうと、受け取り側も手形の金額を回収することが出来なくなり、こちら側にもデメリットが生じてしまいます。他にもデメリットとしては、過剰在庫・不良在庫のもとになってしまうこともあります。
現金決済のメリットは代金回収のリスクがないということと資金の回収が早まるということです。デメリットは、取引をするときに資金がないと取引ができないということでした。
そして、日立製作所を例にして、2004年~2005年・2013年~2014年の決済の割合をみてみると、手形決済の割合は2004年~2005年に比べると2013年~2014年は減少しているということが分かりました。このことから手形決済から現金決済への切り替えが起こっていることが分かります。また調べてみると多くの中小企業も手形決済を減少させていることが分かりました。この理由は、従業員規模が小さい中小企業では、自社の信用力を高めるため、不渡り・倒産リスクの回避・軽減のためというのが多く、手形利用をやめることで会社の信用力の向上を志向していました。従業員規模が大きい中小企業では、手形発行費用削減のため、手形取扱の事務負担軽減のためという理由が多く、手形の事務処理負担を削減する志向が強いことがうかがえました。
次に「電子記録債権」について説明してもらいました。
電子記録債権は、手形・指名債権(売掛債権等)の問題点を克服した新たな金銭債権です。電子債権記録機関の記録原簿に電子記録することがその効力発生の要件とされています。
これによって、手形の作成・交付・保管コスト、紛失・盗難のリスク、分割不可という問題点を電子データによる発生・譲渡、記録機関の記録原簿で管理、分割可能という方法で解決していきました。そして、電子記録債権記録機関であるでんさいネットの特徴は、現行の手形と同様の利用方法を採用している手形的利用、銀行の信頼・安心のネットワークのもとで全銀行参加型、金融機関を経由してでんさいネットにアクセスする方式で、安心してサービスをうけることができる間接アクセス方式があります。そして、橋本先生が持ってきていただいた資料で簿記の1級の範囲だったこの電子記録債権が2級におりてくることが判明しました…。
そして授業は、先生が持ってきてくださった新聞の「東芝の不適切会計」について進んでいきました。内容は、製品がなかなか売れずに在庫がたまった場合、完成した製品は外部に販売していないので、実際に売上高や利益は実現していません。ただ下請けに部品を打った時点でいったん部品取引の利益を計上したことになっており、実体とズレが生じてしまいます。このズレを正すには部品取引で生じた利益を消す作業が必要になります。
しかし東芝の場合、社外の専門家でつくる第三者委員会が調査しており、実体は不透明です。
ただ本来消すべき部品取引の利益を消さなかったために、実際より利益が押し上げられた疑いがあるとされています。そして先生は、普通は公認会計士ならこのような処理をしていないということに気づき注意するものですが、そうならずに疑われているということは公認会計士もグルなのではないかと指摘されておられました。僕がこのニュースを聞いたときは、ただ東芝がなにか悪いことをしたなー。と思っていただけでしたが、いろいろな知識があると違った観点から推測や考えることができるので面白いと思いました。
次に今もニュースになっている中国株についてお話ししてくださいました。
なぜこのような事態になったかというと、中国はGDPが落ちるのを危惧し、株が儲かるとテレビで大々的に宣伝しました。そうすると国内で株ブームになり、年収の数十倍の借金で株を買う人間が増えてしまいました。このことで元建ての中国人専用市場の株価が異常上昇し、ドル建ての外国人投資家向け市場に伝染していきました。しかしこれらは、実態を伴わないので徐々に株価が落ちていってしまいます。そこで中国は米国債を売って株価を買い支えようとしますが、勝手に売ったのでFRB(アメリカ連邦準備制度理事会)に指摘されてしまいます。さらに海外投資家に外貨準備金が無いことを見抜かれ中国株式市場が暴落するという事態に陥ってしました。さらに中国政府は株を買っても、絶対売るなというような命令を下します。このようなことや金融のルールを無視して710社の売り買いを停止してしまったことで、借金してまで株を購入していた中国人個人投資家達が株を売れず、資金を借りた金融機関に利息を返せなくなる中国人が多発してしまいました。
しかし現在は、少し株価は上昇していました。これは中国政府が企業に自社株買いをするよう命じたからだと考えます。
そして最後は僕の財務会計・入門第6章1~3の発表でしたが、時間がなく次回に持ち越しという形になりました。

今回の報告は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。