販売活動(6期生)(2015年7月2日)

6期生の棚橋祐紀です。

今週のゼミでは最初に「ギリシャ、IMF債務延滞」の新聞記事についてふれ、次に財務会計・入門「第5章 販売活動」について浅田さんが発表しました。

まず、新聞記事についてです。ギリシャが国際通貨基金(IMF)の2000億円を期限内に返済できずに事実上のデフォルト(債務不履行)状態となった。という内容です。これはリーマンショック以来の大混乱になる恐れがあります。リーマンショックとは、そもそもアメリカに本社を持つ世界中と取引があった、超大手の金融機関であったリーマン・ブラザーズが2008年9月15日に約64兆円もの負債総額をだして倒産となったことが始まりです。倒産の原因はサブプライムローンと呼ばれた、低所得者層でも住宅が購入できるローンの滞納率が急増し、ローンが回収できなくなったためです。このローンの特徴はローンで借りたお金で購入した家を担保とし、最初は低金利でその数年後は金利を上げるハイリスク・ハイリターンなものです。そのため、様々な金融商品に組み込むことにより証券化し、リスクを分散させ、世界中に広げていくことが行われました。このため、不動産バブルが弾けて世界中の投資家や金融機関に大打撃を与えました。これが、世界同時株安へとつながっていきます。日本には影響が少ないと思われていましたが、世界同時株安と超円高による影響で、輸出大国である日本は大打撃を受けてしまいました。サブプライムローンと全く逆の制度として最優遇貸出金利があります。これは、「プライムレート」とも呼ばれ、金融機関が最も信用度の高い優良企業(一流企業)に資金を貸し出す際に適用する一番優遇された金利のことをいいます。
ギリシャはプライマリーバランスで昨年黒字化となりましたが、政権交代により再びギリシャ危機に陥りました。プライマリーバランス(基礎的財政収支)とは、借金などを除いた収入(税収)と過去の債務に関わる元利払い(借入れの返済と金利の支払い)以外の支出との差(収支)のことをいいます。ギリシャ危機によって一番困惑するのは国民ですし、国民投票がかなり重要になってくると思います。

次に浅田さんが発表した教科書の第5章販売活動についての内容です。多くの企業では実現基準で売上収益を認識し、収入額基準に従い売上収益を測定します。しかし業種によっては別の基準で収益を認識する場合があります。その多様性を企業の営業循環に基づいて説明します。
製造業では製品の販売で売上が認識され、つまり実現基準による収益の認識があります。これに対して、建設業や造船業の場合、工事の進行に応じて収益を確認するため、工事進行基準によって認識されます。割賦販売は代金の回収が不確実な場合、割賦金の入金時点で収益を認識する回収基準という方式があります。
実現基準とは、製品が販売された時点すなわち収益が実現した時点で収益を認識する基準です。これが適用される理由として、販売という事象が一般の企業にとって重要であることと、客観的な損益計算書と収益・費用の合理的対応を可能にするといことの2点です。一般的な販売過程では発送時点で売上を認識しますが、特殊な販売(委託販売と試用販売)については適用しないことに注意が必要です。委託販売とは、他企業に自社の製品の販売を依頼する取引で、試用販売とは、返品の自由を条件として顧客に製品を発送し、顧客が試用のうえ気に入れば買い取ってもらうという形態の販売です。
売上原価の計算には、認識基準よりも測定が問題になります。商品払出数量を把握する方法は、受入と払出のつど数量を記録し、その記録から1期間中の払出数量を直接把握する継続記録法と期末数量と期中の受入だけを記録しておき、期末に残高を実施調査して、1期間中の払出数量を逆算する定期棚卸法があります。
個別法、先入先出法、後入先出法は、継続記録法を把握している際に適用され、総平均法、最終仕入原価法、売価還元法は定期棚卸法を把握している際に適用されます。
信用経済が発達した現在では、現金取引が行われることが少なく、ほとんどの企業は売掛金または手形による取引を多用しています。売掛金とは、企業の営業取引から生じた売上代金の未回収額をいいます。ただし、営業以外の取引で生じた代金の未回収部分は未収金として処理されます。売掛金は、支払の口約束によるものですが、売上代金をいつどこで支払うかを明示した手形を受け取れば、代金回収はより確実になります。この受け取った手形で表される売上債権を、受取手形といいます。近年、受取手形を削除する企業が増え、日立製作所やNECは手形決済から、銀行振込などの現金決済への切替えを進めています。この結果、企業の貸借対照表に占める受取手形や支払手形の割合は、急激に低下しつつあります。
棚卸資産の期末評価について、棚卸消耗費とは、実際の期末有高が帳簿上の期末有高よりも少なかった場合、不足してる数量に払出単価を掛けて不足額を算定し、その不足額を棚卸消耗費として棚卸資産の帳簿価額から控除します棚卸消耗費の計算で用いられる払出単価は、その企業が採用している払出単価の決定方法に基づいて算出されます。そして、棚卸評価損とは、棚卸資産の収益性が低下した場合に、棚卸資産に投下した資金の回収可能性を反映させるために、棚卸資産の帳簿価額を正味売却価額まで切り下げなければならないという処理を計上される費用のことをいいます。

今週(7月2日)の報告は以上です。