販売活動(2014年7月3日)

こんにちは。
5期生の三谷真子です。

今週のゼミでは、「財務会計・入門 5章販売活動」について中嶋君が発表しました。

売上の認識と測定
多くの企業では、実現基準で売上を認識し、収入額基準に従い売上収益を測定します。しかし、業種によっては別の基準で収益を認識する場合があります。その多様性を企業の営業循環に基づいで説明します。
製造業では販売が生じた時点で売上が認識されるため、「実現基準」による収益の認識です
建設業・造船業の営業循環では工事の進行に応じて売上が認識されるため、「工事進行基準」による収益の認識です。割賦販売の営業循環では代金回収が不確実な場合には割賦金の入金時点で収益を認識するため、「回収基準」です。...
実現基準とは、製品が販売した(収益が実現した)時点で収益を認識する基準です。適用される理由は、販売という事象が重要であるからと客観的な損益計算と収益・費用の合理対応を可能にするという2点です。
一般的な販売過程では、発送時点で売上を認識するが、特殊な販売(委託販売や試用販売)には適用されないということを注意しなければならない。
委託販売・・他企業に製品を販売する形態。売上を計上するときは、受託者が製品を第3者に販売した時点と販売した連絡が委託者についた時点です。
試用販売・・返品の自由を条件として発送し、気に入れば買い取ってもらう形態。製品を発送した時点ではなく、顧客が買取りの意思表示をしたときに収益を認識する。
⚫︎売上原価の計算
売上原価の計算には、認識基準よりも測定が問題になります。
商品払出数量を把握する方法は、受入と払出のつど数量を記録し、その記録から1期間中の払出数量を直接把握する“継続記録法”と期末に残高を実地調査して1期間中の払出数量を逆算する“定期棚卸法(棚卸計算法)”があります。
個別法・先入先出法・後入後出法・移動平均法は継続記録法を把握している際に適用され、総平均法・最終仕入原価法・売価還元法は定期棚卸法を把握している際に適用されます。
後入先出法は、かつて先入先出し法と一長一短でありどちらを使っても大きな問題はないとされていました。しかしIFRSによる会計の国際化を考慮するなら、後入れ先出し法は貸借対照表で公正価値≒時価を測ることを困難にするという欠点があります。これではIFRSの基本である貸借対照表の価値重視の考えが出来ないため、2010年に後入先出法は日本で廃止されることとなりました。
⚫︎売上代金の回収
信用経済が発達した現在では、現金取引が行われることが少ない。そのため、ほとんどの企業では売掛金や受取手形による取引を多用しています。
売掛金とは営業取引から生じた売上代金の未回収額であり、それ以外の中古設備や有価証券の売却は未収金になります。ただし、建設業では営業活動でも工事代金を受け取っていなければ「完成工事未収金」になります。
受取手形は、売掛金より確実な代金回収ができる債券です。手形割引とは、満期日前に銀行などで割引料を払って現金化します。仕入代金などの支払いのため、満期日前に手形の裏面に署名をし、仕入先に譲渡することを裏書譲渡といいます。貸倒引当金とは、過去の経験に基づき予算額を見積り、それを当期の費用に計上します。
⚫︎棚卸資産の期末評価
棚卸減耗費・・実際有高が帳簿より少なかったときに棚卸資産から控除される費用です。原価性がある場合、棚卸減耗費は売上原価または販売費に含められ製造原価に算入されます。原価性がない場合は売上高に対応関係がないとしても特別損失に記載されます。(金額が少なければ営業外費用でもよい)
商品評価損・・棚卸資産の収益性が下落した場合に資金回収可能性を反映させるために、棚卸資産の帳簿価格を正味売却価格にまで切り下げる費用処理です。評価損は販売・製造活動を行う上で不可避的に発生したものです。したがって損益計算書では、売上高に対応する売上原価として表示されます。製造と関連し不可避的に発生すると認められるものについては、製造原価として処理します。

今週の報告(7月3日)は以上です。