「財務諸表の作成と公開」(前半)(2014年4月24日)

4期生の石田裕明です
今週のゼミでは始めに神山祭と夏合宿についての計画立てを行い、「財務諸表の作成と公開」に関しての勉強を行いました
プレゼンテーションの担当者は嵐統康くんでした

神山祭の計画立ては出品するメニューについて候補を挙げ、三品に絞りこみました、今後は5期生の方達と調整を行いながら決めていく予定です
夏合宿については時と場所、研究発表者など大まかな枠組みを決めました

「財務諸表の作成と公開」は先ず、会社法と金融商品取引法で定められている財務諸表及び計算書類の体系を見ていきました
企業の経営成績を表示する損益計算書、企業の財政状態を表す貸借対照表、株主資本とその他の純資産項目の期中変動を表示する株主資本等変動計算書、重要な会計方針や継続企業の前提に関する注記をまとめて示したものである個別注記表、財務諸表の重要項目について、その内容と期中増減を示す附属明細表があるという説明があ...ました
次に財務諸表の公開ですが、企業の情報開示をディスクロージャーといい、ディスクロージャーには強制されたディスクロージャーと自主的なディスクロージャーがあるという説明がありました
強制されたディスクロージャーとは以下の三つからなります
①金融商品取引法に従った財務諸表の開示
②会社法に従った計算書類の開示
③証券取引所の規則に従った決算情報の開示
また株主総会の招集通知を送付する時、大会社(資本金5億円以上、または負債200億円以上)は計算書類と事業報告、監査報告、および会計監査報告を添付しなければならず株主総会終了後に遅滞なく、貸借対照表や損益計算書を公告するよう求められています
そして自主的なディスクロージャーの意義について見ていきました
背景として法律や証券取引所の要請に従った強制されたディスクロージャーは開示する内容と時期が固定され弾力性に欠けるため、変化の激しい企業環境に応じて投資者の意思決定に有利な情報をタイムリーに開示することが必要となってきています
何故ならば投資家への情報不足が資本コストの増加につながり、不利な資金調達を招く恐れがあるためです
さらに情報をタイムリーに開示することで投資者の理解を得られれば、企業と投資者の間に長期的な信頼関係が構築される可能性が高まります
これらが自主的なディスクロージャーの意義になります
自主的なディスクロージャーにはオンライン・ディスクロージャーやインベスター・リレーションズが挙げられます
インベスター・リレーションズはIRと略され企業が自社株の投資価値を株主や投資者に訴え、株主の視野を広げていく広報活動として広く認知されています。
ここで自主的なディスクロージャーを積極的に行わない企業の狙いは何なのかという質問が挙がりました、嵐くんの回答としては経営に関わって欲しくない企業なのではないかというものでした
最後に損益計算書の内容について、区分されたそれぞれの利益にはどのような特徴があるのかを中心に勉強していきました
一番目に売上総利益ですが算定式は「売上高 - 売上原価 」となります
売上総利益は粗利益とも呼ばれるように企業の営業活動によって生じる根源的な利益という性格を持ちます
二番目に営業利益ですが算定式は「営業利益 = 売上高 - 売上原価 - 販売費及び一般管理費」となります
営業利益は企業本来の業務から生まれた利益を示し、企業の本来の業務が上手くいっているかを判断する指標になります
このように営業利益は「本業による利益」という性格を持ちます
三番目に経常利益ですが算定式は「経常利益 = 営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用」となります
経常利益は本業の成果と継続的な金融活動の成果を合わせて示すものであり、日本では企業の経常的な収益力を評価するための重要な情報とされています。
四番目に当期純利益ですが算定式は「当期純利益 = 経常利益 + 特別利益 - 特別損失 - 法人税等」となります
当期純利益は企業における一営業年度の最終的な損益を示し、これを株主に配当として分配したり剰余金として留保を行います
そのため当期純利益は「分配可能な期間利益」という性格を持ちま
五番目に包括利益ですが算定式は「包括利益 = 当期純利益 + その他包括利益」となります
ここでクリーン・サープラスとダーティ・サープラスに関する質問が挙がり、簡単な説明を行いました

ここまで見てきたように区分された利益は企業の業績評価に活用することが出来ます
しかしながら日本会計基準と米国会計基準の利益区分には違いがあるように、指標である数値をそのまま鵜呑みにはせず、一度損益計算に目を通したほうが良いかもしれません
一例としては日本会計基準では営業外費用、特別損失に区分される項目であったとしても事業に関連するものは米国会計基準では営業費用に計上されます、この逆の場合も然りです
複数の会計基準が存在している現代においては自分が必要としている財務情報を比較するためにはほんの少しだけですが手間が必要になってきていると思います

今週の報告は以上です