税金と配当(中編)(2013年12月12日)

4期生の石田裕明です
今週のゼミでは前半に共同研究の中間報告を行い、後半は先週に引き続き「税金と配当」に関しての勉強を行いました、プレゼンテーションの担当者は田路奈都子さんでした

前半の共同研究の中間報告は先ず大学生×企業の共創ラーニングプログラムである『Release;』の研究の進捗状況と当該企業の課題に対するビジネスモデルに関する報告を行いました
報告後は橋本先生や研究メンバー以外から客観的な意見や質問があり、まだまだ修正する箇所があると感じました
具体的には収益モデルの数値化と柔軟性です、ビジネス提案1次の〆切まで後僅かですが頑張って仕上げていきたいと思います
もう一つの共同研究である『京都産業大学の広報戦略』は進捗状況の報告がありました
こちらは取材活動や該当資料の収集で得られた情報を元に解釈を行っていく事になります
どちらの共同研究も大変ですが各々のリーダーを中心に研究メンバー全員で頑張って仕上げていきたいと思います

後半の「税金と配当」は先ずは課税所得の計算から行い、課税の対象となる所得金額は益金-損金となり、法人税額は所得金額×法人税率となるという説明がありました
そして財務会計の「利益・費用」は税法の「益金・損金」と差異があるため、収益と益金の差異は財務会計上の収益ではないが法人税法では益金になるものを益金算入項目(例:有形固定資産を交換で受け入れた場合の交換差益や保険差益)とし、財務会計上では収益だが法人税法では益金にならないものを益金不算入項目(例:受取配当金)として調整し、費用と損金の差異は財務会計上では費用ではないが法人税法では損金になるものを損金算入項目(例:交換差益と保険差益の認識に伴う圧縮記帳で計上される圧縮損)とし、財務会計上では費用だが法人税法では損金にならないものを損金不算入項目(例:所定の限度を超える交際費・減価償却費・各種引当金繰入額)として調整するという説明がありました
次に税効果会計・確定決算主義・株主総会の開催と会計報告・連結納税制度を行いました
税効果会計は法人税等の支出を適切な期間に費用として配分する手続きであり、永久差異と一時差異があるという説明がありました
確定決算主義は株主総会で報告、または承認された損益計算書が示す利益に基づき、それに上述の差異項目をプラス・マイナスする方法であるという説明がありました
株主総会の開催と会計報告は株式会社が作成しなければならない計算書類として貸借対照表、損益計算書、株主資本変動計算書、個別注記表があり、それらを作成する過程の説明がありました
連結納税制度は親会社と国内の100%子会社の損益を通算して課税所得を計算するものであるという説明がありました
また2002年4月1日に始まる事業年度から導入されたが当時、連結納税を選択した企業には連結付加税が課されたため連結納税を導入した企業は164社の留まり、連結納税を導入した企業例としては半導体事業の不振で巨額の赤字を計上していた日立製作所、NEC、富士通、東芝、三菱電機が教科書で挙げられていました
これらの企業の半導体事業は統合され現在はエルピーダメモリ(米マイクロン・テクノロジー傘下)とルネサスエレクトロニクスになっています
過去には日本の電機メーカーが半導体業界をリードしていましたが現在は米インテルや米クアルコムといった海外勢に押され日本は東芝とソニーが奮闘しているといった感じとなっています
http://www.asahi.com/business/update/0823/TKY201308230261.html
また川上の半導体製造装置メーカーに目を向けても東京エレクトロンが米アプライドマテリアルズと経営統合を行いました
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE98N07B20130924
半導体の微細加工を行う露光装置のシェアも1990年台にはニコンとキヤノンで80%のシェアがありましたが現在は蘭ASMLが80%のシェアを握っているという状態になっています
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37967
半導体市場だけを見ても現在32兆円という市場規模にまで成長しています、今は海外勢に押され気味ですが、半導体事業に限らず電子立国日本と呼ばれた頃の強さを日本の電機メーカーには取り戻して復活して欲しいです

プレゼンテーション後は先週行った直接税と間接税の納税者の違いに対する質問と税効果会計に関する質問が挙がりました
直接税は納税を義務付けられた人と実際に納税を行う人が同じ場合で所得税などが該当し、間接税は納税を義務付けられた人と実際に納税を行う人が違う場合で物やサービスに上乗せし実質的に消費者が税金を負担するようになっている消費税などが該当します
次に税効果会計ですが、りそな銀行における事例や経済不況や外部環境の変化で一時的に収益が悪化しただけの場合において潜在的に本業が回復する力を持っていたとしても繰延税金資産の取り崩しを迫られると企業を追い込む事になるのではないかといった質問が挙がりました
それに対しては税効果会計のデメリットもあるがメリットもあるという点や制度として根付いているという議論を行いました
今週はここで時間切れになりました、税効果会計と「税金と配当」の配当は来週に持ち越しとなります
税効果会計の詳細やりそな銀行の事例、質問に対する解説は来週のゼミで橋本先生が行ってくださる予定です

今週の報告は以上です