大学院における指導方針

大学院マネジメント研究科博士前期課程では、会計特論、会計特論演習を開講しています。進学者の多くは、税理士試験の科目の一部免除を目的とした方々です。
科目免除のためには、修士論文のテーマがある程度限定されてきます。この詳細については、国税庁ホームページで開示されておりますのでご参照いただきたいのですが、私の演習ではこれにしたがって、制度会計の中から各人の関心に応じたテーマを設定し、指導することとしています。
科目免除が目的といっても、あくまでもテーマの設定範囲が限定されるというだけで、修士論文は学位論文ですからレベルを下げることはできません。そこで,そういう目的の院生の方々にも、博士後期課程に進学する方と同様に、先行研究のレビューから文献資料あるいはデータ収集などをしっかりと行っていただき、執筆をしていただいています。
なお、私自身は会計史を専攻していますが、院生のテーマをこれに限定していないことはいうまでもありません。ただし、私は歴史研究の重要性を確信しておりますので、会計制度の研究に対しても、今ある制度の解説だけではなく、何故そういう制度になったのか、その歴史的、社会経済的背景をも考察するように指導しています。そうすることにより、現在の問題に対する理解も深まり、将来の方向性も洞察できると考えるからです。
また、法学研究科との間でジョイント・プログラムが設定されています。これはマネジメント研究科で会計学,法学研究科で税法の修士論文を最短各1年半で執筆して修了し、合計3年で2つの学位取得を目指すものです。
本研究室でも、平成25年9月に最初の1年半修了者が出ました。当該院生は,法学研究科も平成25年3月に在学1年半で終了しました。また同氏は,両研究科在学中に,会計学科目と税法科目のうち1科目ずつ合格し,税理士試験免除の条件をクリアしました。
このように精進して3年で目標を達成される方もいますが,どなたでも各1年半,計3年というわけには参りません。各2年計4年かかる方もおられるということはご理解ください。
ただし,本研究室では今後も、このプログラムを希望する院生を積極的に受け入れる方針ですので,受験を希望される方は,あらかじめ大学院事務室で出願の要件などをお確かめの上受験していただけれればと思います。

平成29年1月23日
橋本武久