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今週は、パワーポイントのアニメーションについて解説します。
アニメーションを利用すると、動きのついたインパクトあるプレゼンテーションを実現できます。
教科書を持っている場合は、第5章8「アニメーション効果」P.214 も合わせて参照してください。
パワーポイントの基本的な操作については、前回の資料を参照してください。
一般的なWindows10の場合は、スタートメニューを開き、power
などと入力して検索して見つかった「PowerPoint」アプリをクリックして起動できます。
アニメーション効果を試したい場合は、ある程度、文字や画像などが挿入されたスライドのほうが効果を実感しやすいので、「PowerPointへようこそ」のようなサンプルテーマを開いて、さまざまな効果を実験してみると良いでしょう。
アニメーションによる動きは説明を読んでいるだけでは分かりにくいかと思いますので、ぜひサンプルテーマを自由に編集して実際の動作を確認しましょう。デタラメに書き換えてOKです。
サンプルテーマはここからも入手できます。
PowerPointへようこそ welcometopowerpoint.pptx ←ここをクリックしてダウンロード
画面切り替え効果とは、スライドショー中、スライドが切り替わる際に行われるアニメーションのことです。簡単に実装できて、効果的なアニメーション効果です。
このように、スライドを切り替えるたびに行われるアニメーションが「画面切り替え効果」です。
画面切り替え効果に関する設定は「画面切り替え」タブに集中しています。設定するには、以下のように操作します。
これで設定完了です。
サンプルテーマなどで実際に画面切り替え効果を設定し、動作確認してみましょう。
実際の動作が見たい場合はウインドウ左上にある「プレビュー」ボタン、または「スライドショー」タブ →「現在のスライドから」(Shift
+F5
) で確認できます。
アニメーションは編集画面では動作しないので、動作確認は必ず「スライドショー」モードなどで行う必要があります。
「プレビュー」ボタンでもある程度は動作確認できますが、マウス操作など一部の動作が実際と異なることがあるので、「スライドショー」モードで動作確認をするほうが確実でおすすめです。
とりあえず「Shift
+F5
で動作確認」と覚えておくと良いでしょう。
画面切り替えアニメーションの速さを変更できます。 実際のアニメーションの速度をスライドショーなどで確認しておきましょう。中には速度が遅いものもあります。たとえば「ハチの巣」などです。
スライドを1枚めくるごとに上のように待たされていては、その間は進行が止まりますし、発表時間が無駄になってしまいます。また発表を見ている人も待たされてイライラしてしまうかもしれません。もっと素早いアニメーションをしたほうが良いでしょう。
アニメーションの速度を変えたい場合は、ウインドウ右上あたりにある「期間」欄でアニメーションにかける時間を入力します。単位は「秒」です。たとえば「01.50」なら「1.5秒」を意味します。
下の例は「ハチの巣」の「期間」を「0.75」に設定し、高速化させたものです。
これならば、スライドの切り替えがスムーズですね。
アニメーションに時間をかけすぎて閲覧者にストレスを与えないよう心がけましょう。アニメーション演出にかける時間は、原則1秒以内がおすすめです。
切り替え効果はスライドごとに頻繁に種類を変更すると見づらくなるため、全てのスライドを1種類のアニメーションで統一しておくのがおすすめです。
例えばスライドをめくるたびに、上から登場したり、下から登場したり、くるくる回ったりと、目まぐるしく演出が変わるのは閲覧者にあまり良い印象を与えないでしょう。
要するに、画面切り替え効果は「すべてに適用」ボタンで一括設定し、1種類にそろえておくのがおすすめです。
ただし特別なスライドだけ切り替え時にインパクトを狙いたいといった理由であれば、アニメーションの種類を一部変えても良いかもしれません。
図形や文字、ワードアートなど、スライド上に存在するほとんどのオブジェクトに対して、個別にアニメーションを設定できます。これが「アニメーションの個別設定」です。
文字や図形などを一つ一つ好きに動かせるわけです。
アニメーションについていろいろな設定を行うために、「アニメーションウインドウ」を使います。作業の前にあらかじめ出現させておくと便利です。
アニメーションウインドウ内には、設定したアニメーションが順次登録されていき、再生順番を変えたり、不要なアニメーション効果を削除したりと、さまざまな作業を行えます。
アニメーション関連の作業をする際は、アニメーションウインドウを出現させておくのがおすすめです。
個別アニメーションに関する各種設定は、すべて「アニメーション」タブに集中しています。具体的にアニメーションを設定するには、以下の操作を行います。
以上で設定は完了です。
このように好きなオブジェクトをクリックして、個別にアニメーション効果を追加できます。
試しに、スライド内にある図形などに、好きな個別アニメーションを設定してみましょう。
アニメーション効果はほとんど全てのオブジェクトに対して適用できます。テキストボックス、ワード、画像など、クリックして選択されるものには、たいていアニメーション効果が追加できます。
通常、一つのオブジェクトには一つのアニメーションしか設定できませんが、実は「アニメーションの追加」ボタンで設定すると、一つのオブジェクトに複数のアニメーションを登録でき、連続実行させられます。
下の例では、一つのオブジェクトに「アニメーションの追加」を使って複数のアニメーションを連続実行させています。
このように「アニメーションの追加」ボタンで設定を追加すれば、1つのオブジェクトに複数のアクションをさせられます。
表現の幅が広がりますね。
複数のアニメーションを連続実行する時は、再生順序が重要です。
再生順序を変更したい場合は、アニメーションウインドウ内を確認してください。設定済みのアニメーションが一覧表示されていて、上のものから下のものへと順番にアニメーションが実行されるようになっています。
再生順序は上下にドラッグして入れ替えられます。
そこで先に実行したいアニメーションを上へドラッグ、後で実行したいアニメーションを下にドラッグすれば、再生の順番を調整できます。
上の例では、3つのアニメーションが上から順に実行される様子がわかります。
スライドショーモードなどで動作確認し、期待通りの順番でアニメーションが行われるか確認しましょう。
もし不要なアニメーションがある場合は、アニメーションウインドウ内で不要なものを選択し、キーボードの Delete
キーを押して削除できます。
なお、このようにアニメーションウインドウ内で行う削除操作は、アニメーション効果が消えるだけで、図形や画像などオブジェクト自体が削除されるわけではありません。安心ですね。😁
アニメーションが追加されたオブジェクトは、目印として左上に「1」のような番号が付きます。これは何回目のクリックでアニメーションが再生されるかの順番を表しています。
上の図では「1」の番号が振られているので、スライド上で1回目のクリックをした際にアニメーションが実行されると分かります。
番号を見れば、「このスライド上でクリックが何回必要か」「アニメーションがどの順番で行われるか」が分かります。
アニメーションを開始するきっかけを調整できるのが「開始タイミング」の設定です。
通常、アニメーションはマウスをクリックすることで実行されます。つまり、アニメーションは停止した状態でクリックされるのを待ちます。クリックしないと、アニメーションは始まりません。
そこで「開始タイミング」を変えれば、クリックしなくてもアニメーションが自動再生されるようにしたり、複数のアニメーションを同時に行えるようにしたり設定できます。これがアニメーションの「開始タイミング」設定です。
開始タイミングを設定するには、以下の手順で操作します。
開始タイミングには、以下のような種類があります。
例えば、全てのオブジェクトを「直前の動作の後」に設定したなら、複数のオブジェクトが自動的に順番にアニメーションを行います。一つ前のアニメーションが終わったらすぐ次のアニメーションを行う、という感じになります。
同様に全て「直前の動作と同時」に設定したなら、複数のオブジェクトが自動的に一斉にアニメーションを行います。
「直前の動作と同時」または「直前の動作の後」に設定するとクリック不要になるので積極的に活用しましょう。
たとえばクリックが1回も必要ないスライドでは、オブジェクトの左上に付くクリック回数を示す番号が「0」になります。
プレゼンテーションをスムーズに行うには、余計なクリックはなるべく省くほうが良いでしょう1)。
例えばタイミングを見計らってクイズの答えを出す場合などはクリックが必要ですが、演出などでアニメーションを行う場合は、可能な限りクリック不要な「直前の動作と同時」または「直前の動作の後」設定にしておくのがおすすめです。
個別アニメーションでも、上で紹介した画面の切り替え効果と同様に、アニメーションの速度を変更できます。
アニメーションの速度を変えたい場合は、調整したい対象をクリックした後、ウインドウ右上あたりにある「継続時間」欄でアニメーションにかける時間を入力します。単位は「秒」です。たとえば「00.75」なら「0.75秒」を意味します。
実際のアニメーションの速度は、スライドショー (Shift
+F5
) などで確認できます。 速度が遅すぎると、テンポが悪くなります。アニメーションに時間をかけすぎて閲覧者にストレスを与えないよう心がけましょう。やはり1つのアニメーションにかける時間は、原則1秒以内がお薦めです。
アニメーションの種類には「開始アニメーション」「強調アニメーション」「終了アニメーション」の3種類があります。
アニメーションのアイコンはそれぞれ 緑色、黄色、赤色 に色分けされていて、それぞれ特徴があります。
実際のアニメーションの動きについては、下の動画を参考にしてください。
なお下の方にある「その他の○○効果」という選択肢をクリックすると、さらに多くの種類のアニメーションを選べます。
通常よりも豪華なアニメーションが見つかることでしょう。
後から出現させたいものには「開始アニメーション」を、後で画面から消してしまいたいものには「終了アニメーション」を設定すると良いでしょう。
「アニメーションの軌跡」という種類のアニメーションを設定すると、指定した経路に沿ってオブジェクトを自由に移動させられます。あらゆる物体を自由な経路で移動させられる強力なアニメーション機能です。
Enter
か ESC
キーを押して作業終了します。終了時にはドラッグした経路にそって移動する様子がプレビュー再生されます。
設定した経路は、特殊な矢印オブジェクトとしてパワーポイントに記録されます。上の図で点線に見えているものです。
もし移動経路が期待したものでなかった場合は、矢印オブジェクトをクリックしDelete
キーで消去できます。
オブジェクトは、スライドの外の領域にも配置できます。その場合、スライドショー中、該当オブジェクトは画面に表示されません。
しかし、「アニメーションの軌跡」を使ってスライド内を横切るように設定すると、画面外からオブジェクトが登場してくる演出を実現できます。
このように画面の外からオブジェクトが現れ、画面の外へと消えていく様子が分かります。
なお標準の状態ではスライドが画面全体を覆っているので、スライドの外を使いたくてもがほとんど見えないため使いにくいです。
編集しやすくするために、ウインドウ右下部のゲージを使って画面の拡大率を少し下げると良いでしょう。「Ctrl
+マウスホイール回転」でも拡大率を変更できます。
スライド外の領域は画面に映らないという特徴を利用して、とりあえず要らないパーツを置いておく倉庫のような使い方ができるほか、キャラクターが画面下から現れたり、画面上からアイテムが落ちてきたり、不要になったキャラクターを画面外に退場させて見えなくする「舞台袖(ぶたいそで)」のような使い方もできます。活用してみましょう。
複数のオブジェクトで構成されている図形の場合、「Ctrl
+クリック」で複数選択をし、「右クリック」→「グループ化」でグループ化してからアニメーション設定をすると、全体の構造を保ったままアニメーションできます。
グループ化せずにアニメーションを設定すると、各々のオブジェクトが各オブジェクトの中心を基準に個別にアニメーションします。
例えば下の例では、左側はグループ化を行っていないもの、右側はグループ化を行ったものです。
左側はオブジェクト一つ一つが回転しているのに対して、右側は全体が一つのオブジェクトとして回転しています。
オブジェクトを選択すると違いが分かります。右側はグループ化をしているので、全体が一つのオブジェクトとして選択されている様子が分かります。
このようにグループ化をすると、複数のオブジェクトを1つのもののように扱ってアニメーション設定もできるということです。
上記を踏まえた上で、1スライドに1つずつ、次のようなアニメーションを作成してください。表紙1スライド+6スライド=合計7スライドになります。
各アニメーションの詳しい解説は、下の項 課題の作り方 にありますので参考にしてください。
作成したファイルは、学生番号 氏名 アニメーション.pptx
という名前で保存し、moodleに提出してください。
例: 123456 山田太郎 アニメーション.pptx
提出期限は、次回の授業日いっぱいとします。
学習支援システム moodle
https://cclms.kyoto-su.ac.jp/
moodleへの課題提出方法が分からない場合は、こちらを参照してください。
moodleに課題をアップロードする方法
6つのアニメーション課題の詳しい作り方を解説します。参考にしてください。
テキストボックスに対して「開始アニメーション」を設定する課題です。
このように開始アニメーションを設定すれば、情報を後出しできます。
スライドを見ている人がゆっくり考える時間を設けたり、スライドを表示した直後の状態をすっきり見せたりする効果が期待できます。
文章が入ったテキストボックスに対してアニメーションを設定します。
さらに「クリックなし」で「開始アニメーション」を自動実行させる課題です。
富士山(ふじさん、英語: Mount Fuji)は、静岡県(富士宮市、裾野市、富士市、御殿場市、駿東郡小山町)と、山梨県(富士吉田市、南都留郡鳴沢村)に跨る活火山である。標高 3776.12 m、日本最高峰(剣ヶ峰)の独立峰で、その優美な風貌は日本国外でも日本の象徴として広く知られている。数多くの芸術作品の題材とされ芸術面のみならず、気候や地層など地質学的にも社会的に大きな影響を与えている。懸垂曲線の山容を有した玄武岩質成層火山で構成され、その山体は駿河湾の海岸まで及ぶ。
このように最初から表示しておきたい文章などはなるべくクリック不要に設定して、操作の負担を減らすと良いでしょう。
一つのオブジェクトに複数のアニメーションを設定する課題です。
アニメーションが以下の順番で行われることで、複数の画像が次々にスライド上に現れるような演出ができます。
物体を消去(終了アニメーション)して、別の物体を出現(開始アニメーション)させるのを繰り返す流れです。
このように開始アニメーションと終了アニメーションを駆使すれば1枚のスライドを擬似的に複数枚のスライドのように扱えるようになります。
画像以外にも応用でき、いろいろなコンテンツを余分なものが見えないようすっきりさせつつ、連続的に見せる効果が期待できます。
「アニメーションの軌跡」を使う課題です。
迷路部分は四角形を置いて作るなどすると良いでしょう。
「アニメーションの軌跡」機能を使うと、文章と画像だけでは表現が難しい「動き」を演出できるのがポイントです。
例えば避難経路の説明や、チーム戦での各選手の動きの表現など、さまざまなシーンで活用できます。
「アニメーションの軌跡」を使う課題です。
このように「動き」に反応する人間の視覚の特性を活かして、注目を集める手段として使うこともできます。
ただし強力ゆえに多用すると不快な演出になる場合があるので注意しましょう。
スライド外の領域と「アニメーションの軌跡」を活用した課題です。
もし余裕があれば、キャラクターを画面中央まで移動させた後、開始アニメーションで図形「吹き出し」を表示させたり消したりしてキャラクターにセリフをしゃべらせることもできます。キャラクターを2体用意すれば、簡単な掛け合いシーンのようなアニメーションも作れます。色々できそうですね!😆
以上で今回の作業は終了です。おつかれさまでした。