index.html
とする」という暗黙の了解があります。Microapacheでもそのようなルールになっています。
なので
index.html
は外から来た人が最初に訪れるページであると言えます。今回は、前々回(第3回)まで編集していた自己紹介ページの書き換え作業の続きを行います。
前々回の段階で、USBメモリ上に MicroApache というサーバーを設置していました。
これはサーバー経由でホームページにアクセスするという正式な手順を踏むためです。
今回は、自己紹介ページ jikosyokai.html
を主に編集します。
ファイルの配置は以下のようになっているはずです。
現在、自己紹介ページ jikosyokai.html
の内容は、おおむね以下のようになっているでしょう(実際には文章の内容や、使っている色、画像ファイルの名前など、皆さんそれぞれ異なるかと思います)。
<!DOCTYPE html> <html lang="ja"> <head> <meta charset="UTF-8"> <title>自己紹介</title>ページタイトル </head> <body bgcolor="#ddeeff" text="#004488">背景色と文字の色<!-- 本文ここから -->コンテンツ コンピュータ基礎実習 上級 ○曜○限<br> 学生番号 123456<br> 学部 外国語<br> 学年 1<br> 氏名 ○○○○<br> <h1><font color="#0088ff">自己紹介</font></h1>文字色の変更 font大見出し h1 <p><img src="neko.jpg"></p>画像の表示 img <p>こんにちは、○○です。 コンピュータ基礎実習を受けることになりました!京都市内の実家から通っています。<br> ウェブページは普段見るだけですが、この講義はページを作成する授業と聞いてどんなものか興味があります。</p> <h2><font color="#0088ff">● 趣味または得意なこと ●</font></h2>中見出し h2 <p>友人と月に何度かカラオケに行きます。安い店を知っているので行く回数は多めです。気分転換にいいですね。<br> あと最近はAmazonのKindleで電子書籍を読むのがマイブームです。読み終わった本がかさばらず、値段がちょっとだけ安い事が多いので助かります。最近面白いと思った作品は「鬼滅の刃」です。流行の作品なので読んでみましたが、意外と面白かったです。キャラクターの目的がはっきりしているのが良いと思いました。先生にもお勧めします、未読ならいかがですか?</p> <h2><font color="#0088ff">● ウェブページ作成について ●</font></h2>中見出し h2 <p>インターネットは普段良く見ていますが、ページを作ったことはありません。今度サークルのページをつくろうかと思っています。トップページとリンク集と、簡単な掲示板があれば良いかなと思っています。どこまでできるかわかりませんががんばります。</p> <h2><font color="#0088ff">● 先生に一言 ●</font></h2>中見出し h2 <p>がんばって受講しますのでお手柔らかにお願いします。</p> <!-- 本文ここまで --></body> </html>
jikosyokai.html
の例<title>
~</title>
の範囲内にページのタイトルを記入しましょう。<body>
~</body>
の範囲内に、画面に表示する内容(コンテンツ)をすべて記入しましょう。ページの背景に色がついて、画像が表示されていることでしょう。
それでは以下の手順で MicroApache サーバーを起動し、作業の準備を行いましょう。
run.cmd
を実行して、MicroApache サーバーを起動します。http://localhost:8800/
が開いてトップページ index.html
が表示されます。http://localhost:8800/jikosyokai.html
のようなアドレスにアクセスして、自己紹介ページ jikosyokai.html
をブラウザに表示させましょう。htdocs
フォルダ内にある jikosyokai.html
を、サクラエディタなどのテキストエディタに読み込ませて、ページの内容を編集できる状態にしましょう。今回はHTMLの基幹となる技術である「ハイパーリンク」について解説します。クリックすると別のページが開いたりする、いわゆる「リンク」のことです。
リンクは基本的な使い方から発展し、さまざまな用途がある奥深いものなので、ぜひ使い方を学んでください。
そして前回まで作っていた自己紹介ページにリンクを追加し、提出してもらうのが目標です。
リンクについて第2回でも簡単に触れましたが、ここで再び基本をおさらいしておきましょう。
「ハイパーリンク」(Hyperlink)とは、別のページや画像などと結びつける機能です。単に「リンク」とも呼ばれます。
リンクはブラウザ上ではおおむね青色の文字に下線が引かれた姿で表され、クリックすることでリンク先のページなどを開くことができます。
これがよくあるリンクです
たとえばこのページにも、さまざまな部分にリンクが使われています。(図の赤い矢印で示した部分がリンクです)
リンクはいたるところにありますね。
ページの中のどこかをつっつくと、別のページが出てきますよね? あれはリンクでつながっているということなのです。
2ページ以上作るなら、リンクは必須のものと言えるでしょう。
ページが増えてきたら、リンクでつないで、すみずみまでアクセスできるようにしましょう。
例えば、あなたのサイトを閲覧している人は、まず最初のページである index.html
に訪れますが1)、そこからリンクでつながっていないページに辿り着くことはできません。
仮に、サーバー上にある xyz.html
にどこからもリンクが張られて居なかったとしても、正確なページの名前が分かっていれば、http://localhost:8800/xyz.html
のようにURLのうしろにファイル名を正しく書くことでアクセスできます。 しかしながら、xyz.html
がサーバーに有ることを知っているのは製作者である貴方だけでしょう。ふらりとサイトにやってきた閲覧者は、そんなことは知る由もないので、xyz.html
と入力することなど、きっと思いつきもしないでしょう。たとえ知っていたとしても、いちいち入力するのは面倒ですし。
というわけで、せっかくページを作っても、最初の入口である index.html
から他のページにリンクをつなげておかないと、スムーズにアクセスすることができません。ですから、あなたがサイトを作るときは、全てのページにアクセスできるよう、もれなくリンクをつなげておきましょう。
index.html
には、もちろん、一方通行ではなく、進んだあと、戻ってこれるような経路もリンクで作っておかないとスムーズに移動できません。
ページ同士がしっかりリンクで繋がっているからこそウェブページは成立している、それぐらいに「リンク」は重要なのです!
それではリンクの作り方を解説しましょう。
ウェブページ上にリンクを作成するには <a>
(アンカー・Anchor)2)を使用します。以下のような書き方をします。
<a href="リンク先アドレス">画面表示内容</a>
画面表示内容
「画面表示内容」の部分が画面に表示され、青い色で下線が引かれたデザインに変化します。実際にはどこにリンクしているのかが良く分かるような文字を自由に書いてください。
そして「画面表示内容」の部分をクリックすると、href="リンク先アドレス"
で指定した場所が開きます。
href
は「Hypertext Reference(ハイパーテキストの参照)」の略だそうです。
例えばGoogleにアクセスするためのリンクでは、次のようになります。試してみたい場合は、自己紹介ページ jikosyokai.html
の空いたスペースに書き込んで実験してみると良いでしょう。
グーグルはこちら
画面上に表示される「グーグルはこちら」部分をクリックすると http://www.google.co.jp/
つまりグーグルにアクセスできるというわけです。(もし上のリンクを実際にクリックしたなら、ブラウザの「⇦戻る」で戻ってこられます)
必ず href="~"
でリンク先を設定するのを忘れないでください。href
属性を設定しないとリンクは意味を持ちません。
上の例の「画面表示内容」にあたる部分は文字でなくても構いません。例えば画像をクリックしたらリンクすることもできます。
例えば、あなたのサイト内にrequest.html
というページがあり、button.gif
という名前で のような画像が用意してあるとします。
このとき下のように書けば、画像をクリックしてリンク先であるrequest.html
を開けるようになります。
<a href="request.html"><img src="button.gif"></a>
a
タグが img
タグを囲っています。上の画像をクリックすると、基礎実習のページに移動します。ブラウザの「⇦戻る」で戻ってこられます。
この例の場合は、<a>
~</a>
の中に、画像表示するための<img>
がまるごと入っている形です。<img>
で画像を表示し、<a>
~</a>
でその周りを囲えば、画像をクリックするとリンクをクリックしたことになるのです。
そして href="request.html"
のように、リンク先をファイル名にすると、あなたのサイト内から指定のファイルを探して開けます(当然、現在のファイルと同じ場所に request.html
が存在しないとエラーとなります)。
このように<a>
~</a>
要素内に文字や画像などを入れれば、リンクにできます。押しボタンスイッチのように見える画像を入れれば、クリックした時に別のページを見せることができるというわけです。前回作ったボタンの画像が役に立ちそうですね!
よくある小さなバナーなどは基本的に、このような構造になっています。
href="~"
で指定するリンク先が存在しない場合は、「404 Not Found」エラーが表示されます。エラー画面がどのようになるかは、環境によって異なります。
例えば、このページの場合は以下のようなエラー画面となります。
(クリックした場合は、エラー画面を×で閉じると戻ってこられます)
このリンクは誤ったリンクです。クリックすると、エラー画面を別窓で開きます。
京都産業大学のサーバーは、上のようにいろいろと豪華なデザインでエラー画面を表示するかも知れません。
MicroApacheサーバーでは、もっとシンプルなエラー画面が出ることでしょう。
Not FoundThe requested URL /xyz.html was not found on this server.
このようにサーバーによってエラーの見た目はだいぶ異なります。
ともかく、リンクがエラーにならないよう、アクセス先の入力間違いに注意しましょう。可能ならファイル名やホームページアドレスを入力する際に、コピー Ctrl
+C
、貼り付け Ctrl
+V
を使うと正確に入力できるのでおすすめです。
リンク先には、実はいろいろな種類があります。
「リンク先アドレス」を変えることで、リンクはさまざまな動きをします。
以下に代表的なリンク先の設定方法を紹介します。
リンク先をホームページアドレス(URL)にするリンクです。上でも紹介した、もっとも標準的なリンクがこれです。
リンク先URLは http://
(あるいは https://
)を含め正確に記入してください。3)
<a href="https://www.yahoo.co.jp/">Yahooにアクセス!</a>
この方法はあなたのサイト外にある、別サイトに接続するための基本的な方法です。
リンク先としてURLではなく、単にHTMLファイル名を書くと、あなたのサイト内から指定されたHTMLファイルを探して表示します4)。
単にファイル名を書く場合、現在のHTMLファイルと同じフォルダ内にリンク先のHTMLファイルを配置しておいてください。
なおリンク先ファイルの書き方は、以前紹介した「絶対パス」「相対パス」が使えます。これらを使えば、別の場所にあるファイルにもリンクできます。詳しくは、第3回の資料で紹介した「パスについて」の記事を参照してください。
<a href="index.html">トップに戻る</a> <a href="jikosyokai.html">自己紹介</a>
この方法はあなたのサイト内にある、別ページにアクセスするための基本的な方法です。
HTMLは1ファイルが1ページなので、ページ枚数が増えた場合にはリンクを多用することになります。この記事の冒頭で解説したとおり、最初に表示される index.html
からあらゆるページにアクセスできるよう、リンクをすみずみまで設置しておくのが良いでしょう。
index.html
からは
リンク先をHTMLファイルではない、他の種類のファイルにした場合、自動的にダウンロードリンクとなります。
違いは、リンク先がWORDファイルやEXCELファイル、音楽ファイルや映像ファイルといったものになっているだけで、あとは同じです。
このようなリンクをクリックした時に何が起こるかは、ページ閲覧者が利用しているブラウザの設定次第で変わりますが、おおむね以下のような動きをするはずです。
<!-- JPG画像へのリンクは、クリックで画像が表示されます。--> <a href="mycat.jpg">猫の画像</a> <!-- PDFファイルへのリンクは、クリックで直接書類の中身が表示されます。--> <a href="context.pdf">配布資料</a> <!-- WORDファイルへのリンクは、クリックでダウンロードが始まります。--> <a href="example.docx">練習問題</a>
これらの動作は端末側の設定で決められているので、どんな動作になるかは実際に試してみるのが一番かもしれません。
要するに、あなたがサイト上に掲載したものを閲覧者に配布したい場合などは、単にそのファイル名を書けば良いというわけです。
リンクは別のページが開くのが一般的ですが、特殊な書き方をすると、同じページ内の別の位置にリンクすることもできます。
長いページの中を素早く移動できる特殊なリンクです。
具体的には、以下のように設定しましょう。
あらかじめページ内の リンク先 となる場所に <a name="ラベル名"></a>
のようにラベルを設置しておきます。
<a name="top"></a>
href="~"
の代わりに name="~"
を使うのがポイントです。<a name="ラベル名">
と </a>
の間には、何も書かなくてOKです。top
としています。「ラベル名」の決め方には以下のようなルールがあります。0~9
a~z
A-Z
、ハイフン -
、アンダーバー _
、コロン :
、ピリオド .
です。(難しければ、とりあえず「記号はハイフンしか使わない」と覚えておくと無難です)01
あるいは 301room
#12
のようなラベルは認められません)TOP
Top
top
はそれぞれ別のラベルとみなされます。
一方、リンク元 となる場所では、<a href="#ラベル名">
のように、リンク先を「#を付けたラベル名」に設定します。
<a href="#top">ここをクリックしてTOPに戻る</a>
ここをクリックしてTOPに戻る
#
を付けるのがポイントです。5)<a>
~</a>
で囲った範囲が青色のリンクになります。実際に設置する例を下に示します。
下の例では「TOPに戻る」と書かれた部分をクリックすると、ラベル top
を設置した位置に自動的に移動します。
書き方が似ているので注意
「リンク元」と「リンク先」で書き方が微妙に異なります。
name
と href
の違い、ラベル名の #
のあり・なしに注目してください。
<!-- リンク先 --> <a name="top"></a> <!-- リンク元 --> <a href="#top">ここをクリックしてTOPに戻る</a>
余裕があるなら jikosyokai.html
の一番下から、ページの一番上端に戻る同ページ内リンクを設置してみましょう。ちょうど上に示した例と同じように書けば動作するはずです。
同ページ内リンクで移動するのは、画面をスクロールさせるのと同じ動作ですが、縦に長いページ内で移動がスムーズに行えるようになるというメリットがあります。
後で課題に取り組む際に、この同ページ内リンクを使用しますので、リンクの仕方を把握しておいてください。
例えば以下のように設定すれば「目次」機能を作る事もできます。目次の項目をクリックすると、文章内の各見出しに移動できるというわけです。
<h1>目次</h1> <a href="#first">はじめに</a><br> <!-- ここをクリックすると... --> : : : : <a name="first"></a> <!-- ここへと移動します --> <h1>はじめに</h1> <p>まずはじめに、今回のレポートの概要を説明します。第一に……
上の場合、目次の欄にある <a href="#first">はじめに</a>
のリンクをクリックすると、実際の見出しである <a name="first"></a>
が書かれた位置まで自動的に移動します。つまりページ冒頭に書いた目次から各章へ、すばやく移動できて便利というわけです。
ラベル名を応用すれば、別のページに設置されているラベルの位置にリンクすることもできます。
長いページの特定の部分を見せたい時に便利です。
移動先のHTMLファイルにあらかじめラベル <a name="~"></a>
を設置しておき、リンクの際は<a href="ファイル名#ラベル名">~</a>
と書きましょう。
「ファイル名」と「#ラベル名」をつなげて書くのがポイントです。
<a href="question.html#qa23">よくある質問23:動かない時は?</a>を参照してください。<br>
上の例では「question.html
」ページ内に設置した「qa23
」ラベル6)の位置に移動できます。例えばページの中にたくさんの よくある質問 が書かれている場合に、特定の質問をすばやく見せられるというわけです。
縦に長いページは移動するのが大変なので、あらかじめラベルを設置しておくとスムーズに移動できるでしょう。
次は、リンクの色に注目してみましょう。
リンクは通常、青色で下線が引かれたデザインとなります。また、過去にアクセスしたことがあるリンクは、紫色で下線が引かれたデザインになります。
まだアクセスしたことがないリンク アクセスしたことがあるリンク
しかし例えば背景が青色系の場合、リンクの文字色も青色だと文字が背景に溶け込んでしまうので、見づらくなる場合があります。
まだアクセスしたことがないリンク アクセスしたことがあるリンク
上記のような配色では、リンクがどこにあるのかよく見えません。
その場合は、あなたのHTMLの冒頭部分にある <body>
に属性を追加し、リンクの色を見やすいものに変更しましょう。
<body link="#66aa00" vlink="darkgreen" >
まだアクセスしたことがないリンク アクセスしたことがあるリンク
このように <body>
タグに link
属性を追加すると、リンクの文字色を変更できます。
同様に vlink
属性(Visited link)を追加すると、アクセスしたことがあるリンクの文字色をそれぞれ設定できます。
これらの設定は <body>
に対して行うため、ページ全体に影響が及ぶので、注意してください。
リンクの色をページのデザインにマッチしたものに変えておくと良いでしょう。
例えば、青い背景ならリンクの色を通常よりも白っぽくしておくと見やすいでしょう。
<body bgcolor="darkblue" link="skyblue" vlink="deepskyblue">
まだアクセスしたことがないリンク アクセスしたことがあるリンク
ただしあまり奇抜な色にすると、ページの閲覧者にリンクと認識してもらえない可能性があるので注意しましょう。
もしページ全体のリンク色を変えてしまうのではなく、部分的にリンクの色を変えたい場合は、<font color="xxxx">
~</font>
を使う方法もあります。
下の例では<font>
を使って文字色を赤に設定しています。影響が及ぶ範囲は、このリンクだけです。
<p><a href="http://www.google.co.jp/"> <font color="red">Googleはこちら</font> </a></p> <p><a href="http://www.google.co.jp/">こっちは普通のリンク</a></a>
グーグルはこちら
こっちは普通のリンク
<font color="xxxx">
~</font>
による設定は、<body>
による設定より優先されるので、一箇所だけ色を変えたいときなどに便利です。
一度アクセスしたことがあるリンクの色はふつう紫色に変色しますが、変色させたくない場合はlink
とvlink
の色を同じ色に設定しておけば実質的に変色しなくなります。
例えば下の例の場合、通常のリンクの色 link
が blue
で、アクセスしたことがあるリンクの色 vlink
も blue
なので、アクセスの有無に関係なく、常に青色 blue
のリンクが表示され、変色を防げます。
<body link="blue" vlink="blue">
まだアクセスしたことがないリンク アクセスしたことがあるリンク
一度アクセスしたことがあるかどうかは気にしない、それよりもリンクの色を統一したい時にはこの設定が良いでしょう。
リンクに専用の属性 target
を加えれば、クリックした際に別のウインドウ(あるいは別のタブ)を開けるようになります。
具体的な書き方を説明する前に、なぜリンク先を別ウインドウで開く必要があるのかを考えてみます。
通常リンクをクリックすると、ブラウザのウインドウはそのままに、画面の内容だけが別のページに切り替わります。しかしこの動作は不便な場合があります。例えば、あなたが作成したサイトの中にリンク集を作ったと想像してみましょう。下のようになったとします。
ページ閲覧者がYahooのリンクをクリックした場合、画面はYahooのものに切り替わります。そしてYahooのサイトを見終わった閲覧者がウインドウを閉じると、あなたサイトの画面に戻ること無く、画面が閉じられてしまいます。
他のリンクも見たかったかもしれない閲覧者は、せっかくあなたが用意した他リンクを見ること無く、別のサイトに興味を移してしまうかもしれません。 そもそも、二度とあなたのサイトを訪れることは無く、そのまま忘れ去ってしまうことでしょう。たとえば広告料を支払ってあなたのサイトに集客をしている場合などは、せっかく訪れた訪問者をみすみす逃してしまうことになり、目も当てられません。(お金を払ってまでお客さんを呼んだのに、さっさとどこかに行ってしまうなんて!🤣)
そこでリンク先を別ウインドウで開くようにすると、このような問題を防げます。リンクをクリックした閲覧者がウインドウを閉じても、あなたのサイトのウインドウがまだ残っているからです。
このように外部のサイトにリンクする場合や、複数のページに分岐したい場合は、リンク先を別ウインドウで開くようにすると良いでしょう。閲覧者がうっかりウインドウを閉じて、そのままあなたのサイトのことを忘れてしまわないようにする効果もあります。
前置きが長くなりましたが、具体的にHTMLで別ウインドウが開くリンクを作るには、以下のように記述します。
<a href="http://www.google.co.jp/" target="_blank">ここをクリックすると別窓でGoogleを開きます</a>
ここをクリックすると別窓でGoogleを開きます
基本は通常のリンクと同じ書き方ですが、target="_blank"
のように target
属性が追加されているのがポイントです。
上のリンクをクリックすると、Googleのページが別ウインドウで開きます。ウインドウを×ボタンで閉じたら、この基礎実習のページに帰ってこれる様子が分かるでしょう。
もし別ウインドウで開く設定をしておかなかったなら、Googleのウインドウを閉じた際にウインドウは消えてしまい、基礎実習のページには帰ってこれません。大変です。🤣
このように target
(ターゲット)属性を追加し、_blank
(先頭にアンダースコア _
を付けて「ブランク」)7) という専用の値を記入すると、別ウインドウで開くようになります。
なんでもかんでも別ウインドウで開けば良いわけではありませんが、外部サイトにつながるリンクを設置する際などは、上記の別ウインドウ指定をしておくのがおすすめです8)。
ページ上に多くの画像を掲載したい場合、単純に画像をページ上に並べると、画像で画面が埋め尽くされ見づらい場合があります。特に高性能なカメラで撮影した写真映像などは解像度(画像の密度)が高いため、非常に大きな画像となる傾向があるので、そのまま掲載すると、写真が画面を埋め尽くしてしまう事態におちいります。
また大きな画像はデータ容量も大きいです。たくさん掲載されていると、ページを開くたびに大量のデータが一度に転送されるため、ウェブサーバーやネットワークの負担となります。閲覧者もページが開くまでに待たされるため、ストレスを感じるでしょう。 俗に言う「重いページ」です。
そこで、たくさん画像を掲載する際は、「縮小画像」を並べるようにすると良いでしょう。
そして、縮小画像をリンク化し、クリックすると大きな画像が表示されるよう設定すれば、ページのデザインとデータ転送量の両方に効果的です。
このような縮小画像のことをネット用語で「サムネイル」(thumbnail)と言います。9)
たとえば 大きな画像 myface.jpg
を掲載する場合、縮小画像 myface-s.jpg
を別途用意して、以下のようにHTMLを記述すると良いでしょう。
<a href="myface.jpg" target="_blank"> <img src="myface-s.jpg"> </a>
基本は <img>
タグを使って縮小画像 myface-s.jpg
のほうを画面に表示させます。<img src="myface-s.jpg">
最初に画面に見せるのはあくまで縮小画像というわけです。
縮小画像のファイル名には small(スモール)を意味する -s
をつけるなど、元画像とサムネイルが区別しやすい工夫をすると良いでしょう。
そしてその <img>
全体を <a>~</a>
のリンクが囲っており、リンク先 href
が元の大きな画像 myface.jpg
になっています。(さらに target="_blank"
で別窓で開くようにもしてあります)
動作イメージは以下のとおりです。下の画像をクリックすると大きな画像が表示されます。そして画像を見終わってウインドウを閉じると、このページに帰ってこられます。
サムネイルを作るためには、元々の画像を小さくした「縮小画像」を別に作る必要があります。
たとえば Windows標準の「ペイント」アプリの場合は、対象の画像を読み込んだ後に「サイズ変更」ボタンを押して縮小できます。
前回の授業で紹介した画像編集アプリ Paint.net であれば、画像を読み込んだ状態で「画像」メニュー →「画像サイズを変更(Ctrl
+R
)」を選択すると縮小できます。
他の画像編集アプリでも、だいたい似たような「編集」→「画像解像度」など、ほぼ同様の操作で縮小処理ができます。
画像の枚数が多いと、こういった作業は面倒になりますが、そのよう場合は、縮小画像を作成する専用のアプリケーションを使うなどすれば簡単に処理できます。例えば Windows の代表的な画像縮小アプリケーションとして、「縮小専用。」というツールがあります。
縮小専用。公式サイト
http://i-section.net/software/shukusen/
画像ファイルをドラッグし、このアプリのウインドウに放り込むだけで自動的にサムネイル(縮小画像)を作ってくれる無料の Windows 用ツールです。もしよければ参考にしてください。アプリの使い方は上記公式サイトを見ると分かりやすいと思います。
今回はハイパーリンクに関する様々なテクニックを紹介しました。
index.html
から全てのページにリンクでつなげておきましょう。<a href="リンク先">ここをクリックしてください</a>
<img>
タグをリンクで囲いましょう。<a href="リンク先"><img src="画像ファイル名"></a>
<a href="xyz.docx">ダウンロードリンク</a>
target="_blank"
を追加します。<a href="リンク先" target="_blank">ここをクリックしてください</a>
<a name="ラベル名">
でラベルを設置します。そして、<a href="#ラベル名">
でリンクします。<a href="#ラベル名">ここをクリックしてください</a>
↓↓↓<a name="ラベル名"></a>
<body>
タグに属性を追加して設定できます。<body link="green" vlink="darkgreen">
自己紹介サイト作成の続きを行います。前回までの授業で作成した自己紹介ページ jikosyokai.html
を以下のように編集しましょう。
diary.html
link.html
kuma.png
kuma-s.png
の4ファイルが格納されています。jikosyokai.html
と同じ場所に配置してください。diary.html
は日記ページになっています。ページ上部の「2010年3月」「2010年4月」「2010年5月」と書かれている部分をクリックすると、ページ内の対応する見出しに同ページ内リンクするように設定してください。同ページ内リンクの項が参考になります。diary.html
の上の方にある、以下のような部分です。<h2>飼育日記</h2> <ul> <li>2010年3月</li> <li>2010年4月</li> <li>2010年5月</li> </ul>
diary.html
の冒頭部分#march
#april
#may
のようにそれぞれ変えてください。<h2>飼育日記</h2> <ul> <li><a href="#march">2010年3月</a></li> <li><a href="#april">2010年4月</a></li> <li><a href="#may">2010年5月</a></li> </ul>
diary.html
を編集してリンクを設置<h3>
~</h3>
の部分を見つけます。<h3>2010年3月</h3> : 省略 <h3>2010年4月</h3> : 省略 <h3>2010年5月</h3>
diary.html
で上記のような部分を探しましょう。march
、april
、may
のようにそれぞれ変えてください。<h3><a name="march"></a>2010年3月</h3> : 省略 <h3><a name="april"></a>2010年4月</h3> : 省略 <h3><a name="may"></a>2010年5月</h3>
diary.html
を編集してラベルの設置なおMac標準のSafariブラウザの場合は、上記の方法ではHTMLの確認ができないので、以下の作業を行ってください。
jikosyokai.html
内のどこか見やすい場所にクマの小さな画像 kuma-s.png
を掲載し、画像をクリックしたら別窓でクマの大きな画像 kuma.png
が開くように設定してください。kuma-s.png
は kuma.png
の縮小画像(サムネイル)です。参考:画像掲載時の工夫の項が参考になります。<a href="kuma.png" target="_blank"> <img src="kuma-s.png"> </a>
jikosyokai.html
にクマの画像を掲載jikosyokai.html
内の好きな場所にリンクを追加して、diary.html
と link.html
にそれぞれアクセスできるようにしてください。たとえば日記の場合は、以下のように追記すると良いでしょう。<a href="diary.html">飼育日記</a><br>
jikosyokai.html
を編集してdiary.html
につながるリンクを追加link.html
につながるリンクも作ってください。上のリンクをコピー・貼り付けして、ちょっと手直しすれば簡単に作れるでしょう。
<a href="link.html">リンク集</a><br>
link.html
につながるリンクも追加link.html
はリンク集のページです。リンクを追加して、あなたの好きなおすすめホームページを3つほど掲載し、クリックしたら別窓で各ページが開くようにしてください。https://abc.com/xyz.html
のような部分をコピー・貼り付けすると、簡単にURLを入手できるので良いでしょう。<a href="https://abc.com/" target="_blank">なんたらのページ</a><br> <br> <a href="https://xyz.com/abc/def/" target="_blank">かんたらのページ</a><br> <br> <a href="https://opq101.com/def/" target="_blank">どこそこのページ</a><br>
link.html
には、あなたの好きなページへのリンクを3つ追加target="_blank"
jikosyokai.html
に戻れるようリンクを設定してください。リンク先を jikosyokai.html
にすればOKです。diary.html
のページも同様に、ページの一番下にある「戻る」をクリックすると、自己紹介ページ jikosyokai.html
に戻れるようリンクを設定してください。<a href="jikosyokai.html">戻る</a>
diary.html
や link.html
に
もちろん、自己紹介ページを jikosyokai.html
と異なる名前で作っている場合は、リンク先を実際のファイル名に置き換えてつじつまを合わせてください。😁
以下のような設定項目を確認し、各部が正しく機能することを確認してください。
自己紹介ページ jikosyokai.html
の内容は以下のようになるでしょう。ページの下部にリンクやクマの画像が追加されています。
ページに必要なファイル(jikosyokai.html
diary.html
link.html
kuma.png
kuma-s.png
その他掲載した画像ファイルなど)を全て「圧縮フォルダ」機能を使って単一のファイルに圧縮し、moodleにアップロードして提出してください。
圧縮フォルダの名前は 学生番号 氏名 リンク.zip
としてください。
提出期限は、次週の授業日いっぱいまでとします。
学習支援システム moodle
https://cclms.kyoto-su.ac.jp/
moodleへの課題提出方法が分からない場合は、こちらを参照してください。
moodleに課題をアップロードする方法
圧縮フォルダの使い方については基礎実習ページの補足資料コーナーにある「圧縮フォルダの利用方法」記事を参照してください。
以上で今回の作業は終了です。おつかれさまでした。
index.html
とする」という暗黙の了解があります。index.html
は外から来た人が最初に訪れるページであると言えます。https://
はSSLと呼ばれるセキュリティ機能に守られたサイトであることを意味しています。要するに、アクセス情報が外部に漏れにくい、やや安全なサイトというわけです。http://localhost:8800/xyz.html
のようなURLで表してもリンクは問題なく動作しますが、処理が少し遅くなります。#
は「ラベルである」ことを示す記号だと考えると分かりやすいでしょう。 #
が付いていないとHTMLは、そういう名前のファイルが有ると思って探してしまいますから。_
は、標準的な日本語キーボードではShift
+ ろ
キーで入力できます。