2003/9/10 ■■■■ 京都部落問題研究資料センター
メールマガジン vol.035 ■■■■
□インターネット案内□ 「さざ波通信
―日本共産党と現代日本政治を考えるサイト」
日本共産党は民主集中制という党中央独裁で、内部の意見の相違は認められ
ていないか極めて限られている。しかし、何万人何十万人の活動家が実際に活
動しており、また、現在のように古い枠組み(冷戦体制、社会主義、55年体
制の崩壊など)が音をたてて崩れている中で、意見の相違が無いはずはない。
ここで紹介するのは、日本共産党の現役党員が、少数派として日本共産党中央
の方針を批判的に検討・公開討論しているサイトである。基本的には、共産党
の「右傾化」にたいして、まじめな活動家が「左から」批判するというスタン
スであるが、党中央より「右」からの批判もあり、読んでいて面白い。ちなみ
に、サイトのキャッチフレーズには、「このホームページは、複数の現役の日
本共産党員によって開設され運営されるもので、日本共産党の政策、綱領、規
約、歴史、理論、政治行動、イデオロギーについて、および現代日本政治にお
ける日本共産党の役割、位置、課題について、批判的見地から検討し議論する
サイトです」とある。
もちろん、現役党員の主宰するサイトなので、日本共産党の正当性、正統性、
存在意義を認めた枠内での話であるが、なかなか率直で有意義な討論のように
見受けられる。たとえば、先般行われた綱領改定についても、天皇制の問題な
どにつき議論がなされており、象徴天皇制は君主制であるか否か、など興味深
い論点がある。
このサイトを読んでいると、日本共産党を構成する人々の意見が、どのてい
どの幅であるかがよくわかる。その意見に共感するかどうかは別にして、だい
たいこういう意見で、それへの批判はこういう内容だとわかることは、当該組
織にたいする外部からの理解を深める意味で重要だろう。
ひるがえって、部落解放運動に関して、いろいろな意見がたたかわされるメ
ディアがどれくらいあるだろうか。中央本部機関紙『解放新聞』も、もっと討
論の場を提供すべきだろうし、山のようにある機関紙類、研究誌類も、多様な
意見をたたかわせるように意識して編集すべきではなかろうか。(灘本昌久)
※さざ波通信
<http://www.linkclub.or.jp/~sazan-tu/>
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