2002/11/27 京都部落問題研究資料センター メールマガジン vol.016

□インターネット案内□
「近代デジタルライブラリー」

 最近のインターネットの発展と普及には目をみはるものがある。いま話題になっているのが、国立国会図書館が提供をはじめた「近代デジタルライブラリー」<http://kindai.ndl.go.jp/index.html>である。これは、国会図書館の所蔵する明治期の文献11万冊あまりの図書を、画像で提供しようという試みだ。今のところ、実際に閲覧できるのは、約3万冊であるが、今後徐々に追加されていくはずである。このサービスが完備すれば、1冊の本を見るために国会図書館まで旅費をはらって、しかも長い順番待ちをする必要がなくなるわけだ。今後、ますますこのタイプの情報提供が増えていくと思うし、またそうあってもらいたいと希望する。
 ともかく、ためしにこの「近代デジタルライブラリー」に入ってみよう。まず検索画面があらわれる。キーワードとして「穢多」と入れてみよう。すると、「秋田沿革史大成」など10件がヒットする(なお、何もしなくても画像は見えるが、TIFFファイルを読めるビュアーがインストールできるので、それをここで入れておいたほうが画像は鮮明で拡大もできる)。ためしに一番上の「秋田沿革史大成」の目次をクリックしてみる。すると、目次の画面があらわれるので、下にスクロールすると、また「目次」(赤字で「ヒット」と注記してある)という文字があらわれるので、それをクリックすると、詳細な目次が出てくる。下にスクロールすると、「穢多非人ノ称ヲ廃ス」という項目がみえるので、それをクリックすると画像が表示される。少し表示が小さいので、拡大のボタンを2,3回押すと拡大される。真中あたりに、「同月太政官ヨリ布告 穢多非人ノ称呼ヲ廃シ平民トス…」という文字が見える。
 同じように、キーワードでヒットしたものを閲覧すると、なかなか面白そうな文面がいくつもでてくる。まだ、いろいろと改良の余地はあるが、今まで見たこともない資料におめにかかれて、たいへん興味深い。部落問題関係の書籍では杉浦重剛『樊かい(口+會)夢物語 一名・新平民回天談』(はんかいゆめものがたり)などが閲覧できる。
 部落問題関係の図書は、現在文庫化されているものの中などに、かってに編集者の判断で「差別語」が書きかえてあったりするものがあるので、もとの姿を見るには原本の画像はきわめて有用である。