自由間接話法とは何か

著者:平塚 徹

書誌情報
平塚徹 (2017)「自由間接話法とは何か」平塚徹(編)『自由間接話法とは何か―文学と言語学のクロスロード』東京:ひつじ書房,pp.1–48.

要旨

 自由間接話法は、間接話法の伝達節を削除したものでも、(自由)直接話法と間接話法の両方の性質を併せ持つものでもない。むしろ、自由間接話法は、簡単に言うならば、自由直接話法の人称や時制を語り手の立場から選択しなおしたものである。それにより、登場人物の発話や思考を語りの中に断絶なく取り込むことができる。しかし、話法は截然と区別できるものではなく、自由間接話法も他の話法と連続的である。
 自由間接話法の幾つかの問題についても論じ、以下のことを述べた。
① まとめられた自由間接話法は、引用一般に見られる引用者によるまとめと同様のものと考えられる。
②「二声仮説」と「語り手不在説」の対立は、「語りかけてこない語り手」を想定することによって、捉え直される可能性がある。
③知覚の自由間接話法は映画やマンガの視線つなぎと共通の基盤を有すると考えられる。
④知覚を述べるのに、フランス語の単純過去は排除されないし、英語やドイツ語にも時制形式やアスペクトに関して決定的な制約は無い。

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