京都産業大学外国語学部では、英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・イタリア語・ロシア語・中国語・韓国語・インドネシア語を専門的に学ぶことができます。
2026年9月24日、イスラエルのネタニヤフ首相が国連総会で演説した。首相が演壇に立つと、イスラエルのガザでの軍事行動などに抗議して、多数の国の代表が一斉に退席した。これに対してネタニヤフ首相は、演説を始める前にこう言った。
If there are any other moral cowards who have not yet left this hall, please do so now.
日本での報道を見ると、この発言の moral cowards が「道徳的な臆病者」「道徳的臆病者」「道徳的に弱腰の臆病者」のように訳されている。しかし、「道徳的な臆病者」とは何だろうか。正直、何を言いたいのかよく分からない日本語である。テレビでは単に「臆病者」としているものもある。分かりやすさを重視して、moralを飛ばしたのであろう。
実は、moral cowardは、非難されることを恐れて正しいと思っていることが言えない人という意味なのである。ネタニヤフ首相の演説の内容を踏まえると、イスラエルがイランの核兵器を取り除いたことに本当は感謝しているのに、非難されることを恐れてそれを公言できない臆病者というつもりらしい。日本の報道ではこのような意味合いは伝わらない。
試しに、Google翻訳やDeepLに訳させると、両方とも「道徳的臆病者」と訳した。ほとんどの日本の報道においては、この訳語をそのまま使うか、少し手を加えたのであろう。
©平塚徹(京都産業大学 外国語学部)
京都産業大学外国語学部では、英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・イタリア語・ロシア語・中国語・韓国語・インドネシア語を専門的に学ぶことができます。