プロジェクト概要


 
  この研究は、中国経済を研究するプロジェクトである。経済グローバル化と市場経済の潮流が世界経済を変革しつつある中で、80年代から市場経済への移行を進行させ、高い経済成長を持続してきた中国経済は、世界の注目をとりわけ集めている。近年のWTO加盟などに伴い各種の情報開示もかなり進み、中国経済の実態や動向および多方面へのインパクトについての研究も多くの研究者によって相当に蓄積されてきている。しかし、一面において依然として不確実で不透明な部分が少なくない。中国経済と日本経済を含む世界経済との関わりが今後避けられない重要性を持つことを受けて、その実体経済の動向や多くの経済的課題そして将来展望について、「経済グローバル化と市場化の影響」という共通のキーワードのもとに、本プロジェクトは研究活動を実施し、その研究成果をなるべく広く社会に公開していくことを目的としている。
  研究のためのアプローチとして、経済成長、産業政策、地域経済、対外経済の4つの側面から、中国経済を「経済グローバル化と市場経済化」に関連付けて研究を遂行する。経済成長については、中国経済の主要な成長要因に特殊な経済要因も考慮しながら持続的な経済発展の可能性を議論していく。最近話題になっている西部大開発計画についても議論をしていく予定である。産業政策については、中国経済が経済グローバル化と市場経済化の中で、従来の社会主義計画経済体制の遺制をどれだけ取り払い、市場経済型の政府の産業政策をどのように実施していくかについて見極めて行きたい。産業構造の変化、労働移動や地域間格差、中国の国内企業の改革、外国資本に対する対外的および国内政策などが扱われる。地域経済については、農業問題の重要性や外国資本の進出地域をフィールド調査によって実際に現場を確認していく。対外経済については、次第にその影響が大きくなっている中国の対外輸出・対外輸入の貿易規模、対中直接投資による中国国内市場への参入問題、国際金融市場への中長期的な影響などについて研究を積み上げていく。