古代インドの世界A
講義目的
よく「インドは混沌としてつかみ所がない」といわれる。インドの場合は、諸々のことが
重なりあい融合しあっている結果、区別が明確でないというところに「混沌」と称される
原因があると思われる。そこでAのテーマは混沌と融合である。インドの混沌を演出している
ものは何であるかを古代からひろいあげ、あらゆるものが一つの方向に向かって融合して
いく文化がインドの文化であることを示していきたい。必要に応じビデオ教材を使用して
インド理解の助けとする。
授業内容
1 イントロダクション
2 「混沌」を演出するもの
(1)民族と言語
(i)インダス文明とその担い手
(ii)アーリヤ民族と北インド
(2)ヴァルナ・ジャーティ制度
(i)ヴァルナ制度の確立
(ii)ジャーティ制度
(iii)マヌ法典
(3)宗教
3 「融合」の世界
(1)宗教と哲学
(i)輪廻・解脱・業
(ii)ヨーガ
(2)思想の融合
履修上の注意
インド思想に関する解説書は多いが、一読して容易に理解できる書は皆無といってよい。
欠席せずに、毎時間ノートを取りながら聴講することで、インドに関する基礎知識も得られ、
インド思想の書物を読むことが楽しくなるはずである。また授業中に配布する資料は、一読した
だけでは理解困難であるような難解なものが多い。授業後は必ず資料を再読して自己の理解を
確認することが求められる。
授業の到達目標
バラモン教に関する基本的知識、例えば、ヴェーダ、ウパニシャッド、アートマン、ブラフマン
といった用語、輪廻・解脱といった宗教的項目などについて、一応の解説が出来るようになりたい。
評価方法
定期試験と平常点(出席点、授業時に提出するレポート)とによって総合的に判断する。
教材
参考書:早島鏡正・高崎直道・原実・前田専学『インド思想史』(東京大学出版会)
参考書:辛島昇・桑山正進・小西正捷・山崎元一『インダス文明』(NHKブックス)
参考書:辻直四郎『インド文明の曙』(岩波新書)
参考書:クシティ・モーハン・セーン・中川正生訳『ヒンドゥー教』(講談社現代新書)
古代インドの世界B
講義目的
Bでは、融合の文化であり宗教であるヒンドゥー教について講ずる。シヴァ信仰やヴィシュヌ
信仰の広がりによってインド全土に浸透していくヒンドゥー教、反バラモン主義として登場
した仏教をも呑み込んでいくヒンドゥー教、さらには、マハーバーラタ、ラーマーヤナで
活躍する国民的英雄達をも呑み込んでいくヒンドゥー教。このようなヒンドゥー教の特色
を講じ、最後には古代インドの人たちの人生観を眺めてみる。必要に応じビデオ教材を
使用してインド理解の助けとする。
授業内容・授業計画
1 イントロダクション
2 シヴァ神とヴィシュヌ神
(1)シヴァ信仰のひろがり
(2)ヴィシュヌ信仰のひろがり
3 二大叙事詩
(1)マハーバーラタ
(i)アウトラインと主な登場人物
(ii)ヒンドゥー教との関わり
(2)ラーマーヤナ
(i)アウトラインと主な登場人物
(ii)ヒンドゥー教との関わり
4 古代インドの人生観
(1)人生の三目的(トリヴァルガ)とは
(2)ダルマ/アルタ/カーマ・シャーストラ
履修上の注意
インド思想に関する解説書は多いが、一読して容易に理解できる書は皆無といってよい。欠
席せずに、毎時間ノートを取りながら聴講することで、インドに関する基礎知識も得られ、
インド思想の書物を読むことが楽しくなるはずである。また授業中に配布する資料は、
一読しただけでは理解困難であるような難解なものが多い。授業後は必ず資料を再読して
自己の理解を確認することが求められる。
授業の到達目標
ヒンドゥー教に関する基本的知識、例えば、シヴァ神、ヴィシュヌ神、マハーバラタ、
ラーマーヤナなどの項目について、一応の解説が出来るようになりたい。
評価方法
定期試験と平常点(出席点、授業時に提出するレポート)とによって総合的に判断する。
教材
参考書:早島鏡正・高崎直道・原実・前田専学『インド思想史』(東京大学出版会)
参考書:クシティ・モーハン・セーン・中川正生訳『ヒンドゥー教』(講談社現代新書)
参考書:ひろさちや・服部正明『ヒンドゥー教の聖典』(すずき出版)
参考書:渡瀬信之『マヌ法典』(中公新書)
参考書:上村勝彦『実利論上・下』(岩波文庫)
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Last modified: Mon Feb 17 17:36:09 JST 2003