秋学期が始まりました。
神山祭など秋は行事が多いので授業を休みがちになる傾向があります。気をつけてください。 *10月4日 春学期の仏教思想の続きで、仏陀亡き後の仏教思想として「有」の哲学を見てみました。 秋学期はピーター・ブルックの映画「マハーバーラタ」(MBh)のさわりの部分を少しづつ 見ていこうと思います。今日は、パーンドゥ王とドリタラーシュトラ王の誕生の部分でした。 *10月11日 大乗仏教の思想に入り、「有」の哲学を批判して出てきた龍樹の「空」思想を見ました。 MBhのヴィデオは、5王子と100王子の誕生の部分でした。 *10月18日 世親の唯識思想を説明しました。アーラヤ識という深層心理学的な話で少し難しかったようです。 MBhの方は、パーンドゥ王が死に、5王子がドリタラーシュトラ王に引き取られるということでした。 *10月25日 バラモン教の思想の中心をなしてきたサーンキヤ思想とヴェーダーンタ思想の話をしました。 MBhの方は、5王子と100王子の対立が目立ち始め、5王子には、ドラウパディーという 共通の妻が獲得されるということでした。 *11月1日 シャンカラの「不二一元論」「幻影」(マーヤー)といった独特の思想を紹介しました。 MBhでは、賭博に負けて5王子は12年間の放浪の旅に出るというお話しでした。 *11月8日 KhajurahoとKonarakのヒンドゥー美術を紹介するヴィデオを見て、ヒンドゥー教の 成り立ちを学びました。 *11月15日 マハーバーラタとそこに挿入されたバガヴァッド・ギーターについて概説しました。 MBhのビデオでもバガヴァッド・ギーターの部分に相当する場面を見ました。 *11月22日 欠講 *11月29日 バガヴァッド・ギーターにおいて説かれているバクティ(bhakti)とスヴァダルマ (svadharma)についてテキストを読み、ヒンドゥー教におけるギーターの意義を 考えました。MBhのビデオはユッディシュティラが天へ上っていく最終場面を見ました。 *12月6日 タントリズム(tantrism)について簡単に説明したのち、ヨーガ・スートラの テキストを見ながらヨーガについて少し説明しました。 *12月13日 ヨーガの八段階の説明を終えました。外的実習法まではなんとか理解できても 禅定、三昧という最終段階になると我々の理解を超えているようです。 *12月20日 いよいよイスラム支配下に入ったインドの思想です。まず、イスラム神秘主義者 スーフィーの思想について考えました。ヒンドゥーとイスラムとがインド亜大陸で 共存しえたことを説明できる鍵になるかもしれません。 *1月10日 ヒンドゥー教バクティ思想のその後の展開を見て、南インドのバクティ思想が北インド にもたらされたであろうことを見ました。 *1月17日 ヒンドゥー教とイスラム教を越えようとしてグル・ナーナクがシク教を創設したこと、 ナーナク後のシク教の動きなどを見ました。秋学期試験について
#日時 1月24日(木)第2時限 #教室 11406 #形式 記述式 #次にあげる秋学期授業内容のポイントをしっかりおさえておくこと。秋授業内容のポイント
1 バラモン中心主義に異を唱えたゴータマ・ブッダの仏教は当然ながら古代インドでは 敵視されることになるが、思想的に見て、仏教のどのような考え方がバラモン教各派からの 反発をかったのであろうか。 2 仏教の思想も、ブッダ入滅後いろいろと変化していったが、大乗仏教時代に唯識という 考え方をうち立てた。これは簡単に説明すればどのような世界観か。 3 インドの中心的思想であるヴェーダーンタ哲学も宿敵仏教の影響を受けたと言われる。 シャンカラの不二一元論の構造に見られるマーヤー(幻影)という思想には唯識の影響が 見られると言われるがそれはどのような考え方か。 4 難解なバラモン教思想や祭儀中心主義は一般庶民にはしょせん無用のものであった。 そこで、庶民はヒンドゥー三神を中心とした身近な人格心に救済を求めるようになっていった。 その三神の特徴とはどのような点にあるか。 5 神へのバクティをはじめて説いたバガヴァッド・ギーターとはどのような文献で、 その中心的思想はどのようなものであるか。 6 ヒンドゥー教がインドに広まっていった頃、一つの流行とも言うべき現象が見られた。 タントリズムである。このタントリズムを簡単に説明すればどのような思想か。 7 タントリズムとも関わりを持つインド古来の瞑想手段であるヨーガ、その特徴とその 概略を説明してみよう。 8 イスラムが北インドを支配した数世紀の間、インド亜大陸で庶民の信仰を集めたスーフィー とはなにか。またスーフィズムとはどのような思想か。 9 ヒンドゥーとムスリムの対立を何とか乗り越えたいとの高い理想のもとにグル・ナーナクは シク教を創始した。そのシク教とはいかなる宗教であり、その後インドでどのような位置を 得ていったであろうか。私のHPに掲載した二つの論文「インド理解のキーワード---ヒンドゥーイズム---」 「反目と融和---インド亜大陸におけるヒンドゥー教とイスラム教の交流---」が上記の 勉強の役に少しは立つかもしれませんから見てください。少々読みづらいかもしれませんが。