HTMLの歴史

そもそもHTMLという文章は
    「最低限のフォーマット(形式)を指定しておくから見る時に適当に表示して」
というコンセプトで成り立っており、ワープロのように字を大きくしたり、フォントを変えたりするような修飾はできませんでした。初期のフォーマットは本当に最小限のものしかなく、利用者はもう少し色々な表現ができるようにHTMLの拡張を求めました。

そしてHTMLを表示するブラウザとして、NCSA MosaicやNetscape、Links、mule上で動くw3等色々なものが広まりましたが、このうちNetscapeは標準HTMLに加えて独自のHTML規格を盛り込んだのです。

その結果

    「Netscapeでしか正しく見る事ができません」
というページが存在することになったのです。幸か不幸かその拡張HTMLを使いたい人が余りにも多く、またNetscapeのソフトウェアも無料で簡単に手に入れる事ができたため、利用者が圧倒的に増え、事実上の標準ブラウザとなってしまいました。

そうなると、何が標準のHTMLかという議論になり、どんなブラウザでも見ることができるものが標準だという意見と、(おそらく)8割以上の人がNetscapeを使っているのだからNetscape独自のHTMLは既に標準だ、という意見がでました。

その後、それらの意見を踏まえて標準HTMLが拡張されたのですが、Netscapeであまりにも広まってしまったものを大幅に取り入れて、なおかつ新たな機能を盛り込んでHTML2.0が誕生したのです。

その後もNetscapeは新たなHTMLを作り続けています。Netscapeでしか見ることのできないページがどんどん増え続けて事実上独占状態になっているのですが、そのおかげでHTMLの拡張が急速に進められているのも事実です。最近はこれにMicrosoft Internet Explorer が加わり、これもまた独自HTMLを追加しているため、最新機能を使ったページはこのブラウザでは(作者が意図したように)見られるがあのブラウザでは見えないというものが数多くあります。そのような最新機能を使うときにはその辺りを考慮して採用しないと作者が意図したイメージで伝えることができません。


Last modified: Tue Jun 11 19:43:02 JST 1996