Lecture & Seminar      Facult of Law

         2011 Contract and Related Topics in Interactive Lecture  民法双方向講義
  
Purpose


 具体的な事例について、民法上の解決(理論構成の選択、要件と効果の一通りの説明、請求の可否)を示せるようになることが、目標である。民法の知識・理解にもとづく事例判断能力を身に付ける(知っているだけの民法から、使うことができる民法へ)。

Summary


 
この講義では、「民法(財産法)の事例について相談を受けた」という設定で、法律関係とその解決を説明することを目指す。「結局、私は、誰に、どんな請求ができるのでしょうか?」に答えるのが、テーマである。
 民法が好きな人、民法の実力を試したい人やみがきたい人は、是非、受講していただきたい。法科大学院への進学を考えている人や迷っている人、法律相談部の学生にも、受講を勧めたい。
 事例を解決しようとすると、実は民法の知識・理解を「総動員」する必要に迫られる。世の中の事例は、ある部分は民法総則に関係するが、ほかの部分は物権法に関係し、別の部分は債権各論に関係する、というかたちであらわれるのが、普通だからである。たとえば、「買った物が期待したような品質ではなかった」という単純なケースを考えても、詐欺・錯誤とすれば民法総則、債務不履行とすれば債権総論、瑕疵担保や不法行為とすれば債権各論に関係する。また、買主が何を望んでいるのか(代金の返還なのか、物の修理なのか、金銭的な保障なのか)によっても、どの制度が関係するかが変わってくる。
 この講義では、具体的事例を、最初から最後まで考え抜くことで、民法の知識・理解を確固にして、実際に使える理解に近づけることを目指す。そして、「民法はこんなに面白かったのか」と思ってもらえば、成功である。

Plan


 担当教員が法科大学院での経験をふまえて、学部生向けの事例を作成する。1ケース(事例)を2〜3回で検討するため、7ケース程度をとりあげることになる。今年度の事例の予定は、次の通りである。すべて、実際にありそうな・あってもおかしくないという意味で、身近な事例である(実際に身近に起きてほしくはないが)。
 (1) 売買
 (2) 損害賠償請求
 (3) 物権変動
 (4) 賃貸借
 (5) 保証
 (6) 抵当権
 (7) 債務不履行
 双方向講義であるので、講義と演習の中間的な授業形態となる。つまり、(1)予め配布された事例を予習する(多数のヒントあり)、(2)授業では、担当教員からの質問をはさみがら事例を整理する、(3)法律関係とその解決についても、質問をはさみながら明らかにしていく、(4)重要な論点があれば議論する、というかたちが基本である。





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